【文庫】週間ランキング2008年09月22日 付集計分

居眠り磐音 江戸双紙 27 石榴ノ蠅

【1位】居眠り磐音 江戸双紙 27 石榴ノ蠅 / 佐伯泰英 /双葉社

容疑者Xの献身

【2位】容疑者Xの献身 / 東野圭吾 /文藝春秋

ナイチンゲールの沈黙 上

【3位】ナイチンゲールの沈黙 上 / 海堂尊 / 宝島社

ナイチンゲールの沈黙 下

【4位】ナイチンゲールの沈黙 下 / 海堂尊 / 宝島社

萌黄色のハンカチーフ 杉原爽香三十五歳の春

【5位】萌黄色のハンカチーフ 杉原爽香三十五歳の春 / 赤川次郎 / 光文社

魔王

【6位】魔王 / 伊坂幸太郎 / 講談社

闇の子供たち

【7位】闇の子供たち / 梁石日 / 幻冬舎

狼と香辛料 Ⅸ 対立の町 下

【8位】狼と香辛料 Ⅸ 対立の町 下 / (著)支倉凍砂/(イラスト)文倉十 / アスキー・メディアワークス

氷の華

【9位】氷の華 / 天野節子 / 幻冬舎

陰陽師 瀧夜叉姫 上

【10位】陰陽師 瀧夜叉姫 上 / 夢枕獏 / 文藝春秋

陰陽師 瀧夜叉姫 下

【11位】陰陽師 瀧夜叉姫 下 / 夢枕獏 / 文藝春秋

信長の棺 上

【12位】信長の棺 上 / 加藤廣 / 文藝春秋

その日のまえに

【13位】その日のまえに / 重松清 / 文藝春秋

信長の棺 下

【14位】信長の棺 下 / 加藤廣 / 文藝春秋

神曲奏界ポリフォニカ エイディング・クリムゾン

【15位】神曲奏界ポリフォニカ エイディング・クリムゾン / (著)榊一郎/(イラスト)神奈月昇 / ソフトバンククリエイティブ

西の魔女が死んだ

【16位】西の魔女が死んだ / 梨木香歩 / 新潮社

パコと魔法の絵本

【17位】パコと魔法の絵本 / 関口尚 / 幻冬舎

陰日向に咲く

【18位】陰日向に咲く / 劇団ひとり / 幻冬舎

さまよう刃

【19位】さまよう刃 / 東野圭吾 / 角川グループパブリッシング

あやし うらめし あなかなし

【20位】あやし うらめし あなかなし / 浅田次郎 / 双葉社

れでぃ×ばと! 7

【21位】れでぃ×ばと! 7 / (著)上月司/(イラスト)むにゅう / アスキー・メディアワークス

探偵ガリレオ

【22位】探偵ガリレオ / 東野圭吾 / 文藝春秋

たった3秒のパソコン術

【23位】たった3秒のパソコン術 / 中山真敬 / 三笠書房

ユージニア

【24位】ユージニア / 恩田陸 / 角川グループパブリッシング

境界線上のホライゾン Ⅰ 上

【25位】境界線上のホライゾン Ⅰ 上 / (著)川上稔/(イラスト)さとやす(TENKY) / アスキー・メディアワークス

若さま同心 徳川竜之助 4 陽炎の刃

【26位】若さま同心 徳川竜之助 4 陽炎の刃 / 風野真知雄 / 双葉社

99のなみだ・雨 涙がこころを癒す短篇小説集

【27位】99のなみだ・雨 涙がこころを癒す短篇小説集 / (編)リンダブックス編集部 / 泰文堂

蟹工船・党生活者

【28位】蟹工船・党生活者 / 小林多喜二 / 新潮社

予知夢

【29位】予知夢 / 東野圭吾 / 文藝春秋

おんなのるつぼ

【30位】おんなのるつぼ / 群ようこ / 新潮社



陽炎ノ辻—居眠り磐音 江戸双紙 (双葉文庫) / 佐伯 泰英 / 双葉社推定累積売上部数【107199部

先週順位
–位】の口コミ

「おい、熊公。あそこの茶店で小さな双紙読んでるお侍を見てみな」「なんだい信吉」「さっきからすんげぇ目してじっとあの双紙を読んでるんだよ。なんかに魂を抜かれたみてぇだ。あら、いきなり笑い出したよ」「そんなにあの双紙がおもしれえのかね」「ああ、四半時(30分)もあの有様だ。おや、今度は・・・あれっあの侍、目が潤んでるじゃねぇか。泣いてんのか。泣いたり笑ったり忙しい侍だね」剣あり、恋あり、涙あり。読後気分爽快万事祝着。【読売の信吉】

磐音シリーズ既刊23冊全巻を読み終りました。結論として、面白さから言えば、これほど面白い小説を知りません。ほかの小説が読みたくなくなるほどです。これまで佐伯泰英さんの作品についてまるで知らなかったのですが、テレビで山本耕史と中越典子の連続ドラマを見て、主人公の磐音とおこんの大ファンになり、即刻、本を購入読み始めたら、面白くて途中でやめられません。たちまち、既刊23冊全部を読み終えてしまいました。あと、読む本がなく、しばらくぽかんとしてすごしました。そして作者が第23巻「万両の雪」のあとがきで、50冊くらいまでは書き続けるといっているので、続編が出るのを心待ちにしています。1700年代後半の江戸時代の地理や風俗、幕府・大名の官僚組織などもよく研究されていて、当時の江戸の名所、寺社、大名屋敷、奉行所の所在地やその様子、両替商など大商人の商いぶり、庶民の暮らしぶりや風俗が、そのまま映像として脳裏に浮かび、その時代の人になったような気分で物語が楽しめる、語彙や事柄についての作者の博識も驚くほどで、侍言葉や町人の話し方、その時代のしきたりなどずいぶん勉強になりました。そして、主人公の坂崎磐音の人物像がとても魅力的。当代一の青年剣客で、清廉潔白、正義の人、しかも、さわやかで、穏やかで、優しく、愛情深く、友情にもあつく、礼儀正しく、その上すぐれて賢明でもある。多くの人から頼りにされ、愛される。彼を取り巻く主要人物も魅力的な人が多く、その人物像、性格もきっちり描き分けられているので、主人公たちへの感情移入も容易にできました。【安】

娯楽モノの時代小説も、佐伯泰英さんの本を読むのも初めてで、テレビドラマの原作と言うだけで手にとって呼んでみたのですが、予想以上に面白くはまりました。江戸の風景だけでなく、国許のお家騒動も絡んで世界が広がり、言葉はもちろん古風ではありますが、気楽に読める現代的時代小説といっていいでしょう。ただ、あまりに強すぎる磐音に、彼がいなければ江戸の町も豊後関前も守れないのではないかと、要らぬ心配をしてしまいます(笑)。【kisshou】

居眠り剣法の使い手で、用心棒と鰻屋を掛け持ちするフリーター侍、という設定は面白いんですが、人物描写が、いくらエンタメ小説としても、弱すぎる。人によるとは思うけど、描写がきちっとしたものを求める向きには物足りないのではないでしょうか(同じエンタメであるミステリー小説では、結構そうした描写もきちっとする人がたくさんいるし、キャラがたっていることが多い)。【pp-tang】

と書店にならんでいた「陽炎の辻」から読み始めました。きっかけは7月から始まるドラマの原作があるとしったからと、山本耕史が主人公を演じると聞いたから。いざ読んでみると久々に面白く飽きることなく、するりと読んでしまいました。人も血も汗も涙もたくさん出てきますが、テンポがよく、スカッと後味よろしく、いま21冊中半分読みました。人情厚い坂崎磐音を山本耕史がどう演じるのかが楽しみです。【まゆちゃん】

容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7) / 東野 圭吾 / 文藝春秋推定累積売上部数【382270部

先週順位
1位】の口コミ

平素、学術書ばかり読んで味気無さを感じたせいかたまには昔のように推理小説を読もうと気軽に手にとり、文学的にどうとかミステリとしてどうとか世間の評価がどうとか、そんな無粋なことは抜きにして感情移入しつつ流れにまかせて読みました。その結果自然に涙が出ました。湯川の言葉からもわかる通り、石神のしたことは「そんなこと」であり、普通の人の感覚ではやはり歪んでいるとしか捉えられないかもしれません。しかし無機質な天才石神が、ちっぽけな幸せのために不器用な愛(私を含め普通の人からすればこんなのは狂った自己愛にすぎないというかもしれませんが、彼にとっては間違いなく愛だったと思います)を貫きました。そのためにあれほどの自己犠牲をできる者は、虚構でなければ有り得ないから、現実の世界では有り得ないから、一人の天才のあわれな「献身」に私は涙を流しました。【将監】

あえて、刺激的なタイトルにしました。本格ミステリ大賞を受賞したこともあり、どんなトリックで殺害したのか気になっていました。本格推理小説では、伏線に注目し、見落とさないように読んでいます。あえていえば、攻めの姿勢で読んでいると言えるでしょう。ところが、本作では守りの姿勢で読んでしまいました。バレる、その仕草はまずい、気づくな……。そう、まるで共犯者のような気持ちになってしまったのです。トリックを見破る人間に対して敵意を持ったのは、初めてでした。読む前はトリックばかりに注目していたのが、いつのまにかストーリーだけを追っていました。本作は、推理小説です。それと同時に、人間のドラマです。読み終わった後に、私は推理小説でもあったことに気づきました。できることなら、六ツ星をつけたい。【日傘】

