‘新書週間ランキング’ カテゴリーのアーカイブ

【新書】週間ランキング2008年09月15日 付集計分

2008 年 9 月 11 日 木曜日
悩む力

【1位】悩む力 / 姜尚中 / 集英社

おつまみ横丁 すぐにおいしい酒の肴185

【2位】おつまみ横丁 すぐにおいしい酒の肴185 / /池田書店

目薬αで殺菌します

【3位】目薬αで殺菌します / 森博嗣 / 講談社

近鉄特急 伊勢志摩ライナーの罠

【4位】近鉄特急 伊勢志摩ライナーの罠 / 西村京太郎著 / 祥伝社

新・魔獣狩り  11 地龍編 サイ 23

【5位】新・魔獣狩り 11 地龍編 サイ 23 / 夢枕獏著 / 祥伝社

ジャーナリズム崩壊

【6位】ジャーナリズム崩壊 / 上杉隆著 / 幻冬舎

偽善エコロジー 「環境生活」が地球を破壊する

【7位】偽善エコロジー 「環境生活」が地球を破壊する / 武田邦彦 / 幻冬舎

野村再生工場-叱り方、褒め方、教え方

【8位】野村再生工場-叱り方、褒め方、教え方 / 野村克也著 / 角川グループパブリッシング

魔界都市プロムナール 夜香抄

【9位】魔界都市プロムナール 夜香抄 / 菊地秀行著 / 祥伝社

察知力

【10位】察知力 / 中村俊輔著 / 幻冬舎

ドクターは御曹子

【11位】ドクターは御曹子 / B.ニールズ著 / ハーレクイン

月夜の契約 ゴージャスな罠   1

【12位】月夜の契約 ゴージャスな罠 1 / L.ライト著 / ハーレクイン

凡人として生きるということ

【13位】凡人として生きるということ / 押井守著 / 幻冬舎

コンサルタントの「質問力」 「できる人」の隠れたマインド&スキル

【14位】コンサルタントの「質問力」 「できる人」の隠れたマインド&スキル / 野口吉昭著 / PHP研究所

科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている

【15位】科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている / 丸山茂徳著 / 宝島社

ひらめきの導火線 トヨタとノーベル賞

【16位】ひらめきの導火線 トヨタとノーベル賞 / 茂木健一郎著 / PHP研究所

地中海にささやかれ モンテカルロの誘 2

【17位】地中海にささやかれ モンテカルロの誘 2 / E.ローズ著 / ハーレクイン

【18位】真田武陣伝 1 大阪異変 / 仲路さとる著 / 学習研究社

プレイボーイともう一度 マイアミで愛 3

【19位】プレイボーイともう一度 マイアミで愛 3 / A.デパロー著 / ハーレクイン

仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか

【20位】仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか / 山本ケイイチ著 / 幻冬舎

お金を知る技術 殖やす技術 「貯蓄から投資」にだまされるな

【21位】お金を知る技術 殖やす技術 「貯蓄から投資」にだまされるな / 小宮一慶著 / 朝日新聞出版

【22位】戦国大乱 21〜伏見城大激戦!〜 / 津野田幸作著 / 学習研究社

スティーブ・ジョブズ 神の交渉力

【23位】スティーブ・ジョブズ 神の交渉力 / 竹内一正著 / 経済界

瞳の中の切望

【24位】瞳の中の切望 / J.テイラー著 / ハーレクイン

人生は勉強より「世渡り力」だ!

【25位】人生は勉強より「世渡り力」だ! / 岡野雅行著 / 青春出版社

湖の騎士

【26位】湖の騎士 / R.ウインターズ著 / ハーレクイン

ポケット版 35歳までに必ずやるべきこと

【27位】ポケット版 35歳までに必ずやるべきこと / 重茂達著 / かんき出版

女性の品格 装いから生き方まで

【28位】女性の品格 装いから生き方まで / 坂東眞理子著 / PHP研究所

ルポ 貧困大国アメリカ

【29位】ルポ 貧困大国アメリカ / 堤未果著 / 岩波書店

生物と無生物のあいだ

【30位】生物と無生物のあいだ / 福岡伸一著 / 講談社

【31位】北方領土奪還作戦 5 / 大石英司著 / 中央公論新社

不機嫌な職場-なぜ社員同士で協力できない

【32位】不機嫌な職場-なぜ社員同士で協力できない / 高橋克徳他著 / 講談社

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践

【33位】お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 / 勝間和代著 / 光文社

帝国の双美姫   1

【34位】帝国の双美姫 1 / ひかわ玲子著 / 幻冬舎

ディーヴァの復讐

【35位】ディーヴァの復讐 / T.ラドリー著 / ハーレクイン

〈勝負脳〉の鍛え方

【36位】〈勝負脳〉の鍛え方 / 林成之著 / 講談社

脳と気持ちの整理術 意欲・実行・解決力を

【37位】脳と気持ちの整理術 意欲・実行・解決力を / 築山節著 / 日本放送出版協会

解剖学はおもしろい 死体からDNAまでの

【38位】解剖学はおもしろい 死体からDNAまでの / 上野正彦 / 青春出版社

花嫁様は修業中

【39位】花嫁様は修業中 / 篠原まこと著 / イースト・プレス

下流大学が日本を滅ぼす!-ひよわな“お客

【40位】下流大学が日本を滅ぼす!-ひよわな“お客 / 三浦展著 / ベストセラーズ

【41位】ニッポンの評判 世界17カ国最新レポート / 今井佐緒里編 / 新潮社

【42位】南洋争覇戦 1-鋼鉄の海嘯 / 横山信義著 / 中央公論新社

iPS細胞 世紀の発見が医療を変える

【43位】iPS細胞 世紀の発見が医療を変える / 八代嘉美著 / 平凡社

孤宿の人 下

【44位】孤宿の人 下 / 宮部みゆき著 / 新人物往来社

闇の方程式

【45位】闇の方程式 / 広山義慶著 / 実業之日本社

うるわしの女神

【46位】うるわしの女神 / S.ローレンス著 / ハーレクイン

太陽の謎とフォトンベルト

【47位】太陽の謎とフォトンベルト / 飛鳥昭雄著 / 学習研究社

閉塞経済-金融資本主義のゆくえ

【48位】閉塞経済-金融資本主義のゆくえ / 金子勝著 / 筑摩書房

「私はうつ」と言いたがる人たち

【49位】「私はうつ」と言いたがる人たち / 香山リカ著 / PHP研究所

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語

【50位】名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 / 中野京子著 / 光文社



悩む力 (集英社新書 444C) / 姜尚中 / 集英社の口コミ

名著ですね。本当に面白くて、心もすーっと楽になる。本当に買ってよかった。この本を読んで「何が言いたいのか分からない」とか「損した」と仰る人は、全然悩んでないおめでたい人か、漱石やウェーバー並みに「悩む力」がある人のどちらかだと思います。ほぼ前者だと思いますが。読みやすい本ですが、広く一般の評価を得るには内容そのものが高尚過ぎるのかなとも思います。要するに、筆者の考える「人生における様々な悩み」そのものが高尚なんです。なので逆に言えば、その乖離を埋められないというか、読むことはできても理解はできない哀れな層というのも確実に存在している、ということがこのレビュー一覧を見て分かりました。人間色々ですね。【ジェイコブ佳川】

ベストセラーであり、私のような70歳に近い年代には魅力のある漱石とウェーバーを取り上げているというので買ってきました。早速読んでみましたが、目線がスケートで氷上を滑るがごとくスイスイと進みホンの二時間で読んでしまいました。つまり人生の真面目に考えなくてはならない事々を、偉大なる二人を使って軽く読めるように書いて見せたのがこの本です。本当に上手に読みやすくかつ売れるように書いたものです。と、このような「です」調で書いているのも、現代風なのでしょうが、益々軽さのみ目立ちます。願わくば、人生論的な書物は重々しく格調ある文章で書くべきであるという風に「である」調で、偉人二人の褌で何とやらではなく自分自身の言葉と考えで書いてみてはいかがでしょうか。【yktkaji】

ビジネスの世界では「悩むな、考えろ」と言われるが、常々違和感を感じていた。だって、困難にぶち当たったら普通は悩むし、悶々とする過程を通じて理不尽な状況を受け入れ、割り切るポイントを見出すのだろうから。さて、筆者の本を読むのは初めてだが、中々読みやすくて共感を誘う展開になっている。全てをウェーバーと漱石に帰結させようとしなくてもよいとは思うけれども。青年の持つ傾向を「自分のこしらえた城から一歩も出ず、のぞき穴から外界を窺うように全ての人間を疑ってかかり、ひたすら自分のことだけに熱を上げる」と表現したのは秀逸。青年に限らず、現代人の病因はまさにここにあるのだろうと思う。そして、解決の糸口は「他者からの承認である」というのも永遠の真理であり納得。世の中ときちんと向き合って生きろ、ということだと思う。【アマゾン次郎】

著者が在日ということもあり、「悩み」について深く考えてきたにちがいないとの思いから購入した。予想した切り口とは違ったが、悩むことについて肯定的に捉えられるようになった。何か悩みが発生すると、これまではとても否定的であったが、これを力に変えよう!とすら思える。人間は悩んで当たり前、悩むことから始まるといってもよいのだ。いろんな例を挙げながら、悩むことが特別なことでないことを教えてくれる。そして、悩みぬいた先には開き直りや横着さがあってよいのだと。一人一人がこの時代のうねりに巻き込まれながらも、したたかに強く生きる!そんな強さを必要とする時代に生きる我々が読まなければいけない一冊である。特に若い人には読んでもらいたい。【パウロ】

本書に働くことについて書いてある章がある。著者は「金があっても人は働く」というようなことを言っているが、それはあまり一般的ではない。著者のように、知的・創造的な仕事をしている人には仕事は面白いものなのだろうし、社会的承認も得られるのだろうが、世の中には誰がやっても面白くないという職業についている人もいて、そういう人にとっては働くことは苦行でしかなく、生きるために仕方なくやる手段である。【ミナ・ティ】

おつまみ横丁—すぐにおいしい酒の肴185 / 池田書店の口コミ

コンパクトで、きれいにまとめてあって、非常に好感のもてる1冊です。ページ数が少ないわりに、内容は結構しっかりしているのでちょっと料理をする人から、こだわり派の人まで幅広く楽しめると思います。【ガンマム】

 夏場はどうしても、仲間と食事へ行き飲む機会が増える。知らず知らずに食費もかさんでいる。そんなことを頭の隅で考えながら書店を歩いていると、簡単なつまみの作り方の本が山積みになっていた。  さっそく手にとると、私でも出来そうなものが多い。家でつまむのも良さそうだ。【サトマン】

今までお酒を飲むときは、スナック菓子をおつまみにしつつ、物足りないなと思っていました。この本を購入して、作ってみたところ、ほろ酔い気分でも簡単に作れるものばかりで、しかもおいしい。家の飲み友達を頻繁に連れてくる人におすすめの本です。【Majesty】

料理の創作をされた瀬尾さんという女性はかなりの酒飲みで、ごきげんな居酒屋をたくさん知ってらっしゃるのでは?と思わず唸るこの1冊。とっても簡単であるにも関わらずどれも居酒屋テイストたっぷり。写真付きのレシピもさることながら、巻末にまとめられたイラスト入りの「クイックおつまみレシピ47」、さらに「文字だけおつまみレシピ20」の充実ぶりもありがたや、ありがたや(でもやっぱり写真があるともっといいっ!)。料理が得意で手の込んだものを作らないと気が済まないって方には物足りないかもしれませんが、「俺は下町の居酒屋が好きだ〜!」って人には間違いなくおすすめの名作です。【GR8ER】

少ない材料でカンタンにできるものばかり料理ってシンプルなものほど美味しいのねレシピだけでなく材料や道具に関するちょっとしたコラムもあり読んでいて楽しい★サイズが小さく持ち運べるので通勤時に読んでます【con】

目薬αで殺菌します (講談社ノベルス モF- 43) / 森 博嗣 / 講談社の口コミ

少しずつ夜が明けるように、全体像が見えてくる、かも。それは凄くゆっくりとした時間かも知れませんが。て、いうか久方振りの「Gシリーズ」。物語はそれなりに進みます(急展開?)。【radio5】