映画化されるということもあってその前に見ておきたくて購入。作品は400ページ弱ということでボリュームは程よい。タイトルの意味というのは作品中にわかります。深いですね、いろんな意味で。ドラマのガリレオを見ていた人はその人物が浮かんだりして違うところで楽しめるかもしれません。「映画では誰がこの役をやるんだろう」といったことを考えながらも見てました。登場人物も少なめで時間軸が目まぐるしいところもなく非常に読みやすい作品だと思います。物語もシンプルです。と思いきや「なるほど、そういうことか」と思える後半戦。東野圭吾ファンにはもちろんのことサスペンス好きやドラマを好きだった人にもお勧めできます。それにしても最後・・・あの人はどうなったんだろう?気になります。【ノリ】

隣人の靖子が前夫を殺害したことを知り、高校教師の石神が組み立てた完全犯罪への仕掛け。予想もしないトリックがあるのだろうと思いながら読み進めていてもそれを上回る舞台が用意されていたことに驚かされる。しかし、その舞台は単なるトリック、ミステリーではない。とっても切ない心の重なり、そして、それを解き明かした湯川学の苦悩。謎を追い、またそれを隠す人、それぞれの胸が、謎が解けるたびにぐっとしめつけられる。「人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある」登場人物たちの鋭い観察力、洞察力に感嘆するとともに、圧倒的な切なさに心しびれる作品である。【考える犬】

いくつかのレビューを見せていただきました。 みなさんが、この作品は良い!と、言われるだけあったなって思います。推理物、殺人物は読んでいるうちに、なんか重苦しい感じがあったりしますが、この作品にはそんな感じはなく、愛情と友情と苦悩が一番感じられました。【マミタン】

ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【141800部】の口コミ

バチスタの流れで来ているのはわかるけど、やたらキャラに個性をつけすぎてその描写がくどい気がします。キャラの個性を出すためだけに行が使われる・・赤川次郎のような?(赤川次郎のような女子高生のりではないですが)今回も発想はなかなかおもしろいと思いました。が、ムリにエンディングを造りそこに強引に話を持って行ったような。かといって買ったことに後悔はしてません。次が読みたくなりました。【みそたろう】

バチスタを読んでから本作を読みましたが、やはりテンポが良く次の展開にワクワクしながら読みました。確かに結末に向かう展開、結末は、自分も皆さんが評価されているように思いましたが、面白さは変わらないと思います。ただ、もっと詳しく今作に登場した人物と、その能力を掘り下げて描いて欲しかったな、と思いました。個人的に、途中から翔子さんに好感を持ったので。【すいか】

チームバチスタに比べると、ややおもしろさにかける部分はあるけど、チームバチスタを読んでおもしろかった人には、田口を筆頭に病院を舞台にした海堂節の文面は、それなりに楽しめると思います。ハードカバーで買う気はまったくないが、上下巻の文庫本で1000円なら、それなりに暇つぶしとして楽しめると思います。【かさこ】

ナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【127884部】の口コミ

登場人物が勢ぞろいし、ユニークなキャラクターのかけあいとかは、非常におもしろいものの、肝心の事件とその解決は、残念ながらさほどおもしろくない。謎解き以前に簡単に犯人が想像できてしまうし、謎解きもたいした方法ではない。あっさり結末になってしまう。ただ海堂ワールドともいうべき、チームバチスタの続編として、ユニークなキャラとその文面のおもしろさだけで、ひとまずもっているような本。事件解決のストーリーは気にせず、文庫で500円で暇つぶし程度なら、そこそこは満足できるとは思います。【かさこ】

萌黄色のハンカチーフ—杉原爽香三十五歳の春 (光文社文庫 あ 1-112) / 赤川 次郎 / 光文社推定累積売上部数【44897部】の口コミ

莢香も35歳になりました。 ラストでは、二世の誕生のニュースも。 それにしても、今回も忙しい物語です。 今までも忙しく事件が起こりましたが、今回は異常なくらい次々に事件が起きます。 公的にも、私的にも、そして事件にも、全く寝る暇もないほどの忙しさです。 それだけ小説の方は、テンポも良く、一気に楽しく読むことが出来ます。 一応、事件の方は何とか片付いたようなのですが、もっと大きなところの闇の力が徐々に莢香に迫ってくるようです。 警察もまともに動かないような強い力に耐えられるのでしょうか? 今までの所は、彼女の持つ広い人脈で何とか片付いていますが・・・。 今後は一層の困難が、彼女を襲いそうです。【ringmoo】

1年に1冊出版され,登場人物も1つ歳をとります。爽香は35歳になりました。近年は,爽香の日常生活で起こる事件と,爽香の周りの人間が関わる殺人事件の2つの話しが平行し進んでいきます。殺人事件は,一応の解決がつくものの,まだ明らかにならない大きな力が動いているようです。今後の作品で鍵となっていくのでしょうか。そして,キーワードは家族。爽香が育ってきた家族。爽香が明男とつくった家族。どちらの家族も爽香にとって大切なものです。そんな爽香の思いが伝わってきます。【ともさる】

いつも通り事件に巻き込まれていく爽香なのだが、今回は底知れぬ気味の悪さが漂う。とある殺人事件が起こった後、“何か”を探す連中に次々と襲われる爽香の周りの人々。それは、今までのような私怨からのものとは違い、一般人の関わってはならない大きなものが背後で動いている様子。しかし、それが何だかは最後まで明らかにされず、後味が悪くスッキリしない。シリーズとして次作から明らかになるのかもしれないが、一年待つのはしんどいかも(苦笑)。お馴染みのメンバーも登場するが、今回は皆様いささか活躍は少なめ?とりあえず爽香は大活躍しているものの、どこか「杉原爽香シリーズらしくない」という印象を受けました。最後に“おめでたい”お知らせも。さて、来年はどうなっていることやら…?【あるまじろん】

魔王 (講談社文庫 い 111-2) / 伊坂 幸太郎 / 講談社推定累積売上部数【40618部】の口コミ

本書は、講談社の『エソラ』という文芸&コミック誌の04年12月第一号に掲載された「魔王」と05年7月第二号に掲載されたその続編「呼吸」を一冊にした文庫である。 不思議な「腹話術」の力を身につけた男が大衆を扇動する政治家と対決する「魔王」。 その弟夫婦が主人公で、弟は兄がとり憑いたかのように「賭け事」が強くなる。その夫婦の物語「呼吸」。別々の作品ながら対をなしている。 著者の言葉として「自分の読んだことのない小説が読みたい。そんな気持ちで書きました。」とあるが、単なるエンターテイメントの要素の強い超能力SF小説ではない。彼特有の、社会をクールに捉える眼差しはもちろん健在、仕掛けももちろん盛り沢山。現代社会の問題点に鋭く切り込むために、あえて登場人物たちに特殊な能力を持たせたのだろう。 いつもの伊坂ワールドのテイストを残しながらも、いままでの諸作とは一線を画した、どちらかというと純文学に近いタッチが感じられた。 【Wakaba-Mark】

闇の子供たち (幻冬舎文庫) / 梁 石日 / 幻冬舎推定累積売上部数【133551部】の口コミ

この物語に救いはありません。当然、現実にも救いはないのでしょう。そして、この現実の中で、私も含め全ての人は・・・きっと業を背負っているのでしょう。ただ知ることしかできない・・・読後にもかかわらず、途上国の人を見下している他人の私がいます。それが悲しい。私は変われないのでしょうか?自分に幻滅します。ただ、子供たちの絶望を考えると何かしなければいけないと思います。しかし、外国人である私は南部の考えにシンクロしてしまう部分があるのです。それがまた悲しい。なのにまだ思考が出来ません。何かを・・・恐怖と混乱があるだけです。【エリマキトカゲ】

最初はノンフィクションかと思って恐る恐るこの本を手に取ったのですが、フィクションだったのですね。しかしまるでノンフィクションも同然の衝撃的な内容であり、これが東南アジアの現実なのだと、目眩がしました。かつて「忘れられた子供たち」という、フィリピンでゴミ拾いをしながら暮らす子供たちを映したドキュメンタリー映画を観たことがあります。ゴミ山の中で暮らしながらも、それでも希望を胸に抱きながら必死に生きる子供たちの姿を見て感動というか、感銘を受けたことがありますが、この「闇の子供たち」という小説には、希望どころか僅かな救いすらありません。あるのはただ、底なしの絶望と恐怖。まさにこの世の地獄です。そしてその地獄に君臨するのは、幼児性愛者というこの世の悪魔です。この悪魔たちが何食わぬ顔をして我々と同じ地上で善人面しながら生きているのかと思うと、吐き気がします。ある意味アフガンのテロリスト達よりもはた迷惑な存在でしょう。もう怒りを通り越して、泣きたくなります。この本はフィションという形式をとっていますが、書かれていることは救いのない現実そのものです。そしてその現実を前にしても何もできない自分自身を徹底的に打ちのめします。読んでいてこれほど辛い本は他にはないでしょう。だけどこの胸の痛みは決して忘れてはならないものだと思います。この世のペドファイアに神の裁きが下ることを、心の底から祈ります。【桜っち】

読み終えてから、本当にこんなことが、実際起こっているんだろうなと考えさせられ、頭から離れない本。前半は、なんだか読むに耐えない表現だらけだが、最後まで読むとつよく訴えかけるものがあり、感動する。映画を見なかったのが残念、ぜひDVDで見てみたい。【mthsngc】

私は映画は見てません。他の方のレビューを見て購入しました。最初「アジアの黒い部分かちょっと興味あるな。そういえば少年を買うってどういう意味なのか知らない。評価いいみたいだし暇つぶしに」と興味本位で購入。軽い気持ちだったのに最初からかなり真っ黒な展開で「は?」と目を疑いながら、暇つぶしの筈が寝る間を惜しんで読破。グロイ表現も細かいけど性的描写もポルノ小説並みに細かいのでとりあえずペドファイルという人達が何してるのか非常に良くわかりました。教えてくれてありがとう、今まで性的快楽を求めて外国行く人をTVで見ると軽蔑の目で見てきましたが、これからは殺意を持てそうです。あとがきと作者に逆らうようですが私は最後に南部が言ったことが音羽(ヒロイン)が捉えたほどに悪い捉え方は出来ませんでした。っていうか、こっちから頼んで協力してくれて大枚はたいて、デスクにさんざ掛け合って、主人公の失敗で挙句肋骨三本折るまで巻き込まれそのくせ音羽を守るきれなかったことを悔いる人に対して、たったひとことの為に「エゴの塊」と存在全否定・・・?「あなたと私は違ったのね」とかならわかるけど、それはそれでひどいんですけど。作者によるこの本を読んで「マスコミは話題が盛り上がっている時は煽るだけ煽って後シラネという姿勢だけど貴方達読者は一過性で終わらないで」というメッセージを含んでいるのでしょうが、正直南部と連携をとりながらという終わり方のが救いがあった気がする。確かにブンヤという商売上ここまでの協力は今後無理な可能性は高いけど、気を使って情報くらいはくれるだろうし関係者の仲介役もしてくれそうなのに。これは私の個人的な意見ですし、いろんな人がいろんな捉え方するだろうけどとりあえず、ただこの本読んだだけで「タイの全貌を知った」みたいなこと思うような人が出たら嫌だな・・・と思います。【えへ】

このストーリーでは偽善臭が拭えない、という指摘は重々承知だが、作者は充分な政治力をもつ全き善意ですら偽善の域を出ることが適わない現状、つまり我々が現在生きる複雑で残酷な世界をそのまま書こうとしたのだと私は考える。文庫版後書きにある長江朗の言葉を胸に刻みたいと思う。『憎むべきは(略)、売春宿で幼女と性行為に及ぶ外国人の男だけでなく、この絶対的貧困を温存し、温存することで自らの豊かな社会を保っている私たち自身なのだ。』『私たちは、彼らを殺して彼らの臓器で生きているのだから。』【ささみ】

狼と香辛料 9 (9) (電撃文庫 は 8-9) / 支倉 凍砂 / アスキー・メディアワークス推定累積売上部数【21067部】の口コミ

 中世商業をモチーフにした人気ライトノベルの九巻目。 当作はライトノベルのためか、内容の割には設定要素が多すぎ、ファンタジーなのか中世商業描写なのか全部口実に過ぎずラブコメなのか、という点が判然としないところがあった。 もともと命(破滅)は必ずヒロインが助けてくれるという奇妙な前提を繰り返し主張しているなかで『商人生命』を賭けて戦うという話だったため、実際に商人生命が破綻する二巻と、商人生命とヒロインを天秤に掛ける三巻でドラマを使い果たしていた感があった。 しかしこの巻終盤でようやく主人公が『なりたいもの』に対して明確な答えを提示したことによって、シリーズ全体が改めて串を刺したようにシャキっとした。目指すものがわかれば、過去作の行動も全てそこに至るためにあったと考えられるわけで、四巻以降の蛇足気味に見えた展開にも俄然意味が出て、通巻して描こうとしてきたテーマも浮き上がってくる。 その意味で、主人公のパートナーになり得る女性のライバル、エーブの登場は素晴らしかったと言える。彼女という強烈なリトマス試験紙によって、ドラマに都合の良いお人好しにも見えた主人公が、試され、叩かれ、ようやく主体性をもっていく過程は痛快だ。 抽象的で大きな意味での商人精神しか語ってこなかった序盤の理想論から、「これが俺という商人だ」という具体的で能動的な結論が出たことは、文字通り『女に育てられた』という形がよく見えて、翻ってヒロイン・ホロのしてきたことも見える一石二鳥の展開だったのではないだろうか。 そんなわけで、この面白さを理解するためには、残念ながらこの巻だけでは足りない。できれば一巻から、せめてエーブが登場する巻までは遡らないとならない。 そんなわけで単独の一冊としてはお勧めできないのだが、シリーズ全体として見ると、なかなかのお勧めに成長したと感じている。時間のある方はぜひ通巻してお読みください。【らい太】

はい、ありません。大変魅力的な人物なので非常に口惜しく遺憾な事ですが…。・はじめに概要から初の上下巻構成となったケルーベ編の下巻。前回、所属組合とエーブの双方から取引の協力を持ちかけられ板挟みとなったロレンス。巨大な権謀術数の前では一人の人間など路傍の石ころにも等しく、ひと度踏み入れば後は飲み込まれるのみ。そうなる前に危険な綱渡りをせず、ケルーベから逃げ出すという選択肢もあるが…。シリーズ最高傑作。といったわけで待望の下巻ですが、まず一言。支倉ヤベェ…(呼び捨てすみません)。伏線活用のスペシャリスト!よもやあの一件が事クライマックスに至って核心に刺さってくるとは…。驚愕よりも驚嘆、素晴らしい書き手です。さて、今回は渦中の中心人物とは対極的な歯車のひとつでしかない立場を求められたにも関わらず、かつてないほど大変なロレンス。一人だったらすり潰される前に逃げていた。けれど彼は一人ではなく…。そうして彼は逃げずに飛び込む事を選ぶわけですが、果たしてエーブにつくのか組合につくのか。それとも…?ここがケルーベ編の一番の魅力かも知れません。これまではロレンスが窮地に陥り、彼が最終的に助かれば良いという話でしたので、過程をどう辿っても結末は事前に知れたもの。しかしケルーベでの話はロレンスだけが、という程単純な事態ではありません。ロレンスはエーブを助け組合も裏切らない、そんな道があるのか模索し、手探りで進まなければならない。そしてこのまま行けば両者が両立すると思えるも、そう巧くはいかず予期せぬ事態が降りかかり…。やはりどちらかを切らねばならないのか。いや、それ以前にどちらも切らなければならないのか?というわけで今回は道筋はおろかゴールラインもおぼろげ。そのためこれまでにはない面白さがあり、興奮を覚えます。また、二人旅ではなくなった事で当初は反対意見もあったかと思われるコルが前回にも増してその重要性を感じさせてくれます。さらにこれまで最後にはホロの力を頼る事で何とかすることの多かったロレンスが、ホロは精神的な支えとするに留めほぼ独力で解決に漕ぎ着けた事も一目に値します。(8巻あとがきで次回はロレンスがかっこいい、とおっしゃっていたのはこの事ですね)そして何より一時は大分ラブコメに偏重していた観のあるこの作品が、本来一番のウリとし肝としてる物語の魅力を取り戻した気がしてならないのがたまらない。いやー、本当に面白かったです。【yk-sound】

 良かった。すごく良かった。登場人物達の会話は読者に少し考えさせて、その後すぐに納得させるという言葉のやり取りで読んでいてとても気持ちのいいものです。これほどスッキリするものはありませんね。筆者の文章が上手いのでしょうか。この読み終わった時の爽快感は他の読み物では中々味わえません。また、物の売買の仕組みも非常に面白いものでした。一瞬理解できなくても難解すぎることもなくちょっと読み返せばすぐ分かり、なんだか頭が良くなった気分まで味わえてしまえますw ただ、前作から間が開いているので自分はあらすじを読んで展開を思い出さなければなりませんでした。次回は是非とも、もう少し早めに出してほしいものです。後書きにもじゃんじゃん書くと宣言しておられたので、これはもうワクワクしながら待つしかないですね。【くろう】