次巻は一年以上先になるそうですよ。犀川先生は准教授になりましたとさ。【今江政雄】

Xシリーズを間におき、久々に出版されたGシリーズ。このシリーズ、当初は事件もいまいちで多少盛り上がりに欠ける印象がありましたが、ここに来て俄然おもしろくなってきたような気がします。といっても1つ1つの事件、ミステリーとしては、今までどおり、ぱっとしないのですが、これまであった、どこまでついていけばいいのか?というような退屈な疑問はかなり解消されて、話の行方が気になりだしました。森氏の術中にはまって少々くやしいような気もしますが、とにかく今までの印象が良い意味で、だいぶ変わったのは事実です。【とーる.】

ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書 う 2-1) / 上杉 隆 / 幻冬舎の口コミ

日本独特の記者クラブ制度を即刻廃止して、開放すべき。という思いを、一段と強くしました。【ドラゴンツービート】

安倍元内閣落日までの顛末を暴露した「官邸崩壊」で脚光を浴びた上杉隆の新著、タイトルも語呂合わせだし、なんだかベタな感があるが、、、。ジャーナリズムの役割とは何か、それは三権に対する監視だと筆者は定義する。にも拘らず、欺瞞、驕り、体面、保身とまるで日本のサラリーマン社会の縮図を見るような日本のマスメディアの体たらくに怒り、特に権力組織とのもたれ合いと既得権益を享受する官僚主義的な「記者クラブ」こそ、諸悪の象徴と結ぶ。フリーランス記者として、この10年間特異で閉鎖的な記者クラブと対峙し、永田町ではゲリラ的取材で例外なく違法な手法で生き残ってきた自負と苦労、そして、それらの労苦を伴いながらも結実させた執筆の内容が、自主規制から、かくも簡単に歪曲を要求される空しさ。盗用、引用が日常茶飯に行われながら、オリジナルの記事を書いた者への敬意や記載が一切行われない非礼と現実。筆者がかって契約記者として在籍したニューヨーク・タイムズとの比較対照が頻繁に行われ、日本のマスメディアの現状を慨嘆し、真の意味で権力に屈せず、しがらみにも汲みしないのがジャーナリストとしての本分と語る。いやはや威勢が良い。タイムズ時代のスクープや自らの経歴詐称報道を経ての、怨敵NHKの傲慢ぶりを糾弾したり、タイムズの13の警句に触れながら、いかにタイムズのスタンスこそがジャーナリズムの真髄かが雄弁に語られるが、その思いは十分伝わるものの、タイムズの名を気色ばって連呼する辺り、反って権威主義的な部分を感じるし、節々に、私憤も混じっているのが微笑ましくもある。私の友人に某大新聞の地方支局で働いている者がいるが、組織に属していても、彼を始め誠実な記者は少なくない。永田町の寄り抜きの花形記者たちとの違いは歴然としていると思う。【hide-bon】

朝日新聞による鳩山元法相への死神報道など、新しいエピソードを例にして、マスコミの横暴な体質、権力との癒着体質を紹介しています。あまりにも最近のことのため、強い危機感を感じます。この危機感を持ちながら、テレビや新聞を見るべきでしょう。【aki】

わが国のメディアを蝕んでいるのが記者クラブ制度だとは知っていたが、その他にも違和感を持っていたことの背後の構造が、どんどん理解できるようになって、目から鱗の本だった。いくつか挙げると、 日本の記者はジャーナリストではなく、ワイヤーサービスである 新聞社と通信社の記者の違いって認識していませんでした。わが国の新聞記者のほとんどがやってる仕事は通信社の仕事なのね。 担当する政治家が出世すると、一緒に出世する政治記者 テレビでも新聞でも、コップの中の嵐としか思えない政局の話を微に入り細に穿って報道するのを不思議に感じてました。彼らにとっては大問題なのね。自分の出世がかかっているんだものね。もう一つナベツネってなんであんなに偉そうにしてられるのか不思議に感じてました。政治家とつるんで出世したわけだ。でも、報道する対象に取り込まれちゃったら報道なんてできないよな。 「わかった」報道 「結婚していたことがわかった」とかいう報道の「わかった」という言葉に違和感を感じてました。これって、記者クラブで申し合わせて新聞に載せる時のパターンなのね。 他にもメディアリテラシーのために有用な話が満載。今までも、報道の歪み補正するレンズを持っていたつもりだけど、本書を読んで、補正の精度が良くなったと感じる。補正なんて出来ればしなくて済む方がいいのは、実験データでも報道でも同じなんですけどね。【shibchin】

テレビや新聞がつまらない理由が、元ニューヨークタイムズ記者、あるいはジャーナリストという視点から書かれています。速報はAPやロイターに任せればよいというエピソードは、NYtimesなどの記者のものの考え方、あるいはジャーナリズムへの姿勢が現れていて面白い。翻って、日本の記者あるいは記者クラブの思考の貧弱さが、鮮やかなコントラストをなしており、悲しくなります。記者クラブ制度への批判は目新しいものではなく、今になって崩壊ということでもない気はしますが。【奇手仏心】

偽善エコロジー—「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1)) / 武田 邦彦 / 幻冬舎の口コミ

本書の主張(偽善エコロジーへの警告)ついてさまざまな批判を受けるのであろう、著者は本書の「あとがき」の中で、主張の根拠となるデータについて、次のように記述している。『でも、本当は「独自」の数値で、しかも「公的に発表されているのとは異なる」ということが、私が執筆する本のいわば「魂」に当たる』ことになり、(本書の価値は)『「いかにして、公に発表されたデータと異なる情報を得て、それを社会に発表するか」にかかっている』と主張している。しかし、主張の「根拠」となるデータは本当に正しいであろうか?次に著者の主張と、それに対する書評者の反論を述べる。『レジ袋は石油の不必要な成分を活用した優れもの』  レジ袋の材質はポリエチレンであり、石油のナフサ留分(ガソリンに近い  沸点範囲をもつ)を原料として作られているのでは? ナフサは石油の中で  もっとも利用価値の高いもので、決して「不必要な成分」ではない。『焼き鳥でも囲炉裏でもダイオキシンは発生する』  ゴミ焼却でポリ塩化ビニル等の塩素を含む高分子から発生する  ダイオキシン量と、焼き鳥にふりかけた塩(塩化ナトリウム)  から発生するダイオキシン量は、そもそも単位質量  (たとえば1KG)当たりの発生量が何オーダーも異なる。  発生量を無視した議論はまったく意味がない。上記の例のような首を傾げたくなるような「根拠」が随所に見られます。(この人、本当に科学者?と疑ってしまうような根拠です。)ただ、テレビ等の家電リサイクルの矛盾について尤もと思われる主張も混在してます。したがって、本書は、自分のエコ度を評価する試金石として利用する価値はあります。著者の「判定」にどう反論するか、あなたのエコ度が問われます。【錆びたろう】

私の勝手な解釈ですが本著を通じて「エコロジーっぽいことはたいてい嘘なのでやめよう」という主張がなされていると思います。別の言い方をすれば思考停止状態で行動するなということだと思います。しかし、本著を読んでいると「言いたいことはわかるけどそんなこといっても大丈夫?」という記述がかなり多く見受けられます。一番気になったのは検証6の「温暖化はCO2削減努力で防げる」→「防げない」です。正確には「日本だけが」やっても微々たるものなので防げないのという意味なのですがそれでは大勢がやっていることだから一人だけやめても無意味なのでやらなくていいという主張になってしまいます。これでは前述した「思考停止状態」ではないでしょうか?他にも、「真面目すぎると自分の首を絞める」として国際社会から孤立するとしていますがそれは主張の仕方の問題で、やっていることが間違っているわけではないと思います。たとえ微々たるものでも目標を達成しているものだからこそ主張できることがあるはずですし私自身、日本がそういう国であってほしいと思います。さらに「温暖化=台風」として説明するのはいくらなんでも飛躍しすぎな印象を受けました。誤解を与えたくないのですが私は非常に興味深く読めたのですが、この本をニュートラルな思考ができない人が読むのは危ないだろうなと感じます。【レコード】

 タイトル「偽善・・・」はもちろんのこと、目次も「ただのエゴ」「温暖化・・・防げない」など、非常にセンセーショナルな印象を見る者に与えるが、その内容は科学者としての良心・正義感にあふれている。 とくに「検証3 ペットボトルより水道水の水を飲む」について、悩みながら悩みながら結論を導き出していく過程では、「環境保護すなわち正しい」といった短絡的思考に陥りがちな私には、大切なものを思い起こさせてもらうことができた。そういう意味では、なにかと世論誘導に巻き込まれがちな私たちに、主体的に判断することの重要性をも訴えていると言える。 さて、本書がただの警告の書で終わるかどうかは、続編にかかっているような気がする。確かに本書では、いわゆる環境保護運動の陥りがちな誤り、あるいは実際に陥っている誤りについて鋭く指摘してまさに眼ウロコな点が多いが、では実際に『次のステップ』として、私たちの社会がどういった形態をとれば良いのかについては、いまだ語られていない。  この点について、例えば『検証二 割り箸を使わずマイ箸を持つ→ただのエゴ』では、国内森林を維持発展させるためにも端材の有効利用は不可欠であるから割り箸を使うべきだという主張がされているが、その主張自体はよく理解できるものの、例えば今、輸入品に頼る現状を、国内産へとシフト転換するにはどういう問題が起きるかなどについての考察はない。 著者は「総合的なことができないのは日本政府自体が政策を立案する力が弱いこと」にあるとされているが、しかし著者は総合大学に籍を置く大学人であり、さらには「総合工学研究所」の副所長でもあるのであるから、まず学際を乗り越えた『総合的提案』を執り行っていく責務があると私は思う。 続編に大いに期待するものである。【電離層代理】

一番の厄介なネックはアメリカ合衆国ではないだろうか?それも批准するしないを問わず、最もCO2に関し技術的にも科学的にも進んだ見解を持つはずのアメリカが何故批准しないのか何故出来ないのか?ブッシュが悪いのか?余りに利権と経済的利益の狭間から石油に関し、そのルートを確保せんする余り戦争まで起こしたアメリカ合衆国・・昨今環境テロリストまで現れるほど切羽詰った状況であるこの地球的規模の環境問題に対し、武田氏の明快な日本的良心に満ちた論は、心身とも熱くなった都市生活者にとってこの上ない清涼剤足りうる。我々5,60代がこれまでこの国で味わってきた欺瞞が全て環境問題に収斂されてしまいそうなこの世を、これでもかといった具合に正してくれる。そこには科学的データなどもいろいろ駆使されているようだが、自分は科学者でも気象学者でも物理学者でもないので素人目に分かりやすくガイダンスしてくれる良心的な本だ。自然に中庸に暮らしたいものだ。この世は万物流転、輪廻を繰り返し、地球もいつかは終わりが来るのだから・・・エコでロハスで環境にやさしいなんて言辞はどこかのコピーライターにでも任せておけばよい。  【鬼太郎】

著者の一連の著書の中で,数々の環境政策が槍玉に上げられてきたが,本書もその延長である.本書に挙げられているような一つ一つの活動に関し,武田氏の著作で初めて「目から鱗」となった方々が多いだろうが,そのような状況について憂慮している者を代表して氏は述している.何が本当のエコかという点について,盲目的に信じてはいけないというテーゼだろうが,氏の著書とて対象外ではない.例えば,検証1に出てくるポリエチのレジ袋については,エチレンが石油化学の不必要な成分を利用しているから使うべきとの主張だが,エチレンが不必要な成分と言われていたのは,昭和30年代の話.現在では,燃料に使えるナフサをクラッキング(熱分解)して得ているのがほとんどである.エチレンを作るために設備を増設しているのであり,ポリエチレンを使用することにより原油の消費量は増える.検証2では,割り箸追放運動で日本国内での割り箸製造が無くなったように書かれているが,そんなことではなく,ただ単に割り箸を簡単に使うようになったので安価な外国産になっていっただけではないか.このように各章には,重大な誤りが数多く見つかるのだが,同じような誤りが行政や環境保護運動にも見られる.都合の良いデータのみを恣意的に使用して結論を導き出す危険性を指摘していながら,自らも同じ過ちに陥っている.それを氏はわかっていながら,確信犯としてやっているのではないかとさえ思ってしまうほどである.【yorozuya】