前巻で「次回はロレンスがかっこいい」宣言がありましたが、実際にそこそこかっこよかったと思います(ただし冒頭付近除く)しかも商人らしく頭脳のみで・・・と思ったらそうでもありませんでした。一行商人であるロレンスを描くにあたって、冒険活劇に出てくる主人公と対比させる表現はコレまでにもありましたが、今回はこれが一つのテーマになっている気がします。大きな流れに翻弄されるロレンスが、それでも物語の主人公で居たいと葛藤します。そして終に主人公となったラストのは、思わず「ロレンスかっこいい」となってしまうかも!?全体的に見ると、下巻と言う事も合ってか最初から最後までクライマックスのような印象でした。個人的には過去最高の巻だと思います。著者は(初?)下巻と言う事で苦戦したようですが、全くそんな感じがしません。商戦とラブコメの比率も申し分ないんじゃないでしょうか。後者については、オチが秀逸です。エーブがやっちまいます。お邪魔虫になるかと懸念があったコルも全く気にならず良い位置に収まっていました。次回はいよいよ骨の話に突入です。【くろおに】

8巻からの物語の完結編の9巻。今回はロレンスとエーブを中心に物語が進みます。エーブの商人としての才能を羨ましく思うロレンス。ロレンスの商人としてではなくその人間性に惹かれて行くエーブ。エーブを嫌ってはいるが評価し、ロレンスを見守るホロ。商業の話も絡んでなかなかの出来に仕上がっています。裏切り裏切られの中で生きてきたエーブのラストでの行動、いい感じです。ホロもそれくらいの雄でなければ惚れる甲斐もないとおもっているのでは?【k】

氷の華 (幻冬舎文庫 あ 31-1) / 天野 節子 / 幻冬舎推定累積売上部数【184222部】の口コミ

主人公の瀬野恭子さんは、両親の残してくれた大きな家に住み、金銭的にも精神的にも何不自由ない暮らしをしている。叔父も亡くなり、彼女には会社の大株主にもなれる。夫に愛人がいても、「お幸せに」といって、旦那を追い出し自分は贅沢三昧にいきることもできる。。愛人の妊娠を聞いて、プライドを傷つけられ、激高して殺人を犯したということになっているけれど、恭子がそれほど子供を欲しかったという記述もあまりない。彼女ほどの頭の好い女性なら、自分に得な生き方を選ぶとおもうけれど・・・。【ライトル】

ドラマと随分設定が違うのでちょっとびっくりしたが原作の方がずっとおもしろいと思う。最初から犯人がわかっているという手法だが、殺される女性(夫の愛人?)に対する違和感から読み手にも主人公の恭子にもおやっという疑いが出てくる。単に、妻の愛人殺しではすまないそんな予感が現実になっていく面白さがあるのだ。長めの小説だが無駄のない展開でリズムよくどんどん読める。しかも小気味のいいリズムで新しい展開が出てくるのでページをくる手がとまらなくて困った。推理小説の形としては著者ご本人がコンテストで「古くさい」と酷評されたというだけあって斬新さは感じない。しかし、しっかりと張り巡らされた伏線をひとつひとつ味わっているような印象で全体として華やかなミステリーに仕上がっている。【Lotus】

米倉涼子、堺雅人の出演によりドラマ化ということで、本書を手に取りました。瀬野恭子は心の豊かさというものを感じない、育ちのいいわりにはおっとりとしたところがなく、我儘で直情型である。華やかな笑顔の裏に潜む鋭い洞察力。丁寧な言葉遣いをしながら人を見下す高慢さ。常に優位に立っていなければ収まらず、決して弱みを見せない痛々しいまでの強気さをもつ女・・・「なりすましメール」って、この手の質の悪い女のやりそうなことです。恭子の人物設定がはっきりしているので、言動のひとつひとつに説得力があります。瀬野隆之にとって、恭子との結婚はさぞかし息苦しいものだったのでしょうね。気の毒でなりません。終盤、家政婦だった杉野妙子が登場し、恭子を動揺させるあたりは、「家政婦は見た!」を連想させます。天野節子さんの次の作品が楽しみです。【ピンポン】

美しくそして何不自由のない生活をした上流階級の女。彼女の心の奥の一番深い傷をつかれた事によって犯した殺人。しかしその殺人の裏には・・・この小説は最初にヒロインが夫の愛人を殺害するところから始まる。それを追い詰めていく刑事、とその殺人の裏に潜む陰謀とは?最初なぜヒロインが殺人を犯したのかその気持ちが理解できなかったが、冷たく見える人ほど心の中に熱く煮えたぎるものがあるという事だろうか。殺人にまでいたる動機が甘かったように感じるものの、全体としてはまとまった小説とはいえる。【Tochitli】

ネタバレにならない程度に書くのは難しいのですが、話は全然単調ではなく、読ませる作品だと思います。 複雑な人間の心理も描かれ、ミステリに頼りすぎない話運びで無理なく転々です。 ミステリ好きでは無い人にも是非という感じです。 キャスティング、米倉涼子より強さが内に隠れた感じの、鈴木京香や石田ゆり子がわたしのイメージに近かったかなぁ。。。【Cappuccino】

陰陽師瀧夜叉姫 上 (1) (文春文庫 ゆ 2-17) / 夢枕 獏 / 文藝春秋推定累積売上部数【52945部】の口コミ

陰陽師シリーズは大好きで読んできましたが、今回は特にスプラッター、血のニオイがする作品になっています。動物や、女性に対して残酷な描写がありますので、そのあたり苦手な方は気をつけてください。でも、アノ方のカリスマ性というかおどろおどろしさを表現するには仕方無かったのかも・・・。【ICE*バイオレット】

陰陽師瀧夜叉姫 下 (3) (文春文庫 ゆ 2-18) / 夢枕 獏 / 文藝春秋推定累積売上部数【49506部】の口コミ

このシリーズは、改行を多用し、余白がいいと思う。余白が、平安時代の優雅さを出している…気がする。これまでになく、スケールが大きく、読み応えがある。さすがに人を食べる箇所は、いやでも想像してしまい、ちょっと…と言う箇所はあるけれど、それはそれで…ってことで。「呪」とは…言葉を口にすることで、そこで呪がかかってしまう。言霊…とでもいうべきか。相変わらずの、清明と博雅。いいコンビです。事の始まりは20年前にさかのぼる。ありとあらゆることが、ラストにすべてつながっていく。恨みや憎しみは、最後には悲しみしか生まない。鬼や化け物となってでも、この世に「復活」したいとは…。【chovitz】

まず、このページの本のタイトルが「陰陽師瀧夜叉姫 下 (3)」とありますが、上下2巻で完結なので、「(3)」は間違いです。陰陽師シリーズでは「生成り姫」に次ぐ長編ですが、今回は上下巻の大作でボリュームもスケールも大掛かりです。京の都に起こる異変、妊婦が殺され、百鬼夜行が横行し、高官が次々に病に伏す。原因は20年前の大事件に起因する。死んだはずのその大物相手に清明、博雅、加茂保憲が疾走する。これを助けるのは俵藤太秀郷。高みの見物と嘯きながらちょっかいを出す道満は敵か味方か?まこと波乱万丈の物語です。シリーズ最高傑作といって過言でありません。ぜひ!【汲平】

信長の棺 上 (1) (文春文庫 か 39-1) / 加藤 廣 / 文藝春秋推定累積売上部数【16828部】の口コミ

この物語は本格歴史ミステリーといっていいと思うが、過去何回もモチーフにされてきた「本能寺の変」における織田信長の遺骸未発見の謎がメインテーマである。 信長唯一の伝記「信長公記」の作者であり、かつて信長と秀吉に仕えた元武士の著述家、太田牛一が主人公となり、この謎に迫る。 著者は牛一の視点を通して、すでに何人もの作家や歴史家が挑んでおり、いささか手垢がついた感のある「本能寺の変」の謎の真相ばかりでなく、「織田信長」その人の人物評価をはじめ、「桶狭間の戦い」の真相や「太閤秀吉」の出自にいたるまで、客観的・論理的に新しい解釈をしている。本書がベストセラーとなっている所以だろうが、私も「こんな斬新で大胆な見方もあったんだ」と興味深く読んだ。 著者はもともと経済・経営の専門家として、その著述・講演活動や企業の経営指導が高い評価を受けており、この作品が75才にして初めて発表した小説とのことだが、とても作家第1作とは思えない筆力に圧倒された。【Wakaba-Mark】

その日のまえに (文春文庫 (し38-7)) / 重松 清 / 文芸春秋推定累積売上部数【15867部】の口コミ

7編からなる短編集ですが、最後の「その日のまえに」「その日」「その日のあとで」がメインのストーリーになっています。 そのサイド・ストーリーとして、残りの「ひこうき雲」「朝日のあたる家」「潮騒」「ヒア・カムズ・ザ・サン」があります。 因みに「その日」とは、大切な人との別れの日、つまり死別の日です。 「その日のまえに」は、告知を受けての夫婦の話で、新婚時代を過ごした町に行きます。 この小説のように告知を受け、「その日」へのカウントダウンが始まった時、自分だったらどうするだろうかなと考えてしまいました。 今までも多くの家族の「死」に対応してきましたが、自分の「その日」となると、何の準備も出来ていません。 連れ合いの「その日」にしても、この小説のような優しい対応が出来るのだろうかと心配になります。 それだけこの本には、「死」に対する「優しさ」に溢れています。もっと言えば、「幸せ」さえ感じさせてくれます。 この短編集の最後に「その日のあとで」を持ってきたのは正解だと思います。 そうした「死」に対する尊厳に満ちた「優しさ」があるからで、こうした本にありがちな暗さは一切ありません。 逆に、その「優しさ」が読む者の涙を誘うのではと思います。【ringmoo】