野村再生工場 ——叱り方、褒め方、教え方 (角川oneテーマ21 A 86) (角川oneテーマ21 A 86) / 野村 克也 / 角川グループパブリッシングの口コミ

 ここ何年かの野村氏の著書の中では、一番よくまとまっており、内容的にも共感できた。チーム(組織)作りのノウハウや、「考えて野球をする」とはどういうことなのかといったあたりがたいへんよく分かった。 野村氏の著作は数多いので、「前(ヤクルトのとき)にも読んだことがあるぞ」という事柄もあったが、許容範囲内であった。 最近読んだ「ああ阪神タイガース」は愚痴のオンパレードで見苦しかったが、本書は野村氏らしい理論明晰の良書であると感じた。【aaa0042】

野球は「間」のスポーツである。一球一球、ゲームが切れる。このことは、「そのあいだに考えろ、備えろ」といっているのだ。(本書52ページ)有名な「月見草」をはじめ、野村監督の発言には優れた比喩が多い。肌合いは違うが、サッカーのオシム監督の発言もやはり巧みな比喩を駆使するところに特徴がある。そして両監督とも、発言にマスコミが群がる。面白くて記事にしやすいからである。上記引用のセリフも唸らせられる。こういう独自の表現ができるから、伝える「ことば」に力が備わるのだろう。ひたすら観察し、分析し、キレの良いことばでズバッと伝える。だからこそ、「野村再生工場」と言われる成果が出るのだと思われる。それにしても達意の文章である。個人的には山崎のエピソードが楽しかった。【馬場伸一】

さすがに前2作とだぶりが増え、やや新味には欠けるが、それでもなお面白い。この2年の山崎武司の活躍は、まさに「再生工場」の面目躍如たるものだった。何も考えずにバットを振っていた彼に「配球を考えろ」と野村は言う。山崎がホームランバッターとして再生する大きな転換点となったホームランを打った時の心理を細かく分析した場面は本書の中でも秀逸だと思う。また、打者として最高峰に近い栄誉である2冠の実績よりも、チームリーダーとしての働きを高く評価しているのも、チームワークを重視する野村らしい。読んでいて、この人はスポーツと言うより、組織論的な考え方でチームを運営しているように感じた。指揮下のチームメンバーも実名で批判したり、野村節も冴える。磯部なんか2作続けて文句をつけられてかわいそうな気もするが、そういうことを意に介さないところが野村氏のいいところ。星野J批判をしてみたり、角川新書シリーズの3冊目となる本書を出したり、「成果を出す」3年目なのに、今一つな成績を何とかするのが最優先ではないかという気もするが、内容は悪くないので、よしとしたい。【革命人士】

作品自体は目新しい記述はあまりない。山崎、磯部の両ベテランに期待しているという思いは、よくあらわれている。新しい記述では、第四章の監督就任のいきさつは今までの著作にはないかと思う。田尾監督退任のいきさつは今まで氏に同情的だった多くの人にとって驚かれるかもしれない。読後、オリンピック野球日本代表はメダルを獲得できなかった。この結果は野村監督がいうチームプレイ、チーム優先主義が徹底されていなかったことと、チームが仲良しクラブになっていたからではないだろうか。“野村の考え”が万能ではないと思うが、参考にはなるだろう。【ニック】

察知力 (幻冬舎新書 な 4-1) / 中村 俊輔 / 幻冬舎の口コミ

 中村俊輔が、いつ、どこでどんなことをして、そのとき何を考えたという話が中心なので、さらさら読める。 イタリアとスコットランドの文化的な比較(特に選手や観衆のビヘイビアの比較)もされていて、なかなかおもしろい。 ただ、一般向けだからか、サッカーに関する技術や戦術について大して専門的な記述はない。  ビジネスマンとしての観点から見ると、本書は、「察知力」の本質に迫る本というより、自叙伝的要素が強いように思われる。 むしろ「察知力」という大げさな言葉を使う意味があまりよくわからない。    まだ若いからか、文字に親しんでいなくて(実際、参照された文献はゼロ)言語化する訓練ができていないからか、印象的なフレーズにはぶつからなかった。 読み進めても、目先は変わるが、基本的には同じ話を聞かされてる印象は否めず、「察知力」という言葉も、察知の手法、察知のポイントについて具体的には語られない。 彼ならば、サッカーで敵の動きを見て何がどう察知できるかに絞って書き、それが日常生活やビジネスへにどう応用できるか、その可能性を説けばよかったのではないかと思う。 むしろ、気になった言葉は、「引き出しを増やす」という表現である。 サッカーにおいて「引き出しを増やす」というのは具体的にどういうことを指すのかを明らかでないが、相手に応じて対応のオプションを増やす手法が示せるのなら、サッカーを志す青少年や、サッカー指導者にとって座右の書となりうる可能性があるだろう。 おもしろいと感じた部分を挙げておくと、 ・サッカーノートを付けていて、忘れたくないこと、忘れちゃいけないことがぎっしり詰まっている。 ・自分のスタイルを捨てて、監督のサッカースタイルに迎合しようとしている訳じゃない。  監督が目指すサッカーの中で、自分を活かすための作業の一環として、監督の要求を知り、サッカーを理解しようと努めているだけだ。 ・「選手全員が試合の空気を読み、察知しながら的確なポジションを取り、連動し、しっかり走る」サッカーが必要だと(ドイツW杯で)確認した。 【lexusboy】

特に中村選手のファンというわけではなかったのですが、サッカー選手としては足が遅いから、それをハンディととらえるのではなく、足が遅いからこそ、他の選手よりも早く動きださなくてはいけないとか自分のハンディを言い訳せず、克服するために努力している姿がスゴイと思いました。見習いたいところです。私が個人的に一番心に残ったのは「思うようにうまくいかないことがあっても、誰かを悪者にして、終わらせるのではなくて、未来の糧にしなくちゃいけない。ただ気持ちを切り替えただけでは、苦しんだこと、悔しかった思いも無駄になってしまう。」という文章でした。自分の思うようにいかないと「アイツが○○してくれてたらうまくいったのに。。。」とか「どうせ○○だからうまくいかなくても仕方ない」と考えてしまいがちですが、うまくいかないことさえも、未来のためにつなげるという姿勢は本当に素晴らしいと思います。あとは、あらゆるポジションができることはいいこと。ということ。このポジションならこの人しかいない!と思われることも大切だけど、複数のポジションができることも、ある意味すごいことなんだと気づかせてくれました。私個人に置き換えると、仕事上、ある専門分野を極めようと思っていましたが、現実は、得意分野はあるものの業務範囲が広く、いろんなことをやっています。このままじゃ、専門性を磨けない。。。と悩んでいましたが、いろいろなことをできるのは悪いことじゃない。むしろいいことなんだ!と励まされました。また、同じようなことで悩んだときなどには読み返したい一冊になりました。生き方、仕事の仕方などあらゆる面で参考になります。オススメです!【ミルミル】

ふつうのビジネス書で書いてあることが、ふつうに書いてある。俊輔でなければ売れない本だなと思いました。面白いと感じたのは文章とキャリアをつたっていくと見えてきた2点1他人の視線を気にしている2他人の視線を無視している1と2のバランスが面白い。「体が小さいから君はダメだよ」と横浜ユースに落ちても「じゃあ小さい俺はどうすればいいのだろう?→テクニック勝負へ」「イタリアで本来のポジションで使われない→よし、ゼネラリストになろう」といい意味で他人を利用している。他人の言動で悩んだり右往左往するのではなく、かといって頑固に無視するのではなく、実に巧い動き方をしている。これは中高生の部活や、ビジネスシーンでも生かせると思う。中高の部活やカイシャでは、「上司や監督や先輩が絶対」と言う感じで、盲目的に信じることを求められる。反面、ジャーナリストや違う組織の人はそういうものを猛否定する。俊輔はそういうのの「いいとこどり」をしてきたんだなーと思う。【アマゾネス愛子】

 まさかあの「中村俊輔」が本を書いているとは思わなかった。まず。 彼は小さい頃からサッカーがうまくて、人並みより少し努力して現在に至る人物だと思っていた。でも実際にはたくさん悩んで、色んな工夫をして、色んなものにすがって生き抜いてきた人物だった。 そういうひたむきなところがすごく良くわかる本。 「今サッカーをやれなくなっても、悔いは無い」という言葉に、そういうところが集約されていると思う。僕も「自分の人生が明日終わってしまったとしても、後悔が無い」生き方がしたい。【jinya】

「ある取材で、サッカー選手として、誰にも負けないことは何かと聞かれた。『妥協しない姿勢』。僕はすかさず答えた。そして、思った。『今、突然サッカーができない体になっても、極端な話、今死んでしまっても悔いはないな』と。…(中略)…それは、毎日100%、妥協しないで生きているから」。ここまではっきり言い切れる人生を送っている人は、一体、世の中に何パーセントいるだろうか。なかなか面白く読めた。いや、はっきり書くなら、予想よりはかなり面白かった。俊輔のロング・インタビューをすぐ隣で見ているような感じである。この手の本にしては小気味よくうまくまとまっている。なにより、ひとつひとつのエピソードが具体的なのが良い。本書は基本的にはサッカーの本だ。中村俊輔自身も語っているように、俊輔自身はほかの仕事をしたことがあるわけではないし、サッカーが俊輔の人生そのものだからだ。また、いろいろな選手や監督やチームに関する見方やコメントがたくさんあって、それがなかなか具体的なので、サッカーを知らない人より知っている人の方が楽しめる。そういう意味で、サッカーファンは必読。しかし、そうでない人でも、ひとつの道を極めている人の経験、しかも遠い過去をふりかえるのではなく、現在進行形で進歩し続けている人の話として、結構おもしろく読めると思う。たとえば、現在の進歩のきっかけのひとつは、高校サッカー部の時に勧められてつけ始めた、「忘れたくないこと、忘れちゃいけないことがぎっしり詰まっている」という「サッカーノート」にあるようだ。記録をつける、それとうまく向き合うということの大切さは、大人になるとかなりわかってくるのだが、若いうちからその習慣をつけて自分と対峙して得た効果についての解説は、サッカー関係者以外でも参考になるだろう。それにしても、強い人だ。実は、挫折もたくさん味わっている。しかし、負けない。そこから徹底的に学ぶ。「僕は達成感を抱いたことはない。過去も、現在も。そして、たぶん、未来も。達成感を持つことは、怖くてできない」。「どこであっても、なじもうとする努力をしなければ、受け入れられはしないだろう。新しい環境に馴染む努力をしないなら、環境を変えた意味がない」。こういう思いは単に売れ筋本を手にする読者向けのリップサービスではないだろう。難しい本ではないし、まずは一読をお勧めする。それにしても、「ここイタリアでは、ゴール前でボールを受けたら、選手はシュートを打つことしか考えない。どんな体勢からでも打つ。それがゴールの枠をはるかに超えるようなシュートであっても、サポータはシュートを打ったことを称賛する」というのは、もちろんそれが全てではないということもわかってはいるのだが、ちょっとうらやましく感じた。これが「ここイタリアでは」ではなくて、「日本代表は」になる日は、一体いつになったら来るのだろう。【FreshAir】