本作は、自分自身、あるいは、自分にとって大切な人を失う「その日」、その過程である「その日のまえ」、そして「その日のあと」に向き合う家族・旧友・クラスメートを描いた短編集です。家族の死・友人の死というのは、小説のテーマとしてはややありふれた感はありますが、主人公たちの死と向き合う姿からは、悲しさや憤りだけではなく、それを超える温かさ・友情・愛情が強く感じられ、幸せな死とはどういうものかを考えさせてくれました。いつか、自分や大切な家族・友人にも「その日」はやってきます。それは、もしかしたら何の前触れもなくやってくるかもしれません。仕事の忙しさを理由に、家族サービスや人付き合いが疎かになっている今日この頃ですが、家族や友人と過ごす現在、過ごしてきた時間、そして、これから過ごす時間をもっと大切にしないといけないなと感じました。最後に、私は、本作を空港の書店で購入し、機内で読んでいたのですが、途中で感極まって涙を堪えきれなくなり、たまらず途中で本を閉じました。本作の世界観にどっぷりと浸かりたい方は、タオルを片手に、自宅でゆっくり読むことをおすすめします。【マイル修行中】

信長の棺 下 (3) (文春文庫 か 39-2) / 加藤 廣 / 文藝春秋推定累積売上部数【13694部】の口コミ

この物語は本格歴史ミステリーといっていいと思うが、過去何回もモチーフにされてきた「本能寺の変」における織田信長の遺骸未発見の謎がメインテーマである。 信長唯一の伝記「信長公記」の作者であり、かつて信長と秀吉に仕えた元武士の著述家、太田牛一が主人公となり、この謎に迫る。 著者は牛一の視点を通して、すでに何人もの作家や歴史家が挑んでおり、いささか手垢がついた感のある「本能寺の変」の謎の真相ばかりでなく、「織田信長」その人の人物評価をはじめ、「桶狭間の戦い」の真相や「太閤秀吉」の出自にいたるまで、客観的・論理的に新しい解釈をしている。本書がベストセラーとなっている所以だろうが、私も「こんな斬新で大胆な見方もあったんだ」と興味深く読んだ。 著者はもともと経済・経営の専門家として、その著述・講演活動や企業の経営指導が高い評価を受けており、この作品が75才にして初めて発表した小説とのことだが、とても作家第1作とは思えない筆力に圧倒された。 【Wakaba-Mark】

西の魔女が死んだ (新潮文庫) / 梨木 香歩 / 新潮社推定累積売上部数【783637部】の口コミ

皆さんもお書きになっている通り心温まるストーリーです。感受性がちょっとだけ強い中学生のまいが知恵をたくさん持っているおばあちゃんと暮らします。一緒に暮らす事を通じてまいは思春期の社会で上手に過ごせる知恵を学んでいきます。いつの時代になっても群れといじめは密接なつながりがあるのかもしれません。群れになじめなかった人間は攻撃対象となり群れの結束が強まっていく。そういうのって人と人との間で生きて行かなければならない、人間の本能なのかもしれません。誰しもが、どんな異質な他人を認められるだけの強さを獲得すればいじめはなくなるんだろうと思います。他人に対する恐怖も含めて。おばあちゃんがゲンジさんを許容したようにまいもショウコを許容しました。人に対して苦手意識があるだけで敵になっちゃいますものね。面倒くさい事を書いてきましたが。読み終わるとカントリー生活っていいなあって思います。ワイルドストロベリージャムが食べたくなります。【しかばねさん】

学校での人間関係で大きく悩み傷ついた主人公・まいが、母親の薦めで母方の祖母の家に滞在し、生きる力を取り戻していくお話です。表題作「西の魔女が死んだ」の他に、「渡りの一日」という超短編作が入っていますが、こちらも「まい」が登場。新たな友人、ショウコと2人を取り巻く人々との交流が描かれています。どちらもストーリーの組み立ては大変シンプルですが、「まい」と同世代の10代〜20代の学生さんが読むと、その悩みに共感したり、生きる力、生きるヒントを与えられたり、得るものが大変多いと思います。ただ、私自身はナチュラリストではありませんが、現代文明機器が全く出てこないおばあちゃんの家で洗濯、料理など、生き生きとお手伝いをしている「まい」の様子を読むと、自分自身がいかに「便利さ」に頼りきり、頭や体を使わなくなっていたかということに気づかされました。短めの話であるだけでなく、文章自体が非常に簡易で、いわゆる文章の裏を流れる何か(心情とか)を汲み取るようなものではありませんが、心が疲れた時、負担になりませんし、ふと目にすることで癒される1冊であると思いました。また余談ですが、表紙の絵を描かれた早川可寿乃氏が「あとがき」にあたる「解説」を書かれていて、この表紙の絵にどのような思いを込めて描いたかにも触れられていますので、興味がある方は併せて読んでみて下さい。私は早川氏のこの小説に対する感想の部分に非常に共感を持てました(ただ、言うまでもありませんが、かなりネタばれですので、本文を読んだあとに読むほうがいいです。)【buono_buono】

書店で平積みになっていて、店員さんの「おすすめ」の文字で読んでみましたが、感動する部分は見出せませんでした。ひとつの物語としては感動もので完成されています。私が感動できないほど鈍感に歳を取りすぎていたのかもしれません(40代です)。小学生高学年〜中学生くらいの皆さんに読んでいただきたい作品だと思います。自分もそのころ読んでいたらきっと得るものがあったでしょう。【ntaneichi】

短編なので、朝の通勤時間とお昼休みで、読み終えてしまいました。気持ちが高ぶって、仕事に復帰できませんでした。こんなことは初めてでした。不覚でした。【花咲おやじ】

私は小説でもドラマでも映画でも人を殺して涙を誘う、というのは嫌いなのですがこれは別でした。人物がちゃんと描かれているからでしょうね。映画も見てみたいです。その後の話は無くても良かったかな、と思いました。【フサ】

パコと魔法の絵本 (幻冬舎文庫 せ 3-1) / 関口 尚 / 幻冬舎推定累積売上部数【31464部】の口コミ

テレビで映画の宣伝を見て読みました。よかったです。自信がなかったり、淋しかったり、色んなことに後悔して大人になったてしまった人が、素直になれなくて、そんな大人たちにパコという記憶力が今日しかない少女とであうことで、何が出来るか?を見つめていくお話。みんな幸せな気持ちでいつもいたいものです。【マミタン】

登場人物すべてが優しく、分かりやすい文章で情景が目の前に映し出される素敵な本でした。誰もがよりよく生きたいと思っているけど、方法が分からず苦しんでいるだけなんだ。と改めて思わされました。作者の人にありがとうと伝えたいです。【kikujirou】

陰日向に咲く (幻冬舎文庫 け 3-1) / 劇団ひとり / 幻冬舎推定累積売上部数【70219部】の口コミ

劇団ひとりの、ひとりコントの延長のような小説で、サクっと読めました。短めの小説が、数個入っていました。それぞれまったく別のお話なのですが、他作品の登場人物を、絶妙なところで登場させるあたりはさすがですねー。確かに、処女作にしてはスゴイと思います。ただ、正直に言うと、多少の物足りなさを感じていまいました。期待しすぎたかな。余談ですが、「あとがき」を劇団ひとりのお父さんが書いているのですが、劇団ひとりへの愛情が伝わってきて、なんとなく感動してしまいました。【みみすけ】

私はすごく好感がもてました。基本はやっぱりコントなんだと思います。極端に誇張されたキャラクター。独特の表現や言い回しによるストーリーとは関係のない小ネタ。各篇に正しく?用意されている大オチ。また、完全にやり過ぎ感のあるリンクも、《ぶん殴った男》や《ジュピターさん》のキャラの変わりようも、「いいかげんにしろ!」「キャラ変わり過ぎだろ!」のツッコミを想定したボケのような気がします。小説としては・・・と色々意見が分かれるかもしれません。ただ、表紙には本名でもペンネームでもなく「劇団ひとり」と書かれています。あくまでお笑い芸人「劇団ひとり」の本。私はそれを承知で買いました。そしてこの本で受けた印象は、テレビなどから受ける著者の印象と、良くも悪くも全く同じでした。 だから私はとても好感がもてました。【バランス】

構成は練られていて、オチがしっかりあるもののどこか物足りなさを感じた。 ストーリーはうまいが、なんとなく物足りない。 それが何なのか明確にはわからないが、表現の浅さだったり、登場人物の人間性の深みのなさだったりするのかもしれない。 ただ、芸人が書いた小説であることを考えれば、素人とは思えない作品だ。ただただ驚く限りである。 いかにプロの小説家がスゴイかということを改めて感じた。【胡蝶】