凡人として生きるということ (幻冬舎新書 (お-5-1)) / 押井 守 / 幻冬舎の口コミ

本書は、全体を、ひとつの言説として理解するのが良く、あるひとつの言説を取り出して、それについて評価するのはいかがなものかとは思うが、それでも、飲み込めない、納得できない、賛同しかねる主張が散見されるので、不本意ながら、そうする他ない。特に気になるのが、冒頭の「若さには価値がある」というのはデマである、という彼の主張である。彼は、「若さ」というものには「絶対的価値」はなく、そして、まるで若さには価値があるかのごとく語る大人を、建前しか語らない、として、論難する。しかし、わたしは、この立場に、与しない。それは、世間で「若さには価値がある」と言われる場合、そこには2つの意味が含まれているからである。ある人(主に「大人」と呼ばれる人)が、「若さには価値がある」というとき、第一に、それは、本当に若さには価値があるから、そう述べているのである。ご案内の通り、世の中には、「若さには価値がある」ということを前提としなければ、説明のつかない社会的営みが存在する。それらを著者はどのように説明するのだろうか。第二に、これを言うことで、「若さには価値がある」という社会的合意を形成するという意味である。確かに、著者が言う様に、あらゆる人に才能があるわけではなく、専門学校に入ったからといって、皆が皆、望む職業に就けるわけではないし、若いというだけであらゆる場合に失敗が許されるわけでもない。しかし、だからといって、失敗を許さない社会が、本来あるべき姿ということにはならない。一体何が成功で、何が失敗なのかということは誰にも判断できないし、それは本人が決めればいい問題である場合もある。結局、この問題は、あなたはどのような社会を形成したいか、という問題に行き着くのである。そして、「若さには価値がある」という旨の発言をする者は、本当にそう思っているし、発言によって、若さに価値を見出すような社会的合意の形成に参加しているのである。わたしは、若い時分は「若さには価値がある」と信じていて、大人になれば、それをデマとして用いるようになるというような著者の論には、与しない。たとえ、あらゆる人間に才能があるわけではないとしても、わたしは、「若さには価値がある」と信じるし、そう信じ、それを前提に社会を形成していこうとする人間が多数派を占める社会に住みたいと思う。「戦争は決してなくならない」とか、「いじめはなくならない」といった言説は、全てただの現実主義である。人間が存在する限り、確かにこれらは無くならないかもしれない。しかし、だからといって、それを声高に主張することに意味を感じないし、そのような「剥き出しの現実主義」を採ることに何の魅力も感じない。そこには、生産的なものが何ら含まれていないからである。著者は、「若さには価値がある」と言う「大人」がみな、このようなことに気付いていないとお思いなのであろうか。だとしたら、それこそ、事の本質が見えていないと言わざるを得ない。剥き出しの現実主義を推し進める著者の主張には、わたしは、生産的なものを見出せなかった。また、本書では、実証を踏まえた論が展開されているわけでもないし、どのような本にも載っていないような哲学と呼べるものが書いてあるわけでもない。したがって、わたしは、これから本書を読もうとお思いの方には、薦めない。本書は、居酒屋で、著者に与太話を聞かされる雰囲気を味わいたい方だけに、お薦めしたい。【キョン太】

押井守監督と比較して出てくる監督としては宮崎駿監督だが、本書でも触れるが宮崎監督は「建前」の人であり、押井監督は「本音」の人である。氏が唱える論は賛否はあると思うが、本音を通すことで世界の多くの人に影響を与えてきた人だけに奇麗事でなく本質に問いかける、その言葉は重い。新作「スカイ・クロラ」でもテーマになっているが、今我々が素晴らしいと考えている「若さ」「自由」が果たして素晴らしいものなのか?自由は状態だけが語られ、自由に行為を行うという意味が忘れられているという主張は、自分を見直すのに十分であった。映画だけでなく、その主張を存分に味わうためにもファンにとっては必読の一冊だろう。【showtime】

タイトルから受ける第一印象とは違って、中身は複雑な現代に生きる若者への熱いメッセージに満ちている。コミュニケーション不全や格差社会といった幅広い事柄について、一風変わった持論を展開しているが、姿勢はいたって肯定的で、批判色が強く否定的なところからしか切り込めない評論家などよりも考え方が柔軟だと思う。押井監督はあとがきに、映画『スカイ・クロラ』は若者へ向けたメッセージだと書いている。『スカイ・クロラ』に込めたメッセージは、この本でも存分に披露されているから、映画とあわせて読めばいっそう理解が深まることは間違いないだろう。【海山ごはん】

「嘘をついてはいけない」という嘘にはだまされなくても、「若さには価値がある」という社会が作り出した虚構にだまされている人は少なくない。本当にその通りだと思う。上辺だけではない、社会分析がこの本にはある。そして「人間は本当にやりたいことをやるべきだ」ということを凡人の視点から語ってくれる。しかもヒキコモリ、アキバ、オヤジ、学生運動、ロリコンといった様々な角度からである。私は自分が何に魅力を感じ、何を求めているのかをはっきりさせることができた。その意味で、自己分析の本とも言えるのではないだろうか。この本を読んで救われる——単純に自分が認められるから、という意味だけではなく、様々なしがらみから自由になるという意味で——人はたくさんいるはずだ。【けいすけ】

女の子に告白できない男の子が増えているそうです。男の子は女の子から好きと言われるのを待っている。失敗するのを極端に恐れている現代の若者。他人から嫌われるのを一番気にする子供たち。小学生にアンケートをとると、友達がたくさんいると答えるこどもが急速に増えているそうです。それが何を意味しているのか、押井守はこの本の中で答えています。小さい命を胸に抱いてその暖かさを感じるということをしないといけない。自分の生き方を選択しないと先へは進めない。著者は現代に巣食う言葉にならない闇の部分を鋭い感覚で表現しているように感じました。一番の「納得!」は、『自由とは自在である』という言葉です。あらゆる不自由を経験して対象を自在に操れることができて初めて本当を自由を得られるのだ。他者と接することを拒んでるニートが持つ自由は幻想である。利害関係のない友達なんて必要ない。過激だが確信を得た押井の哲学に強い感銘を受けました。2度読むのが良い本です!【Y&Yカンパニー】

コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書 52) / 野口 吉昭 / PHP研究所の口コミ

僕は仕事柄インタビューすることも多い。もちろん事前に質問を考えていくが、なかなか核心に迫れず、「ちょっと今回は聞き方を失敗した」と思うこともごくたまにある。「質問の内容や流れに原因があった」とは分かっていたが、どの部分が悪いか漠然とした感があった。その部分を明確にしてくれたのが本書といえる。インタビューのときは「仮説」を綿密に立て、それを「質問」によって検証する。もし仮説が間違っていれば修正し、本質に切り込んでいく。これはコンサルタントとしては当たり前のことかもしれない。ただ、自分にとってはこの「仮説」の甘さがインタビューで果実を手にできない原因であると、改めて思い知らされた。今後は「仮説」⇒「検証」を意識し、そのスキルを完全に自分のものにしていきたい。またその他にも質問する上でのノウハウが満載。自分としてはあらゆる職業で非常に役に立つ本だと感じた。【西村キラリ】

内容が分かりやすいという意味の“Easy”ではなく、著者が内容を練りこんでいない安易に書いた感がある、という意味の“Easy”です。比喩やケースが多用されていて、ぱっと見は読みやすいのですが、後味が残りません。5年前に読んだ著者の『「夢とビジョン」を語る技術』がとても良い本だったので手に取ったのですが、楽にお仕事をしすぎではないでしょうか。【トラストマスター】

この手のビジネス新書にありがちな“著者の成功自慢”が満載な1冊です。「私はこういう思考ができるorスキルがあるので、あの仕事では高い評価を得られた。」みたいなのが何度も出てきます。他にはごくごく常識的なことと浅い経営学の知識ぐらいしか書いてません。まぁ「明確な解答をもたらさず、読者自身が気付くように仕向けている」といえば、なんとなく通っちゃいそうな理屈ですけど。【としあき】

タイトルにもあるように「コンサルタントの質問力」ということで、コンサルタントがクライアントから話を引き出し、解決に結びつけていく上でどのような点が重要であるかという点が本書では述べられています。よってセミナーでの質疑応答など、「単発の質問」をする上でのテクニックを学ぶというよりかは、「会話を繋げる上での質問力を身につける」のに適している本と言えると思います。内容としては仮説→検証の重要性など一般的に言われている点が多かったものの、会議などで話をする際に本書のような視点を意識するのとしないのとではある程度の変化はでてくるのかもしれないという印象はもちました。【ligaya】

本書はいわゆるハウツー本であり、本質的には特別新しい内容がかかれたものではありません。だいぶ手垢にまみれているといっても良いかもしれません。とはいえ、まったく読んで損かといえば、決してそうでもないとは思います。著者自身のコンサルタントとしての経験が著者自身の言葉で発信されているからです。はじめて本書ような本を読む人には読みやすいですし、適しているものであると思われます。ただ逆にいうと、この手の本を何冊か読んだことのある人には、あまり新しい発見はないものかもしれません。【ふとあご】

科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている [宝島社新書] (宝島社新書 275) / 丸山茂徳 / 宝島社の口コミ

地球温暖化ブームとも呼べる事態が生じています。CO2排出取引制度等もスタートされており、世界的な広がりがあります。ブームが到来すると、反証が行われるというのはよくあることですが、この本はそういった俄本とは趣が違います。温暖化CO2説を否定してはいますが、地球環境問題は深刻であることをその上で提示しています。それはローマクラブが著した「成長の限界」で既に知られている内容です。要は、人間が余りに増えすぎて人間の食料が尽き果てるという説です。食料生産は石油に頼っているので、石油が枯れた時食料も尽きるというものです。石油の枯渇と反比例するように世界人口は増え続けていいます。このままでは近い将来、文字通り限界を迎えることになります。此方の説の方も、十分に説得力があります。どちらにしても、化石燃料の保全を進めることは非常に重要なことになりそうです。化石燃料を燃焼させた時のCO2が地球温暖化をもたらすという説の始まりはアメリカです。そのアメリカは京都議定書を批准していません。ところが、バイオ燃料の増産を進めています。この動きは石油資本と関係があるのではないか、などと想像を膨らませました。【街道を行く】

「偽善エコ」が確かな数値と現実調査に基づくまっとうな説だとしたら、「地球温暖化」嘘説も同じかもしれない。科学者が綿密な数値を基にした宇宙的理論と歴史的データを駆使しての地球の今後を予測するのはあながち不可能ではないが、なぜ政府とマスコミは「暑い」とか気温のわずかな上下だけで「地球温暖化」に結びつけてしまうのだろうか。政府国益や企業利権がからんだ宣伝に一般国民が踊らされているようにしか見えない。寒冷化→食糧が減る→人口抑制=少子化万歳、これでいいのだ。「京都議定書」問題に関しては日本はハメられたとしかいいようがない。石油は枯渇に向かう、国民は様々な値上げで気付き始めた。まっとうな研究者たちよ、もっと声をあげてほしい。【水時計】

著者の専門分野については非常に示唆に富んでいる。しかし、専門分野外のことになると、残念な内容である。前半は専門家の意見として耳をよく傾け、後半の思想的な面については、一人のオジさんの話として聞いた方が良いだろう。そこに興味がある人は、その道の人が書いた新書をまず読むべきだろうと思う。ただし、後半についても、何も提議しない科学者よりはずっと良いと思う。【あちょー】

「『地球温暖化論』に騙されるな!」を読み,非常に考えさせられ,さらに同じ著者の書いたこの書籍を購入した。第1章の内容は,「『地球温暖化論』に騙されるな!」と内容がある程度重複していたが,第2章以降からは,これからの世界をどのように捉えていけば良いのかという,著者の思想が非常にわかりやすく書かれている。特に,民主主義国家の役割とアメリカという国の重要性に関する説明は,示唆に富んでいて納得させられる。「デモクラティック・ピース〜民主主義国家どうしは戦争をしない」という項目は,なるほどとうなずかせられた。そして,将来おとずれる石油枯渇問題と人口問題について,著者は早急に対策を打つべきだと警告している。ただ,太陽光発電すらも,その製作のために石油が必要になるため消極的な姿勢を見せている部分に関しては,ではどうすればよいのかと問いたくなる。現時点で最も有効な代替エネルギーは太陽光発電ではないかと私は考えているからだ。 本の内容としては,タイトル以上に21世紀の人類の未来について,科学者の立場から,空想ではなく現実的な解釈で,警告を発している。「地球温暖化問題」で最も悪いのは科学者であると述べている点が,著者の責任感の強さであり,この本を記した著者の最大の動機であろう。私も著者の意見のほとんどの部分に賛成する。今日本がやるべきことは,「少子化対策」ではなく,「人口抑制政策」であり,「地球温暖化対策」ではなく「京都議定書から脱退する」ことである。【長谷川 純一】

著者は地球温暖化説を否定し、今後、地球は寒冷化に向かうだろうと主張しています。地球の気温に与える要素を大きい順に列挙すると(1)太陽の活動度(2)地球磁場(3)火山の噴火(4)ミランコビッチサイクル  (他惑星の重力による公転軌道のブレ、地球の地軸の傾きの変化等)(5)温室効果ガスとなっており、温室効果ガス以外はすべて、寒冷化に向かって働くことになるとのこと。寒冷化説は一見、少数派に思えますが、CO2等人為的な温室効果ガスの影響はIPCCの予測よりはるかに小さいのではないかというのは、学会でもかなり有力な説だそうです。また、地球温暖化対策の研究者たちについては、寒冷化のリスクが大きいにも拘わらず、それを言い出すと予算がとれず、今までに行った研究が無駄になるため黙っているとし、厳しく非難しています。その心意気や良し。しかし、自分の専門外の歴史や政治について述べた2章、3章については世界統一国家論等の極端な理想主義に走り、またアメリカの民主主義は全て正しいといういわゆる自虐史観に落ちいっており、共感する人は少ないのではないかと、一言付け加えさせて頂きます。【至高の豚】