斬新な構成は評価に値するが、例えば、この小説を私が書いたとして、何らかの文学賞応募あるいは出版社持込をした場合、第一次選考ぐらいは突破するだろうが、本にしてくれるかは大いに疑問である。正直、この作品は、まだ小説といえるレベルにはなく、「あらすじ」の域を出ていない。文庫のレビューはまだ少ないので、単行本のレビューを見ると、高評価が目に付く。しかし、この評価って、「お笑い芸人が書いた」というバイアスがかかっていないか。つまり、「お笑い芸人」が書いたものだから高い評価であって、まったく無名の新人作家が書いていればこんなに高い評価がされたであろうか。もっと酷評レビューが多くなると思うのだが。さて、そこに、私は一般人の「お笑い芸人」に対する優越感、俺のほうが上だという意識を見る。いわく「お笑いにしては・・・」「お笑い芸人のわりには・・・」とはよく聞くセリフである。もっとも、「お笑い芸人達」にとっては、低く見られてナンボ、低く見られるほうが彼ら的には「おいしい」のかもしれないが。この作品は、あらすじの域を出ていないが、もっと精進すればという可能性は十分に感じさせる。星3つは「お笑い芸人が書いたもの」への評価ではなく、劇団ひとりという「作家」として書いたものへの評価である。そして、この星3つは紛れもない高評価である。【I’ll go to a place in the sun】

映画がとても面白くて、原作も読んでみたくなって買いました。映画と原作は、内容が少し違います。でもどちらも面白かったです。解説は劇団ひとりのお父さんが書いています。解説といっても劇団ひとりのおいたちが、書かれていました。高校は中退して、定時制に入学し直していました。もって学歴が高いと思っていたので、いがいでした.解説も面白かったです。【かるがも】

さまよう刃 (角川文庫 ひ 16-6) / 東野 圭吾 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【569323部】の口コミ

さすがというか、一気に読ませますね。途中で読書を中断するのは難しいです。ただ二人の犯罪少年の一人をあっけなく殺してしまうので、構成的にはサスペンスはいまひとつです。もう少し引っ張って、真ん中ぐらいで一人目を殺すようにしたらもっと良かったのでは・・・。このテーマに作者が何らかの答えを示すことができるのだろうかと心配していたら、案の定というか、最後は結論は示されませんでした。【yoshi】

最愛の娘を少年犯罪で理不尽に奪われた主人公が復讐する、という設定は読者を魅了するには十分で、実際にどんどん読み進めずにはいられない展開である。しかし、犯人の凶悪少年と主人公がようやく対峙する佳境に至って、東野圭吾の作品に慣れた自分にとっては、無理があるラストだなぁという思いと、「えっ」というどんでん返しもないストレートな終わり方に、少なからず不満を感じる内容であった。「手紙」や「殺人の門」のようにラストのどんでん返しがなくてもよいストーリではなく、主人公がどのように復讐劇を果たすのかというラストこそ重要なストーリであるだけに残念。【goodseller】

同氏の「手紙」が犯罪者の身内の視点から描かれた作品であるのに対し、この作品は被害者の身内の視点から描くということで作品としては対を成すものです。もっとも「手紙」は最終的に感動させるストーリー展開であるのにこちらはひたすらやるせない気持ちにさせる作品です。少年犯罪と加害者の人権を守る法律という光市の母子殺害事件を彷彿とさせる筋立てで読後感は余りよくありません。ただし自分が同様の立場なら・・という意味で非常に興味深いテーマであることには間違いありません。少年法も加害者の人権とやらを盾にする愚劣な弁護士連中も早晩無くなってほしいものです。【へのぴんた】

東野圭吾らしい重厚で主人公の心理を中心に描写した作品。実社会でも起こっている非常におぞましい犯罪の被害に自分の家族があったら私も復讐を考えるだろう。全く関係ない他人の自分勝手な嗜虐性により汚された被害者にもちろん罪は無く、それに反するかのように自らに罪の意識をかけらも感じない加害者の人権を認める必要があるのか?、ましてなぜ更生させなければならないのか?主人公を追う刑事のつぶやきや関係者の態度からその気持ちを理解しながらも表立って認められないもどかしさとそれを受け入れてはいけないとする主人公の心の痛みが伝わる。ところで、最後で明かされる秘密は本作に必要だろうか?それを考えて☆4とする。【ギンペー】

被害者の家族なら誰もが考えることだと思う。現在の司法制度の問題である、被告の更生に重点を置き、被害者の気持ちがないがしろにされてしまうところを問い詰めた読み応えがある作品だった。自分が同じ立場なら…と誰もが考えさせられる作品であるが、やはり答えはでないだろう。犯人の情報を密告した刑事も、被害者に同情し犯人を憎むからこその行動であって、刑事といえども一人の人間なのである。この小説で特筆すべき点は、第3者の立場である旅館の女将の犯人に対する細やかな言動だと思う。第3者の立場として、どうあるべきなのか考えて犯人の手伝いをする様子はリアリティがあったと思う。【コーキ】

れでぃ×ばと! 7 (7) (電撃文庫 こ 8-13) / 上月 司 / アスキー・メディアワークス推定累積売上部数【24234部】の口コミ

 収録内容・第16話(楓、ピナ、みみな) 理事長の楓と北欧王女ピナの二人にDVDの上映会に誘われた秋晴だったが、上映会後にピナから同人誌を作ると命令され、仲間に入れようと思いついたのはあの先輩・・・だが彼女には他のアプローチが・・・・第17話(アイシェ、ヘディエ、セルニア) これまで沈黙していたアイシェが従育課試験のパートナーとしてアプローチを・・・試験で一緒に買い物に出かけた秋晴だったが、そこに・・・・第18話(朋美、早苗) 急遽朋美に電話で母から告げられる見合い話、その見合い話をぶち壊すために秋晴を巻き込んだのだが・・・ 典型的ドタバタラブコメってストーリー展開が中々進まないものですね。〈主人公を取り巻く女性キャラが増えれば増えるほど・・・) 今巻もエピソード自体は面白いのですが、全体的なストーリーは全く進んでいませんね。〈後書きで著者も言っているようにこのまま10巻をあっけなくこして進みそうなかんじですね。)【gaeadom2】

探偵ガリレオ (文春文庫) / 東野 圭吾 / 文藝春秋推定累積売上部数【58957部】の口コミ

本作は、警視庁捜査一課の草薙刑事が、遭遇する不可解な事件につき、大学の同窓で物理学を専攻する大学助教授の湯川にアドバイスを仰ぎ、解決していくという短編集です。5編のいずれもが、犯人探しというより、常識を超えるような現象がどのようなからくりで起こりえたのか、という点に着目しています。ただ、おそらく大丈夫なのでしょうが、模倣されないですかね?【kagekiyo】

ドラマはちょこっとだけ見ました。 草薙が柴咲コウさんでしたね。福山雅治さんのイメージですべてが浮かんできてしまい、すっきりした描きやすい作品でした。化学的な種明かしは、ほとんどわからなかったけど。化学も物理的もわからないです。解説を読んでいると、俳優の佐野志郎さんのイメージで書かれたとか?随分違いましたね。でも、色んな人がやったら面白いでしょうね。ストーリーは同じでも、感じや雰囲気は変わりますから。短時間で読めるので、軽目のモノが読みたいときにはオススメかな。【マミタン】

この作品を原作としたテレビドラマがとても好きだったので、読んでみたが、テレビドラマと違って、原作は、生硬な推理小説である。まず、中心人物に女性が出てこないので、色気が無い。また、ドラマは原作の話を変えて膨らませている。「仕掛け」で勝負している、オーソドックスな推理小説なので、ドラマを見てから読むと最初から「仕掛け」が解ってしまっているせいで、あまりおもしろくない。ドラマを見ていない人にはおススメ。もちろん原作では、探偵ガリレオは、テレビドラマで行っていたような、推理する際に意味の無い数式を書き並べるような、非現実的なパフォーマンスはしない。【パッション太郎】

遅まきながら、東野圭吾作品を初めて読みました。ですから、他の作品との比較は出来ませんが、本書に関して言うと、・さくさく読める・以外と面白い・知的好奇心を満足させつつ、暇つぶしも出来る以上の感想です。短編集なので、さくさく読めるのは当たり前だと思いがちですが、なかなかないんですよね。ちなみに、私は続編も読み始めました。お手軽ですし、読んでいない方はぜひ!【逆襲のシャア】

探偵ガリレオと予知夢がドラマ化した後、原作を読みました。十月に映画が公開されるのを楽しみにしています。 【なぽ】

たった3秒のパソコン術—読むだけで別人! さらに「仕事が速い自分」「頭の回転が速い自分」 (知的生きかた文庫 な 30-3) / 中山 真敬 / 三笠書房推定累積売上部数【436248部】の口コミ

この本に書いてあることを素直に実行したらキー入力のみでいろいろ実行できるのが快感になりました。こんなやり方があるのか?と驚くことばかりです。マウスで操作するよりもキー入力のほうが速いのは確かです。このキー入力+マウスの少しだけというのは最速のやりかたなのではないか??ただし、書かれているとおりパソコンに詳しい人にとっては、物足りないし買って損したという人もいると思うので、これは初心者向けかもしれない。【Hiroaki】