ひらめきの導火線 (PHP新書 544) / 茂木 健一郎 / PHP研究所の口コミ

 日本人には独創性がないと言われてきた。しかし本書では、この問題について、「トヨタ」と「ノーベル賞」とを比較することで、読者に新しい着眼点を持たせる。 一個人が大発明をするわけではないが、トヨタの「改善」を例にあげ、日本では個々人のひらめきが導火線になり大きな発明につながっているという。 また、「ひらめき」をテーマにした章は興味深く、どのような条件下で「ひらめき」が生まれるのか参考になるお話しが豊富にある。【サトマン】

日本人の弱点として創造力がない。オリジナルティをもっていないなどと揶揄されることが多い。それは本当にそうなのか。その出発点にまずは疑問を本書では投げかける。世界的企業であるトヨタを例に、日々生まれる改善というひらめき。それらを生かすための仕組み。本当に日本の強み・弱みとは何なのか。ふっと思いよぎる瞬間だ。また本書ではひらめきという能力は万人に与えられた才能だとも説く。一人の人の天才的な発想による変化も、その実は様々な影響が与えられた結果である。日々、少しでもいいからひらめき、それを蓄積すること。それが大きな結果に繋がる。本書はヘタな能力開発本よりもとても刺激的で、気づかされることがとても多い。【ニャンゴロ】

仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか (幻冬舎新書 や 5-1) / 山本ケイイチ / 幻冬舎の口コミ

 トレーニングを続けるための意識付けに関する考え方の整理から、目的に応じたトレーニングを行うための方法論の整理まで、具体的なトレーニング手法ではなく、運動を続けるための考え方のフレームワークを無駄なく整理した良書だと思います。フィットネスジム選びの着眼点などにも触れられており、一通り目を通すとトレーニングを始めたくなります。 最近は新書も乱造気味ですが、極端な実用書にも学術書にもなりきれないジャンルなわけですから、こういった短時間で読めてそれなりの発見がある本というのは、悪くないと思います。【ペリカン堂】

内容に関しては有力な情報はありますが、タイトルと内容がまったく合っていないところが気になります。中身は、筋トレに関しての本で、仕事との関係についてはふれられていません。また、文章からマイナスの感情がただよっている感じがします。どちらかと言うと、「継続」できない人を皮肉ったような書き方になっているので、あまりいい印象を受けません。題名は斬新で、興味をそそるようなものですが、中身はいたって平凡です。【常夏】

筋トレに限らず、何か新しいことを始めて、それを続けるためのマインドの持ち方やヒントを教えてくれた。筋トレの最大の目的は、「続ける」こと。確かに、筋トレを始める動機というのは、痩せたいとか筋肉をつけてモテたい等、何かしら終着点のある目的を設定しがちだが(もちろん、始めるキッカケは、そのような俗な動機で構わない)、何kg痩せた、筋肉が何kg増量した等、その目的を達成した時点で、真の目的は達成したとはいえない。理想の体型に達して、さらに、その体型を”維持”しなければ意味がない。最初の動機は何であれ、筋トレの最終目的は誰でも、「続ける」ことに収束する。毎日歯磨きをしないと気が済まないと思うのと同じように、筋トレをしないと気持ちが落ち着かない、何となく気だるいと思うくらいまで、日常生活の一部として組み込む事が大切である。常に理想の体型、心身の健康を維持し、その人のライフスタイル全体に好影響を与える事が真の目的である。【revolution】

トレーニングについての考え方、挑み方、続け方が多く書いてあるので、とても参考になった。タイトルもすごくよくできている。中身ともそれなりにリンクしているので、タイトルでだまされた気分にはならなかった。この本を読んで、トレーナーをつけて筋トレしてみる気になったのと、細く長く半年続けられるようにがんばろうと、短期の目標も設定できたので、安い買い物だった。後は、実際に続けられるか。またモチベーションが下がったら、この本を読んであげて行こうと思う。【久保田夏彦】

ジムに通いだして3ヶ月目で本書に出会い読み始めた。本書を読んで、・トレーニングを行う目的の重要性・トレーニングを続けるための目標設定・トレーニングを行うためのタイムマネジメントなどトレーニングを継続していくために必要な意識としてビジネスに求められる意識と非常に近いものがあると感じさせられた。また、・トレーニングによる体の変化・ジムのスタッフとの接し方・トレーナーの選び方・休息のとり方・食事の考え方・マナー・ファッションなど長くトレーニングを続けていくための基本事項が書かれており、場合によっては年齢別に書かれているため、トレーニング初心者の私には非常に参考になる内容であった。これからトレーニングを始めようという人や、トレーニングを始めて3〜6ヶ月くらいの人には非常に参考になると思う。【ふとあご】

お金を知る技術 殖やす技術 「貯蓄から投資」にだまされるな (朝日新書 126) / 小宮 一慶 / 朝日新聞出版の口コミ

投資をやみくもに勧めるのではなく、まずは資金計画や人生計画を整理してから貯蓄(守るお金)の重要性を理解して、余剰資金(攻めるお金)だけをリスクマネーに回すこと、日本人的なお金に対する価値観(貯蓄や不動産を大切と思うこと)を否定せずに、初心者にはわかりにくいリスクとリターンの関係、EBITDAやPERやPBRなどの株式指標、バリュー投資、手数料のかかる投資信託への注意点、リバランスのタイミングなど、運用の具体的な方法について、良心的にわかりやすく説明してくれている。最後に「金利上昇が日本人の美徳を守る」というのはなるほどそうかもしれないなぁと感じた。著者が日本人の美徳や価値観を重点において人生でのお金の分析の仕方やさまざまな運用方法を紹介していることから、ややもするとリスクを取りすぎて焦って高値掴みをしてしまいがちな少し運用を始めかけた私のような投資初心者は反省の念を込めて読むべき本と言える。【118Mスポ】

サブプライムクライシス以前の本では分散投資のみを薦める本が多く、それらの本は書店の本棚から消えてしまいました。久々に新書で金融に関する本を見つけ、読んでみると、人生設計を基本にした「やっていい投資」と「やってはいけない投資」をきちんと説明していて感心しました。また金融の仕組みを知らずに投資することは無謀として、簡単ですがわかりやすく説明しています。投資信託で信託会社にはリスクはなく、投資者の儲けがでない構造にはびっくりしました。また日経新聞やWebなどで入手できる情報を紹介しているのも参考になりました。【vatmideo】

 資産管理についての指南書。ごくごく基本的な事項についてだけ触れるレベルではあるが、非常にわかりやすく入門書としては良書だろう。 ただ巻末の「金利を上げて間接金融主体に回帰しろ」というのはちょっと分からない。それは結局、昔の官僚による金融統制時代への回帰で、成長の妨げになるのでは?そもそも金融鎖国が不可能な以上、資本は世界の金融商品に流れ出るはずだ。【毒ギョウザ】

かのバフェット言わく「市場は右も左もわからないものを許さない」と。はい、私は株はやりません。著者は非常にわかりやすく本書を書いてくれているだろうが、それでもやはり金融に関することは難しい。ただ、本書はいろいろな指標(簡易年金算出法、会計的手法等)を示してくれているので、それはそれで勉強になる。買って、決して損はない。【豪腕税理士】

「気にはなっていたけども、お金をまずどのように管理し殖やしていけば良いのか。」「単に預金や貯金をするだけではなく、老後を迎えるまでにしっかりとお金を管理し、少しでも殖やしたい」これらの第一歩を教えてくれる本だと思います。最近、経済本の売り場には「楽して億万長者になる法」というような一攫千金的な本が出ていますが、そういうことを考えている人向けではありません。積極的・具体的な運用を色々と知りたい人は、他の本を読んでください。コツコツ働くサラリーマンの為の内容です。著者は、金融の専門家ですが安易にあおったりは一切しません。むしろ、その正反対な事を説いています。・・・が、そこがとても安心感を与え、普通の勤め人はこういうことから考えていけば良いのかということが判りました。(例)→お金には守るお金と攻めのお金があります・投資信託の選び方・株式投資は余裕資金で・人生に必要な資金をざっくり計算してみましょう通勤時にさらさらっと読めてしまいますが、ペンで重要箇所を確認しながら再読したいと思っています。ちょくちょく「この事については、後で述べます」と引っ張る表現が出てくるのが少し気になったところで★4つ!【HERGE】

スティーブ・ジョブズ神の交渉力—この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48) / 竹内 一正 / 経済界の口コミ

アップルにシンパシーを持つ人、何となく好きな人にはお勧めです。また、「スティーブ・ジョブズ」という「経営者(経済界のヒーロー)」を知りたい人にもお勧めします。軽く読めるし、内容は面白いのですが、本書で何かを得ようとしている人にはお勧めしません。それは「あまり得ることは出来ないだろう」からです。現代は高度資本主義社会であり、企業や経営という問題が非常に大きなポジションを占めます。その中において、「アップル」という企業は非常にユニークなポジションを得ています。それがどうしてなのか知りたい人(つまり前述のような人です)にはお勧めの本です。それ以外の人は非常に曖昧な読後感が残るでしょう。【逆襲のシャア】

スティーブ・ジョブズはただものでないと感じさせてくれる本です。彼の経歴は本当にスリリングです。読んでいて面白い。でもまねはできない。普通では無くても、普通の人とは違うところで、本質をつかんで選択・行動するから、世界の関心を集め、ビジネスも成り立っていくのでしょう。小さな意味で普通であるかどうかは彼には関係ないんでしょうね。普通に考えると恩義とか信義とか言う概念から外れたような行動があるようですが、ビジネスというフィールドではそんなことは通用しないのでしょうか。スティーブ・ジョブズという天才だから許されるのでしょうね。まねはできないが、読んで面白いということで星4つです。【エヴァンジル】

スティーブ・ジョブズと言えば,新しいMacやiPodをプレゼンしている姿しか印象にありませんでしたので,きっとアイデア一杯の,気のいいおじさんだと思っていました.しかし実際のところは非常に自己中心的で,都合の悪いことは知らんぷり,手柄は自分のものというかなり嫌なやつという一面もあるようです.本書では,このようなジョブズの人となりを交えながら,彼がどうやってディズニーの大株主になったのか,一度追い出されたアップルにどうやって返り咲いたのかという話が紹介されています.そして,そのやり方はやはり天才的で,「神の交渉術」というタイトルもあながち大げさではないように思います.ただし,大胆かつスケールの大きな話ですので,この交渉術を勉強してもおそらく素人には使い物にならないでしょう.非常に嫌なやつという見方がある反面,是非一緒に仕事をしたいという人もたくさんいるのも事実で,確かに凡人ではありません.こういうのを人間の器と言うんでしょうね.【wave115】

「あのアップルのCEOなんだから、よっぽどの人なんだろうな」と、予想し読み始めると、ビックリ!!確かによっぽどの人なのだが、それは自分の予想を裏切り、そこまでするか?!的な決して人として尊敬できない話が次々と出てくるしかし、それらは企業を興し、成長させていく為には必要なパワーの一つの形かも、と読み終わるころには妙に納得してしまった変に周囲を気にしすぎて結局小さくまとまってしまい、何の役にも立たず、自分自身もモヤモヤしているより、ジョブズの様にある意味「ピュア」に自分の思いに従ってみる生き方も当然有りの様に思えてきた最終章で紹介されるスタンフォードの学生に送った言葉を読むだけでもこの本は買う価値あり以前ほどギラギラできなくなった人、この本を読んでこの人のパワーを少し分けてもらってはいかがだろうか?【ボウイ】

ジョブスの本は数あれど、入門編として最適な本。ある程度はしょってはあるが、ジョブスを理解する為の基本的な出来事はほぼ網羅してあるし、いろいろ読んだ本の中でも一番簡潔にまとめられていると思います。手っ取り早くジョブスを知りたいという人には最適です。【Ryu】