私は、タッチタイピングができますけれども、普段使っている操作以外は、ほとんど使うことがないうえ、周囲に教えてくださる方がいるわけでもないので、この本に書かれていることは、とても有用なものでした。たとえば、パソコンがフリーズしたときの対処法など。分かる人には常識的なことなのでしょうが、そうでない人は、どうすればよいのか、本当に困ってしまいます。私にとっては、役に立つ叙述が、豊富にありました。私は、分からないことが生じたとき、疑問を感じたときなど、パラパラと本をめくって、その対策法、技術を、一つずつ身に着けています。ただ、これで実際の実務能力が向上するとは、安易に考えない方がいいのではないかと思います。パソコンの素人で、ちょっとした小技を知りたい方、親切な隣人のいない方向けの本です。【shojinn777】

・初心者向けのショートカット集ですね。 ExcelやWordなどOfficeに偏ることなく、分かりやすくまとまっていると思います。(私は書店で見ましたがほぼ全て既知でした。)【Pt】

 もはや仕事の中でパソコンを使うことは当たり前。私もパソコンに触れない日は数えるほどもない。 そんな仕事に必要不可欠なパソコンの技を網羅しているのが本書です。それもたった3秒で出来る技を集めているところが良い。全ての技93にはマニアックな技法はなく、明日の仕事からでも使えそうなものばかり。職場に1冊あっても良いのではないか。【サトマン】

Windowsでよくあるショートカット本です。「仕事が速い自分」「頭の回転が速い自分」はちょっと過剰広告かも。でもショートカット本としてのデキは悪くないと思うので、PCの脇に置いて絶えずショートカットを使うよう意識するといいと思います。【Pomodoro】

ユージニア (角川文庫 お 48-2) / 恩田 陸 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【9458部】の口コミ

 30年前に起きた名家の大量毒殺事件の真相をめぐって当時事件に関わった人たちがインタビューに答えるような形で綴られていきます。 ドキュメンタリー方式とでもいうんでしょうか?  真の犯人がわからないまま終わってしまうというのが、賛否両論ですが、ほぼ犯人が断定できる内容です。 真犯人はあの人で間違いないんですよねぇ? 私にとってはテーマが重いためか、続きが気になってどんどん読み進めるって感じの作品ではなかったです。 途中で何度か挫折しそうになりました。【ヤマトマサル】

久しぶりに日本人作家の作品を読んだ。ここ5年近く、外国作品(アメリカ人の女性作家のサスペンスがメイン)ばかり読んでいた。本屋で何気なく、知ってる作家だし、なんだか面白そうなのか?と思い、購入。なんでしょうね、このすっきりしない感…腹が立つほどすっきりしないのではなく、消化不良に似ている。膨満感?インタビュー形式で、20年ほど前の事件を、様々な視点で振り返る。すごく不思議なのだが、どこにも登場人物一覧なんてないけれど、とにかく読めば、分かる…というのは、驚きである。ないほうが、「あ、この人、あの人の○○で…」と強い印象が残る。会話…といっても取材されているほうが、一方的に喋っている感じだし、他には、メモや新聞記事や日記や、通常の3人称で書かれているものもある。その事件について描かれたという小説の中身も気になるし、最後の最後で、根底から覆される事実が分かるわけでもないし、その事件が終結するわけでもなく…本当に不思議な感じの本です。会話だから、スピード感があり、どんどん読めます。面白いけれど、お腹の中にしこりができる感じがします。本当にすっきりしません。真犯人は誰なのか、いつまでも推理してしまいます。【chovitz】

ある名家の祝い事の最中、突如起こった大量毒殺。事件から数十年が過ぎ、事件の関係者から語られる当日の供述の中で浮かび上がる少女の姿…。残された謎の詩、真犯人は誰なのか、何故痛ましい事件は起こってしまったのか、果たして真相は…。恩田さんの作品からしばらく離れていたので、久しぶりに彼女の引き込まれる文章にどっぷり浸からせてもらいました。当時の事件に関わってしまった人達から話を聞くという形で物語は進んでいきます。それはとても生々しく、夏の暑さがこちらにも伝わってくるようです。続きが気になってしまい、次々とページをめくらせる文章力はやはり魅力的でした!しかし、残念なことに謎は明かされず、よく分からないままで終わりを迎えます。ここが評価が分かれるところだと思います。謎を解き明かすのが好きな方や白黒はっきりつけなきゃ嫌!という方にはお勧めできません。妖しい独特な世界観に浸りたいという方にはお勧めです。謎が明かされないことは他の方のレビューで知っていたので、覚悟して購入したのですが…謎が解明されない度合いを受け入れることが出来ませんでした。まさかここまで明かされないとは…もう少しすっきりとした終わり方の方が個人的には良かったかな?と思います。ただ、そのラストのボカシ方が良い!という方もいらっしゃいますし…今回はかなり人を選ぶ作品だと思いました。ラストまでおそらく誰でも引き込まれると思いますが、結末をどう受け入れるか?評価が難しいですが、楽しませてくれたのは事実なので、私は星四つにさせていただきました。【本城 りつ】

境界線上のホライゾン 1上 (1) (電撃文庫 か 5-30 GENESISシリーズ) / 川上 稔 / アスキー・メディアワークス推定累積売上部数【22811部】の口コミ

いきなり大勢の人物が登場、数々の独特の用語が飛び交うという点で、川上稔氏の作品をいくつか読んでいる私にとっても、なかなか難解な内容でした。川上氏作品の初心者には、特に用語が大きな壁となりそうに思います。その点で★1つ減点しました。私は、いろいろわかりにくいところはおいておいて、とりあえず読み進めました。結果として、ストーリーは十分楽しめましたが、脇の登場人物の個々のキャラクターや、用語の概念をいまいちつかみきれてないように思います。そのあたりは、2度読みか、続刊を読み進めることで、慣れ親しめるのではないかと思っています。本巻の最後に向けて、主人公達には様々な難局が提示されます。それらの難局に対して、一見、力が及ばないように見える主人公達がどのようにして対峙していくのか、期待を持たさせるところで本巻は終わっています。続刊への期待大です。【しゃる】

「都市シリーズ」や「終わりのクロニクル」などのライトノベル界でも希少な大長編を書くことで知られる川上稔さんと、同じ職場の仲間で「風水街都 香港」以降の作品でイラストを担当しているさとやすさんによる最新作。物語は通称「不可能男」と呼ばれる主人公、葵・トーリを中心に、ヒロインである自動人形のP-01s、トーリのクラスメイト達などを巻き込んだ展開に。各国の国境上のみを航行する艦隊・武蔵を舞台に様々な物語が交錯し、話を盛り上げます。前作である「終わりのクロニクル」では膨大な設定を用いて読む人を選びに選び抜いた川上さんですが、今回もA4・780ページに及ぶ文字で埋め尽くされた設定資料を作成し、担当編集を泣かせたそうです。また、その設定の一部は「電撃文庫MAGAZINE」のプロローグ2からVol.3までの4回に渡って掲載されるという珍しい事態に・・・ちなみに文庫には「電撃文庫MAGAZINE」に載せられた設定が、さらに削られて冒頭に載っているだけなので、雑誌を読んでいない方にはより難解かもしれません。そんな訳で今作も異常なまでの設定の多さで取っ付き難い作品に仕上がっており、内容を完璧に理解するには何度か読み返す必要がありそうですが、その分読み応えはあります。往年の川上稔ファンにはもちろん、終クロ同様に今作から読み始めても支障は無いので、今まで川上さんの作品を読んだことがない方にもお勧めです。【naught】

こっそり、カバーの裏にまで設定資料があったりします。今まで電撃文庫をけっこう買ってきたけど、カバーの裏まであるのはこれが初めてです。【パン屋兼軽食屋店員】

都市シリーズ、終わりのクロニクルでお馴染み、川上稔さんの最新作が満を持して。時系列で言えば終わりのクロニクルの「AHEAD」から時代を一つ挟んだ「GENESIS」。終わりのクロニクルでも登場する「武神」や「半竜」、「自動人形」といった単語は勿論他にも様々な用語が登場し、よりストーリーが難解になっていて、これまで以上に人を選ぶ作品かもしれません。ですがこれまでのキャラを超える濃さを持った登場人物達による掛け合いは面白く、相変わらずセリフ回しも秀逸。私達の知る歴史をなぞりながらも、決定的に違う歴史を紡いでいく独特の世界観。はたして主人公は「ホライゾン」に告白できるのか。新たな歴史を作っていく「創世記」の物語が始まります。【天地開闢】

蟹工船・党生活者 (新潮文庫) / 小林 多喜二 / 新潮社推定累積売上部数【475945部】の口コミ

 学生のときにこの「プロレタリア文学の金字塔」を読んだが、最近、本屋に平積みになっているのを見て読み直すことにした。 当時は一応「プロレタリア文学の代表作」ぐらいは読んでおこうとして読み、その歴史的意義は理解したが、正直、そのリアルな描写に感心するというよりは、拒絶感を感じた記憶がある。「現在と噛み合う話ではない」と思えた。 読み直してみた現在の感想は、やはり、しんどいと感じた。 しかし、この本が現在、若い人などの共感を得ていて、相当数の発行部数を上げているらしい。 派遣などの非正規雇用の悲惨な実態はある程度、知っているつもりだったが、この「蟹工船」に共感するとなれば、彼らの置かれている状況はかなり深刻だと思える。 「蟹工船」と「現在の社会状況」と「私の認識」、下手すれば、「現在」とズレているのは「蟹工船」では無く、「私の認識」ということになる。 この本が売れているという事実をもう少し真剣に考える必要がある。【柴犬太郎】

生死にもかかわる悲惨な状況を、リアルに、そして多少の諧謔を交え描き出す、というのはそれだけで充分面白い娯楽小説たりうる要素でありこの作品は充分それに成功している。「火垂るの墓」や「どん底」「ぼくんち」が面白いのと同じだ。ただし物語としての出来はそれらに遠く及ばないのも事実。なぜならこの小説は「赤化運動は必ず成功する」という、まず結論ありきで書かれているからだろう。今にも臭ってきそうな生々しい描写の奥にあるものはあまりに脳天気なご都合主義的ストーリー。この時代の共産主義者の「気分」を知り、このような小説を書く人間が警察により拷問死に至るという社会状況に思いを馳せることの面白さを含めれば星五つでもよいくらいだが、まあそれらは所詮タイムカプセル的面白さにすぎない。この作品を読むと「なぜ共産主義はダメだったか」という理由の一端がわかるような気がする。作品の影響で共産党入党者が増えたなどと言うがいくらなんでもそれは与太ではないのか。それは、戦時中の戦意高揚映画を見てウッカリ自衛隊に入隊してしまうのと同じ程度に浅はかだと思うのだが。【すん】

 あまりに幼稚なタイトルをつけてしまったがやはり嫌いだ。高校生の時に義務的に読んで、また今話題書になっているということで、再読。 たいていの文学作品は何年後かに読むと新しい発見があったり、気づかなかった箇所で感動したり・・。 しかしこの『蟹工船』は、また私から「文学の楽しみ」と「気力」を奪っていっただだった。私は、あらゆる作品は現実世界よりも美しくなければならないと思う。たとえそれが殺人だろうが、残虐な話だろうが、グロテスクな絵画だろうが・・。 しかしこの『蟹工船』だけは違う。私には疲れしかくれない。だから私は高校生の時から『蟹工船』だけは嫌いだった。 私の「文学は美しくなければ」という考えをひっくり返す。それもものすごい大波で。 だから、大波にのまれた私は『蟹工船』に過剰に反応しているのだと思う。「労働とは何か」なんて質問に私は一生正しい解答なんて出すことができない。そしてそんな問題を投げかけないでほしいのに『蟹工船』はそんな質問とともに、なんとも言えない哀しさを与えてきて私をげんなりさせる。 もしかしたらその哀しさこそこの作品の美しさかもしれない。しかし私はまだそれを理解できない。『蟹工船』を好きになれたとき、私の中の何かがかわっているかもしれない。 そう思ってしまうから、そしてそれがまだ達成できていないからこの本は嫌い。 どこまでも追いかけてきて、人を追い詰める問題作。だから怖い。【蝦蟇の油】

自分は感銘は受けなかったそれに、いくらなんでも派遣社員の労働環境はここまでヒドクないと思う労働環境云々よりも、日本社会は労働時間の短縮に知恵と労力を注いだほうが賢明。生々しい臭そうな描写が多く全体の8割くらいは占めるので、食事しながら読むのはおすすめしないまた、小説としても、軸となる主人公らしき人物が登場せず、非常につまらない読後になにも元気がでない、働きたくなくなる。シャンプーして風呂に入りたくなる。そういう話。【怪人!キモオタ・ニートヴィッチ】

 本書が売れているという事実自体が 時代の一つの事件であるという認識のもとで 初めて本書を読む機会を得た。 まず本書は 非常に迫力のある小説である点に驚いた。方言で構成された会話を駆使して 表現される 戦前の蟹工船の状況にはリアリティーを強く感じた。話の展開も ある意味では紋切型である点で明快である。漫画になっていると聞くが なるほど 筋の明快さとビジュアルなリアリティーから見て 漫画化に非常に向いていると思った。 あっという間に読み終わって 改めて これが現代の日本の本屋に山積みになっている事実を考えなくてはならない。 格差社会、フリーター、ニートというような言葉が 新聞、ネット、ブログで頻出する時代だ。その中で 本書が売れているという状況は 平たく考えると 現在の日本に「蟹工船」と同様の状況を読みとる人が多いということだろう。 流石に 当時の蟹工船のような極端な労働環境は日本には既になかろう。但し 蟹工船という職場を貫く「原理」は ソフトな形に代わって 今なお残っている気がする。特に 最近の派遣社員制度を巡る議論において その「原理」が見えてきており 現代の「蟹工船」の姿が浮かび上がってきているとする向きが多いに違いない。  「蟹工船」を書いた小林多喜二は 特高警察の拷問で死んだ。国家が「危険思想」と判定すると 人を殺害することができる乱暴な時代がかつて有った。そんな「危険思想」が現代でかように読まれているという事を 今の国家はどう感じているのだろうか? それが最後の読後感である。   【くにたち蟄居日記】

予知夢 (文春文庫) / 東野 圭吾 / 文藝春秋推定累積売上部数【56289部】の口コミ

事件については、カード破産寸前や、不倫、ギャンブルなどありふれています。事件モノらしい。 でもトリックに化学的な見方や実験をして、証明しようとするやり方が、まぁ面白かったです。【マミタン】

ガリレオのドラマを観ていなかったので、この本がガリレオだと知らずに読んだ。短編で読みやすいが、東野圭吾作品は長編小説の方が好きだ。【たまこ】

私はドラマから原作に興味を持ちまして読ませて頂きました。原作では北村一輝さんが演じてる役が相方になっていますが,作品の面白さに変わりはありません。むしろ,原作の方が面白いと思います。興味がある方は是非!読むべきですよ。特に十代にオススメします。【EVE】

TVドラマのDVDを見てから原作を読むことにしました。こちらは、原作の2冊目になりますが、TVドラマはこの1冊目と2冊目の全10話を元に作られています。順番が違うのでまずは対比をしておきましょう。「予知夢」→TVドラマ1章 霊視る→8章2章 夢想る→6章3章 騒霊ぐ→3章4章 絞殺る→5章5章 予知る→7章TVドラマを見た方へのレビューのつもりで書きます。前作も同じ感想でしたが、そもそもドラマとは湯川の事件への取り組み姿勢が違います。学友だった草薙刑事には協力的に活躍します。短編ということもあり、無駄な時間がないため、トリックはわりと短時間で解かれることが多くなります。原作だけでは湯川の人物像をきちっと捉えることは難しいでしょう。かと言って、ドラマとは全然違う雰囲気があります。純粋にトリックを楽しむという読み方が良いのだと思いますが、ドラマと種明かしは同じなので、TVドラマを見た人にはその楽しみが半減します。ただし、人物関係は多少違ったり、動機も変わっていたり、犯人が違っていたりしますので、そういう発見をして楽しめます。1作目よりも若干薄くなっていますが、こちらの方が読みやすく感じられました。少々オカルトちっくなネタになっていますが、何故かそういう事件になると草薙は湯川を訪れます。最後には湯川の影響で、オカルトを科学で解明できるというような発言に、湯川も驚かされています。不思議に思える現象、偶然に思える現象も、それが実は必然的なものだと考えれば、そこに人の意志があり、事件の裏があるということです。小さな疑問から一気に推理を広げていく様が、湯川の本領という感じで面白いです。【レウルーラ】

「探偵ガリレオ」に引き続きこちらも読んでみました。こちらの作品からもドラマ化されたものが多かったですね。また、ガリレオ先生が以前より積極的に捜査に参加している気がするのは気のせいでしょうか(笑)?このシリーズが長く続くといいなぁ・・・なんて考えてしまいます。【もが】

おんなのるつぼ (新潮文庫 (む-8-20)) / 群 ようこ / 新潮社推定累積売上部数【12992部】の口コミ

群さんの作品は、いつも突っ込みが鋭く、読んでいて面白い。この作品も、近頃の若い女性たちの常識のなさを主に取り上げて、それを鋭く書いているので、読んでいて、本当に、スッキリだ。著者に共感できる部分が多く、著者が代弁してくれるようで、面白い。読後に爽快感の残る、楽しいエッセイだ。【fancy】

 同性異性を問わず、また国内・海外を問わず同年代の男女の考えていること、やっていること、今現在興味を持っていること等々に関心があって、ここ数年、私は彼らの作品等々をよく読んでいる。 群ようこも同年代だが、ここに書かれていることは余りに常識的すぎて面白くない。確かにこの年代の女性は学生時代から比べれば急激に保守的になる傾向があるが、ここまで?という感じである。 本書は、主として自分より若い世代の男女の昨今の意見・挙動等々に対する批判的意見の寄せ集めであるが、その意見そのものが決して突飛なものでなく、ご近所のおばさん、そのまた隣のおばあちゃんの意見とまったくもって変わらないのだ。 群が自分の意見をもっとアピールしたいのなら、彼女より若い世代にはもっとインパクトのある表現で強烈な刺激を加えないと何ら効き目がないと思うのだが、どうだろうか。【ヒデボン】

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