人生は勉強より「世渡り力」だ! (青春新書INTELLIGENCE 204) / 岡野 雅行 / 青春出版社の口コミ

自分のノウハウに絶対の自信があれば、たとえ相手が大企業でも怯むことはない。本書は成功者にありがちな綺麗でカッコイイ話ではないが、全て本音で書かれた成功への指南書でもある。全てを鵜呑みにするには多少疑問があるが、実際の話なので説得力は十分ある。ベラメエ調の語り口調もいい味出している。岡野さんといると楽しいだろうし、こんな社長と一緒に仕事ができたら従業員もいい仕事ができると思った。コンサルタントの書いた成功本より、よほどためになります。【Shinya】

 中小の会社で働いていると、著者の岡野さんのような気持ちになります。大手企業は常に上から目線で、「お宅の商品を買って上げるよ」「いいだろう言い値で」、見積もりを取って、注文が来て、製造してから「もう少し値段を負けてよ」と後出しジャンケンをしてくる人たちをギャフンと言わせた下りは本当に読んでいてすっきりします。 商売の、製造の基本中の基本です。「いい物を作れば営業はいらない」私もよく話していましたが、痛く無い注射針などはまさしく「いい物」の基本です。 特許を取るときも大手と一緒に取ると言うことは、目から鱗の発想です。大手企業にいじめられているあなたにお勧めの一冊です。【河岸宏和】

岡野さんは、要するに「職人の親玉」である。頑固を地で行く人だ。だから「世渡り力」というタイトルには、はっきり言って違和感を覚えた。しかし「はじめに」に、「世渡り力」ってのは、おべっか使ったり自分だけ得するような薄っぺらいものじゃないよ。「人と情報のマネジメント」って意味だ。とあって、まず納得。そして「オレの言う世渡り力とは……」と、こう続ける。・自分のアイデアとノウハウを守る・「前例がない」盾にとる人を突き放す・ナメてくる相手を返り討ちにする・権威をカサに着てくる人をギャフンと言わせるもちろん、岡野さんはサラリーマンではない。だからこの本で言っていることが誰にでも通じるとはいえないだろう。しかし、「職人」とは、いわば「プロ」の世界だ。プロフェッショナルの生き方を知ることは、たとえ仕事のフィールドが違っても、大いに意味がある。全体が、語り口調で書かれており、一気に読むことができる。気づきの多い一冊だった。【辰巳】

岡野さんの本は本当に面白い。この方の話しを直接聴くチャンスがあったら、ぜひ行って見たいものだ。世渡り力というと、なにやら調子よく、ひょいひょいと進む力という聞こえ方もするが、冒頭でご本人が(要約すると)「そんなものじゃない。人生の機微と、義理人情と、人様に可愛がられ引き上げてもらう総合力だ」とおっしゃっている。仕事が心底好きで、その仕事を通じて培った考えや、人付き合いのノウハウを惜しみなく話してくれる。この本は、すごく腕のいいおじいちゃんが仕事にからむ人生の機微を語ってくれる本だ。とても参考になったし、良い本だった。こういった昔からの洗練された、人のことを考え尊敬している人付き合いの方法って、もっと見直されるべきだと思う。【久保田夏彦】

■ 【下町の人間関係で揉まれ育つ】 東京の下町(墨田区東向島)に生まれ育った著者(08年 現在75歳だが、若々しい)が、親父さんから受継いだ金 型工場で、大企業に出来ない、「無痛注射針」や「携帯 電話電池ケース」を世に生み出している。本人は、幼くし て勉強嫌いというか、周囲の下町特有の人間関係に包 まれ、学歴に拘らずのびのび育てられた環境に有ったよ うです。 ■ 【人に裏切られ騙されるも、スキルを信念に変え】 その結果、著者本人は義理人情に厚く、一方、他人から 騙されるなど、多くのことを人間関係を通じて学び、鍛え られ知恵を身に付けたと思われます。そこで、役に立つ 「情報」、好かれる「人柄」、確実な「PR]、騙されない「防 衛策」、一流から学ぶ「品格」、仕事から生まれる「自信」 などを通じて、『世渡り力』として学歴社会をも凌駕するも のがあることを警鐘しております。 ■ 【高学歴世代の犯罪】 昨今世間を騒がせております「大分教員採用試験汚職」 は言うまでもなく、社保庁不正・官民癒着による不正事 件など、その枚挙にいとまがありません。又、「秋葉原事 件」を始めとする。ネットの闇サイト活用に代表される社 会の閉塞感などには、現代社会の識者達も成す術を 失っている感があります。 ■ 【デジタル世代へのメッセージ】 教育委員会の皆さんは、高学歴であり、社保庁不正・官 民癒着などは、高級官僚と大企業幹部によって引き起こされ ております。又、闇サイトは、人間関係の希薄なデジタ ル世代によって運営活用されております。こんな風に考 えると、本書の著者「岡野 雅行」さんが主張する『世渡 り力』は、お人柄から言っても、極めてアナログであり、 アナログ世代の代表者の弁です。正に、デジタル世代 がなおざりにしていた数々を思い起こさせていただきまし た。 【ブルービーチ】

35歳までに必ずやるべきこと ポケット版—運をつかむ人になれ / 重茂 達 / かんき出版の口コミ

記載内容は至極妥当で全うだと思う。しかしながら、本のタイトルともなっている35歳という年齢に大きな意味はない。本書の1項目に「35歳」が触れられているのみである。私は本書のタイトルから、30歳以上35歳以下のある程度社会経験を積んだ社会人を読者層としていることを期待して読んだ。しかし、内容は20歳でもよく40歳でもよく、誰を対象としてもよいものだった。印象としては、新入社員研修での配布資料として適していると感じた。タイトルが誤解を生みかねないと感じたため星3つとした。【chry】

ルポ貧困大国アメリカ (岩波新書 新赤版 1112) / 堤 未果 / 岩波書店の口コミ

貴重な指摘が多いが、本書は全体として巧みなプロパガンダ(政治的宣伝)である。著者の誘導に軽々しく乗っかって米国を嘲笑する向きが多いのは日本社会にとって危険極まりない。これだけ富の格差が絶望的に大きく、医療に問題を抱えているにも関わらずアメリカの成長率は日本よりも高く、移民の流入によって人口も増え続けている。労働力人口の減少に全く危機感のないどこかの島国よりも遥かに将来性があるのだ。本書は悲惨な貧困層だけに目を向けることによって、アメリカが巧みに最良の資質を持つ意欲的な人材を世界中から集めている事実を隠蔽しようとしている。アジアのトップ層の優秀な学生は大挙してアメリカの大学を目指し、西海岸ではインド系の多くの技術者や経営者が活躍している。また、起業の容易さとチャレンジを容認・評価する文化は我々の遠く及ぶところではない。こうした事情の紹介では小林由美女史の著作の方が遥かに勝っている。超・格差社会アメリカの真実90年代前半のアメリカでの暴動を見て多くの日本人が超大国の斜陽を哀れんでいたが、その後の数年であっと言う間に形勢逆転し、塗炭の苦しみを味わったのは我らが日本であったことを忘れてはならない。アメリカの窮状をいかに嬉々と論じても我々の社会が改善される訳ではないのは明らかであり、我々はアイルランドやイギリスの成長政策から学び、北欧やフランスの再配分政策を真剣に研究しなければならない。経済成長なくして社会保障制度の維持が不可能であることは自明の理である。資本開国論—新たなグローバル化時代の経済戦略フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453)) (集英社新書 (0453))【少子化問題に直面しようとしない日本】

 憲法9条を変えたいと思う人は多い。 しかし本書を読めば「本当にそんなこと言っていいのかね?」という気にきっとなる。 アメリカの富裕層、タカ派、軍産複合体、アメリカのマスコミは(他国を巻き込んで)戦争をしたがっている。 儲かるから・・・。 しかし、彼らは直接戦地では戦わない。  戦いに狩り出され、現地の罪もない「普通の人」を殺し、「普通の人」の目玉をくり抜くのは、これも普通のアメリカ人なのである。 一般人。つまり奨学金のほしい「普通の学生」、子供を育てている「普通の父親」。 彼らは、税金の高騰、学費の高騰、食費の高騰、石油の高騰によって簡単に操作され、貧困に追い詰められ、軍に狩り出される。結果、そうした作業に従事させられた「普通の人」は心のキズを負って帰国して、「普通の仕事」につけなくなって、路上生活をさせられ死んでゆく。国のために戦った愛国者は、帰国して路上で厳寒の中、精神を病み、誰にも見取られず、孤独に死んでゆくのである。 しかし、軍人にもなれない人も出る。 ここが重要である。 彼らは派遣社員になる。 普通のハケン会社に登録するだけである。 派遣社員、彼らはもちろん軍人ではない。 しかし、銃弾飛び交う戦地へ行かされるのである。 その扱いは現地軍人の「奴隷」である。靴も支給されない、砂漠で水も支給されない。 劣化ウラン弾に汚れた水を飲んでも、保障もない。 現地で死んでも、会社の事故で済まされてしまう。そんな派遣社員である。 今、日本で派遣社員。フリーター、非正規労働者が増えたのは、かなり作為的、意図的なのだが、結果どうなるか・・・本書からはリアルに分かる。 それはそれは恐ろしい「SF並の現実」である。  【シャムネコ37】

 本書で紹介されているのは、貧困下が進むアメリカで起こっている事実と、それを利用しようとする企業と政府の現実である。 本書によれば、学校給食に食い込むフードビジネスが、マクドナルドやピザハットなどのファストフードであるため、貧困層の多い公立学校では約半分の子供が肥満児になっている。また、ハリケーンカトリーナの被害を受けたニューオーリンズ地区の住民に対して政府が出した救済策は、とうてい無理に決まっている貧困層に対する政府の土地の払い下げである。このため、富裕層が土地を買って、貯水池や高級コンドミニアムになってきているという。さらに、高額な医療費のために無保険者が5000万人近くに増大し、一方で病院にも市場原理主義が進んでコスト削減が進み、医療過誤も急増しているという。 このような現実をいくつも示した上で、著者がもっとも力を入れているのがイラク戦争に関する部分である。大学に通えない貧困層に奨学金が出るといって食い込む米軍のリクルーター。戦争ビジネスとしてチェイニー副大統領がCEOをしていたハリバートン社に見られるような派遣会社が世界中に網を巡らして、貧困国からイラクに労働者を送り込んでいるという現実。 富裕層と貧困層という二極化が進行している中で、これを民営化を進める政府が戦争に活用しているという、市場原理主義が行き着くところまで行ってしまったアメリカ。 ここに、今日本で進行しつつある民営化と進む格差などの現象が重ね合わされてしまう。エピローグで「消費をやめましょう」とクリスマスシーズンにマンハッタンの玩具店の前で叫ぶ教会の牧師を紹介している。このメッセージが、これからの世界経済への一つの回答を示しているように思えてならない。【takokakuta】

以前からアメリカ人には肥満が多いというイメージがあったが、その原因が貧困であることが衝撃であった。肥満=ジャンクフードの食べすぎと考えていたが、実は、貧困故にジャンクフードしか食べれない環境にあるようである。読み進めていくと、医療、戦争等について書かれているが、その原因が資本主義を追求た結果にであるので驚愕する。【minamoto】

古代ギリシャ・ローマ時代から、政治特権である参政権、市民権等を得るには軍役が必要だったが、アメリカでは今もそれが続いているという現実を紹介した本である。この本を読めば、兵役の義務もなく、学費を稼ぐために自衛隊に入る必要もない現在の日本がいかに恵まれた国であるかがよく分かる。【プルプル】

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891) / 福岡 伸一 / 講談社の口コミ

分子生物学という、魅力的な学問名につられて過去に何冊か本を読み始めたのだが、、チンプンカンプンで投げ出してしまった経験がある。でも、本書は違った。すべてを理解できたとは思えないが、分子生物学者が、どのような思考と意志を持って「生命とは何か」という大テーマに挑んでいるのかよくわかった気がする。また、生命の分子レベルでの動きがこれほどイメージできた本もなかった。しかし、生命現象が分子レベルで、これほどまでに解明されたとはいえ「生命とは何か」という問いには、まだまだ到達できていない。生命現象のしくみが分子レベルでわかったとしてもなぜ、そのしくみが選び取られたのかに関しての解答はあるのだろうか。著者は、それに関して答えていないが、どうお考えなのだろうか。【かんおおやま】

新書でありながら、小説を読んでいるように感じられ、読み始めたら、止まらなかった。DNAの発見に纏わる過程で表舞台に立った人、全く無名のまま亡くなった人がいて、研究を通して語られる人間のドラマが面白かった。【ヤゴゾー】

筆者の文章は洗練されている。また、素人にも大変わかりやすいのに、専門家にとっても読み応えのあるところは、筆者の文章力を感じる。内容は、素人からすると確かに期待していたものと若干違うかもしれないが、ある種の哲学書と考えれば、言わんとするところは理解できるだろう。【leparc】

高校までの教科で特に理科の内容が遅れているというのを聞いたことがあります。高校の生物で染色体とかDNAについて習うけれども、今現在の研究はもっとずっと先をいってる訳で、そこのところ、どやねん?みたいなことについて、決して、本書は答えを出してくれる訳ではありません。ただ、20世紀の半ばくらいの生物の細胞の研究、つまりふた昔くらい前のことを高校レベルの知識で分かるように説明してくれる本で、それでも高校で学んだことよりも先を説明してくれる本、つまり、大学でならうことと高校で習えることの橋渡しをしてくれる本という印象を受けました。また、最近の新書本の、文字が多くて余白が多くて、小一時間もあれば読み終わるような、いまのありがちな新書本と違って、しっかりした読み応えのある好印象の本でした。【朱里九】

生物とは何かという問いに分子生物学者が答えてくれている。高校生物の基礎程度の知識があれば、難なく理解できる内容だ。しかし、この本の最も素晴らしいところは生物学的な内容そのものではなく、著者の洗練された文章力だ。初めの数ページで、NYを訪れた経験の無い読者でも、かつて住人であった著者の記憶するNYの風景の中へ飛び込める。文章に込められた力を感じられる滅多に出会えない一冊だ。【Wanna get high!】

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書 1926) / 河合 太介 / 講談社の口コミ

私もかつて不機嫌な職場を経験したことがあります。みんなただ黙々とパソコンに向かい、仕事のやりとりも連絡事項も席が前であろうが横であろうが関係なく無言で無機的なメールを交わすのみ。社員同士のコミュニケーションは当然悪く、協力もできない、それゆえ、余計に仕事が非効率になっていく。 こんな会社があるという話は聞いたことがあったものの、自分が実際、その環境に入ると正直驚いた。社員の出入りも激しく私も最後までその雰囲気になじむことはできなかった。そのような実態をしりたいという人には非常に参考になる本だと思う。過去にそのような経験のある私がこの本に期待したのは、本の帯にあった、「社内の人間関係を改善する具体的な方法を教えます」であった。しかし、その内容は教科書的なものにすぎず、これでは改善は出来ないなと感じた。この問題の改善は難しいテーマであると思うが、その一つとして私見を述べたい。メールやイントラネットがなかった時代にはこのような不機嫌な職場は少なかったと思う。何か社内の人に連絡するには内線電話で話すか、直接話しに行くしかなかったからだ。三つの伝達方法の違いとメリット・デメリットを啓蒙すると良いと思う。それは、@メールで伝えるべきこと、A電話で話して伝えるべきこと、B直接、会って相手の反応を見ながら伝えるべきこと。この三つの伝達方法は伝えるべき内容にふさわしい、それぞれの明確な違いがある。それを、忙しいとか非効率だとか言って、Bの方法で伝えるべき案件でも、@のメールですべて済ましてしまおうという、一つの常識のような考えが職場がおかしくなるきっかけだと思います。不機嫌な職場で行われているような伝達の仕方を家庭でやったらどうなるか想像してみただけでわかるのではないでしょうか。【21世紀のケインジアン】

ベストセラーとして、気になっていた本書をやっと読みました。読んで真っ先に思ったことは、「ベストセラーになる、ということが、そもそも、ばらばらに解体された、空虚な職場組織という状態の異常さ、汎用性を示しているんですね」ということです。外資系には、”Greate Place to Work”と”Team Work(Collaboration)”というスローガンを重視するところが多い。裏を返せば、ほっておくと、これらがすぐに崩壊していくことを意味している。グローバル化の進展で、米国型の個人主義と成果主義が日本の組織、職場にもはびこり、職場自体は、脱家族主義、脱「お家のため」が急速に進み、単なる機能単位としての個人の集合になりかねない場合が多い。職場だけでなく、実社会での生活においても、Peer-To-Peerが好まれる風潮がありますが、しかし、何かことを成し遂げ、機能面だけでの貢献ではなく、血の通った、感情のこもった「協力」「チームワーク」がないと、空虚で不機嫌になるだけ。本書は、難解な用語を極力排除し、読者に身近に伝わる工夫を随所にいれつつ、「共感力」「協力」そして、会社、職場に限らず、何かへの貢献と感謝という切り口の大切さ、を改めて認識させてくれます。知識資本主義社会、グローバル化の社会を生きていくうえで、一度は読んでおいて損はない、稀有な良書です。【佐倉ごるふ】

本書の題名と表紙の体裁をみたときは、最近良く出ている社会の揚げ足を取った内容の程度と思い、正直さほど期待していなかったのだが、実際読んでみると、社会心理学というアカデミックな視点から職場にはびこるに至った「協力しない関係」のメカニズムをわかりやすく浮き彫りにしており、実際の職場と照らしやすく腑に落ちやすい。またグーグルなどの企業の取り組みはこれらをいかに排除する取り組みであるかを先述の内容と照らして分かりやすく解説している。なかなかの良書でした。【松原団地C49】

現代社会の、なんともいいがたいギスギスした人間関係について社会心理学の知見を借りながら考察された一冊。この本で想定しているのは職場(特に企業)の人間関係だが、友人関係や教師—生徒の関係を考える上でも参考になる点は多い。事例もいくつか具体的なものが書かれているが、第2章で登場する「社会的交換」の概念をしっかり理解できないと、いざ実践の際に困惑してしまうだろう。平易に書かれている分、あっさりと読み飛ばしやすいので注意が必要。あと、この本は知り合いのいる場所では読まないこと。本を持っているだけで、「この人は職場の人間関係に困っている」と誤解されかねないので…。【さぬぅ】

タイトルとだけ読むと、実力主義の歪とか、価値観の推移、コミュニケーション不全といった、最近よく聞くの職場の課題提起かな?と思ってしまいそうですが、分析と対策の展開が新鮮な本でした。社会学的な論理的分析を元に、どうすれば活気のある現場を作り出せるかを考えるための、新しい視点を与えてくれます。まずは、職場の分析。役割構造、組織構造、インセンティブという3つの要素のフレームワークを元に、なぜ職場に活気が無いのか、コミュニケーションが円滑にできないのかを考える。そこから、改善の糸口として「交換」という概念を中心にすえて考えを進めていきます。インセンティブは「交換」によって成り立つが、その交換資源である「認知」が圧倒的に不足している。ネットの世界ではこの認知の交換だけでSNSは盛り上がり、優れたブログの数々が生まれ、Linuxまで動く。一方で、職場の中では自分の仕事以外はやりたくない、協力できないという現象を見ることが多い。———————————————————-  現代は稀にみる認知飢餓社会である。———————————————————-この表現にはやけに納得した。現状を変えるには、まず「認める」ということ。そのための仕組みや場(きっかけ)を作っていくことが、不機嫌な職場を打破するための第一歩だろう。あと、多くの職場で見られる最大の問題は、職場の関係がうまくいかないという悩みを個人の問題ととらえてしまうことである。精神的にダウンしてしまった人をカウンセリングなどに放り投げてしまうという場面を見ることが多いが、「心の専門家はいらない」でも論じられているように、彼らは問題を自分に帰着させることで解決に導いてしまう。これはあくまでも対処療法であり、根本解決にはなってない。———————————————————- 社会交換という観点は以前から論じられていたものの、主な対処法は「個人のコミュニケーション」に限定されていた。これは必要であっても十分ではない。「自分が協力する意図」と、「自分に協力してもらえるニーズ」を、周りのみんなにわかってもらうための方策を皆で実践することである。(3章最終節から抜粋)———————————————————-個人のマネジメントだけの問題ではない。本書でも述べられているように、全員で意識を持って、組織・社会の仕組みの改善に戦略的に望む必要がある。【mnishikawa】

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書) / 勝間 和代 / 光文社の口コミ

金融に対して興味も知識も全くなく、自分とはほとんど関係ないし、むしろ苦手と思っていましたが、この本を通じて少なくとも興味は湧きました。最後の方に、”投資を通じて社会と関わる”というメッセージが意外と響きました。だからといってすぐに投資信託をやってみよう!とは思いませんでしたが、もっともっと勉強して、計画的にお金を管理していこうという気持ちにはなりました。保険も、貯金も、資産購入も、ちゃんと考えながら1つ1つ選択していこうと思います。そう思えるようになっただけでも、私にとっては大きな成果です。【around35】

 「銀行が嫌いなの?」と思い本書を手にし半年経つ。当時は製造系の企業に身を置き社会のお金の流れとその役割や必要性も理解していなかった。その上、日々仕事に明暮れ自分のお金は普通預金に多くが滞留していた。そんな訳で自らの改革の意味で興味深く読ませて頂いた。 今想い返すと自分にとり、その後得た知識のダイジェストであり金融に対する認識のスケルトンを提供頂いた書籍であった。その意味で日頃金融とは縁遠い環境にいる方々にはお勧めの本だ。さらに「「お金」崩壊」「自分年金を5000万円ガッチリ貯める方法—「資産疎開」で老後資金を殖やせ!」等も読むとグローバル金融の課題と危うさも認識出来る。一層、金融リテラシーの向上を図り広い視点で自らと社会の活路を開くしかないことが判る。 個人的にはゼロサム的な相場で稼ぐことは嫌いだが金融はそれも含んだ上で成立ち社会に生きずいているし我々の金融資産の一部がその様な形で活用されている。日頃縁遠い一般人も金融を理解することが批判するにも必要な時代になったのではないか。 蛇足ながら「あなたにも5000万円貯まる信じられない「仕組み」—上地明徳の投資信託ゼミナール積立投資のすすめ」等も本書の要旨を理解する上で良いと思う。【koyoshi】

自己判断での投資経験がない初心者にとって、投資の全体像を駆け足で感じるにはよいのではないか。「駆け足」で「感じる」とわざわざ表現をぼかしているのには訳があって、決してこの一冊を読んだからといって、実際の投資環境の中に入り込むと(たとえば、実際にオンライン証券の取引画面に行き着いたとすると)行動できないであろうと感じるからだ。この本の内容だけでは、投資判断材料となる各種指標の意味は分からないし、投機的商品である商品取引などの内容も分からない。物事には順番があり、系統的な金融の学びを得るにも順番がある。(本書を読んだ上で)さらに投資学習をしていく心構えのある初心者が、今後の「飲み込み」をよくするためにおおよその全体像をつかみたい…という目的であれば、表現や言葉使いが分かりやすいといえるのではないかと思う。まさに、本書の副題として「金融リテラシーの基本」とあるように、心構えの方向性を学ぶには良書である。【みち@僕はお金の先生】

ごてごてかいてごまかしてるけど浅いなあ・・・短期間のサラリーマンファンドマネージャーだからかなあ。このお陰でマネー雑誌に出られている著者としては、まんまと企てが成就したわけですね。投資信託が儲けの8割を手数料として巻き上げることが書いてある最近の金持ち父さんの本のほうがためになるわ。投資信託なんて、手数料と税金考えたら、貯金にも劣るんじゃない?【ppssi】

投資の在り方に社会を変えうる可能性がある、といった視点が大変参考になった。NPOなど第3セクターが、政府よりも民間の生活を向上させうる可能性として、企業の義務を納税から寄付などにシフトさせてゆく流れに興味があったため、SRIという社会的責任投資は考え方として、非常に近いものがあると感じた。民間が良質な経済のあり方について考えるとき、できうることは限られている。しかし、その小さな可能性に興味をもち、実行してゆくのは、政府や企業だけでなく、それらのミクロでもある個人が関心を示してゆくことで、より現実的なものになるのではないかと思えた。ただ、本書の主軸におかれている1つの要点として、金融のリテラシーを育てるため、小・中学生からのカリキュラムの導入が、必要なのではないか、といったくだりには疑問を感じる。本書の「おわりに」にもあった、金融の知識を得た小学生が、外国の金融市場で働きたいと語った、とのエピソードがほほえましく描かれているが、下手をすれば幼少の頃より、お金儲けや、蓄財ばかりに気が向き、人生の選択肢が偏ってしまうのではないかとの懸念も生まれる。かつてとは違い、現代はイメージの上でも公務員などの安定的な職業をよしとするほど、将来に不安があり、希望がもちにくくなっている。その中で、将来的な安定や安全をうたう、金融リテラシーに希望や保身をもとめてしまうのは、本来的な教育の姿ではないのではないか、と思えてならない。【まのの】

<勝負脳>の鍛え方 (講談社現代新書) / 林 成之 / 講談社の口コミ

「勝負脳」という言葉を筆者の林氏は自分の造語だと言っているが、この言葉は外国のカジノの世界では何十年も前から当たり前のように用いられている言葉であって林氏の造語では決してない。たんに彼が知らなかっただけの話であって、自分のいる世界で自分がたまたま初めて使ったことでそれをあたかも自分で造語したように言われるのはどうかと首を傾げる。 彼は医者なので言葉の使い方への厳しさも持っているとは思うが、そうした点が数カ所で気になってしまったせいで、氏の本題の主張に対しても、そうした甘さがあるのではないかと想像してしまい、残念な気持ちを持った。 ただし、内容に関しては納得できる部分が多かった。【えどもん】

脳の働きについて、非常に詳しく説明してあります。実例も豊富で、特にオリンピック選手を例に取ったものが多く、とてもわかりやすいです。また脳の働きだけにとどまらず、人間そのもののメカニズムが紹介されているといってもよいでしょう。ゴルフをされている方にも、とても参考になる部分があります。【常夏】

 「脳低温蘇生法」がTVでも取り上げられ、私が書評(「脳治療革命の朝」)でも大絶賛した日本大学の林成之元日大教授の著作物である。 本書は、医療ドキュメントと言うより、長い治療歴を通じて得られた彼なりの「脳」に対する認識である。 ラマ・チャンドランや茂木健一郎といった脳科学者とは異質なセンスで書かれている。 興味深いと思ったのは、脳の疲労回復に関する記述で、脳の「疲労」は体の疲労と違って簡単に回復しないとある。 脳の疲労のサインは、何をするにも億劫だとか鬱的なものだけでなく、否定的な言葉が浮かぶとか、集中力が続かないという症状?で示される。 脳が疲労すると手足の微妙な動きが制御できなくなるとのことだ。 この原因は、神経伝達物質のドーパミンが、ストレスで発生する活性酸素の影響を受けやすいことによるという。 仕事をやり残したり、疑問を先送りする人は常にストレスを抱えた状態になるので好ましくないという。  なんと疲労解除の命令を出す機能もまた脳は持っていると言うことで、前頭眼窩野の機能を高めるために好きな匂いを嗅ぎながら楽しい話をすればいいとのことである。 逆に言えば、楽しい話ができる相手がいないと脳の疲労回復は難しいと言うことになる。【lexusboy】

神経科学の話はかなりトンデモ系.海馬と扁桃核が通常のCTで映らないほど小さいとか,これらの部位が植物状態では欠損するとか.目がテンになる.心理学の話はかなりオリジナル.知能にしても記憶にしても,既存の理論をまったく参照せず,直感を根拠に独自の理論を作り上げている.独創性には感服する.【pcat】

「脳」を理解するにはとても簡単に記述されているので、ちょっと不安にはなりますが、スポーツへ脳科学を生かそうと思えば、この新書の内容は素晴らしく簡潔だし、理解し易い。200ページに満たない分量も忙しい方々には良いのでは!?巷にあるスポーツ心理学に関する文献よりもはるかに読む価値があるし、著者のスポーツをやる人達全てに対する渾身の一冊ではないでしょうか・・・【Zero Cool】

脳と気持ちの整理術—意欲・実行・解決力を高める (生活人新書 250) / 築山 節 / 日本放送出版協会の口コミ

問題解決を行う上での生産性、集中力の持続時間など、仕事やプライベートでの「自分のパフォーマンス」について、伸び悩みを感じていました。感情と思考の切り離し、難題を少しずつ着手しながら解きほぐしていく方法など、今まで漠然と取り組んでいた日々の仕事に大きなヒントをもらった気がしています。自分をせめず、開き直って仕事をした方が、難しい問題も前向きに解決できるんだ、という気づきもいただき、少しだけ自信も回復しました。【しーよん】

私が本書を購入した目的は、感情と論理を上手く切り分け、業務での効率・集中力を向上するためでした。題名に惹かれて購入しました。結論から書くと、すぐにでも実践に移せる具体的で簡単なテクニック満載の良書であり、目的に合致していました。本書では章を次の5つの場面に分けています:1.前向きな自分をつくる2.思考整理し計画・実行力を高める3.記憶を強化する4.アイデアを生み出す5.気持ちを整理する上記それぞれの場面について、脳の特徴を根拠にした具体的な対処法・実践法が記されています。どれも簡単に書いており、いろんな仕事の場面に応用が効く汎用性があります。早速今日から仕事の仕方に適用できるものがいくつもあります。ということで、とてもよい買い物をしました。「いかに実践に移せるものがあるか」が私の本の評価基準ですので、これは星5つです。【ubmba04jp1】

医師ということもあり、理論には説得力があります。記憶のメカニズムなどは、よく知られているノウハウが書かれていましたが、それでもよくまとまっており、記憶の基本が学べる書だと思います。また、様々な文献の引用など、著者は本当に勤勉な方なのだなと再確認しました。内容的は、一般的ですが、説得力とやわらかいタッチの文章が非常によいと感じました。『脳が冴える15の習慣—記憶・集中・思考力を高める』や『フリーズする脳—思考が止まる、言葉に詰まる』なども読ませていただきましたが、それに並ぶ良書だと思います。【常夏】

実践という面だけでいうと、ほかの本にも書いてあることだが、「脳」の観点から理論づけて書かれているので、「なるほどぉ〜」と納得できるものが多かった。全体的な読みやすさも「理論と実践」がはっきり書かれていることから、きているのだろう。実践していきたいな、と感じた点は…・自分本位は脳の観点からいうと苦である。・自分は「毎日の私」の管理者である。・キーワード化で読み進める読書の仕方。理論と実践がしっかりとつながっていて、明日からでも試していきたいと思う。特に「キーワード…」の部分は、読書後、どのようにまとめていってよいか迷っていたところなので、とても役に立った。自分自身が、追い込まれているような感覚に覚えがあったので、書かれていることの大切さがよくわかった。実践しながら脳への負担を減らしていけたら…と思う。【あおせん】

前著「脳が冴える15の習慣」の出来がよかっただけに残念。脳神経外科医としての特殊な経験を生かしていないと思う。ビジネス書としてはいいけど、ビジネスマンでない私にはあまり役に立たないです。2匹目のどじょうを狙った出版社が悪い。「脳が冴える15の習慣」のほうは5つ星です。万人向けの書。【はみだし】

解剖学はおもしろい—死体からDNAまでの秘密 (プレイブックス・インテリジェンス) / 上野 正彦 / 青春出版社の口コミ

 監察医の上野さんが、看護専門学校の講義を行った時の話を纏めた本です。看護学校の講義の時に学生の興味を引きつけ、注目を集めないと講義はなりたたないので、だらだらと教科書に沿って講義をしていてはいけないと思い魅力のある内容にしようと話した講義の内容がこの本の基本です。 患者の取り違い、腎臓などの摘出手術などの時に、患者自身が、悪い方の腎臓をマジックインクなどで丸をつけて、摘出手術の時に、悪くない方の、腎臓を摘出することを防いだ方がいいなどと言った、上野さん独特のアイデアも多く詰まっています。 電車の中で読む時にお勧めです。【河岸宏和】

 身体の器官とその役割を著者の体験した事件を交えて平易なやさしい文章で興味深く解説してあります。 図が少ないのに解りやすく、解剖学など縁もない私も楽しく読みました。とくに印象に残ったのは 「甲状腺ホルモンと副腎皮質ホルモン以外のホルモンは消化液に弱いので、動物の睾丸などを食べ、ホルモンとしての効果を期待するのは無理」という話です。 笑ってしまいました。【佐藤さえ】

下流大学が日本を滅ぼす! (ベスト新書 192) / 三浦 展 / ベストセラーズの口コミ

おなじみ下流社会論の大学版といった本。内容はよくありがちな通俗的な若者(とその親)批判である。最近の大学生は勉強しないとか、ゆとり教育が悪いとか、最近の若者は酒を飲まないけしからん…など、『若者論を疑え』の後藤和智氏に叩かれそうな内容である。あとがきで「実証研究ではないし、学問的論文でもないので、裏付けが不足していたり、推論や伝聞が多かったりする」という旨のことを言っているが、そういう逃げ道を作るのは卑怯な気がする。【ミナ・ティ】

ズバリ読むに値しない。よく学生論文のコピペが問題になることがあるが、この本も、はっきり言って似たり寄ったりの印象。ほとんどすべて匿名の何々大学の○教授という感じで文章に説得力が無い。下流というか、叩ければ何でもOKという感じ。半分読んだところで、あとはパラパラめくった程度。出発地の駅で買って、到着地の駅のゴミ箱へ直行した。「下流作家」が日本文化を滅ぼす、と付け加えよう。【ドラゴンツービート】

大学進学率が約50%になりさすがに大学の大衆化が行き過ぎたと思う。本書に出てくる馬鹿学生の実例は知的好奇心や学習意欲がないだけで馬鹿ではないが、やはり大学には本来行くべきではなかった人間だと思う。著者の提言では大学進学率を20%程度にするというものだが、大学での専門知識が必要な仕事を目指す人か知的好奇心が強く学者を目指す人だけが進学すべきだと思う。また奨学金は成績優秀な人に限るべきだ。そう考えると10%以下の進学率でいいのではないか。大企業が大学新卒の採用にこだわるのをやめれば大きく変わってくると思うが。文科省は偏差値50以下の大学への助成金は一切廃止すべきだ。(税金の無駄遣いである)【シンジロウ】

採用担当として問題意識を持っていたところだったので購入しました。あとがきに「実証研究ではないし、学問的論文でもないので、裏付けが不足していたり、推論や伝聞が多かったりする」などと書いているのを読んでガクっとしました。印象論中心でノリで書いている感じがします。奨学金の使い道の項でも極端な例ばかりを取り上げているがこういったケースは以前からもあったのではないか?世代を代表するケースではないだろう? と、思ってしまいました。おっさんが安易に若者を叩いて溜飲を下げる居酒屋談義レベルの内容が多く、スルー力を発揮しねばなりません。入試制度の問題や企業人事部の意見など有用なところもありました。もう少し、実証的で丁寧な論考を読みたかったです。学術的な問題的としてこちらも併せて読むと解毒されます。http://www.gakuryoku.gakken.co.jp/pdf/articles/204/1975/1975685/0701_p02-05.pdf【キクチャン】

まず、この著者のうつ病に対する見識の低さに唖然とした。現代では脳の病気と広く認識されているうつ病だが、ここでは、うつの増加=若者の軟弱化という形で書かれている。こういう年寄りが上司だとうつ病を患った部下達は理解を得られず大いに苦労するのだろう。他の点も含め、私にとっては読むに耐えない一冊だった。【U】

ニッポンの評判—世界17カ国最新レポート (新潮新書 276) / 新潮社の口コミ

本書は、概ねニッポンのいい評判についてリポートしており、読んでいて悪い気はしません。かつては日本を象徴するフジヤマ、ゲイシャ、スキヤキしか覚えてもらえなかったエキゾチックな国、ジャパンは、いつのまにか技術立国、経済大国としてグローバルに発展し、高品質な製品が世界に知られるようになってきました。今では、アニメ、マンガ、ゲームが一世風靡し、オタク文化の発祥地としてサブカルチャー系が世界中で評価されているようです。短編で綴られた各国からのリポートなため、深く突っ込んだ形での論述はありませんが、エッセンスは十分に含まれているものと思います。読みやすくまとめられており、諸外国がニッポンをどのように見ているのか一目して現況を把握することができます。謙虚なニッポンですから国際政治色が少し弱く、それを補間するように、民間での文化交流面で静寂に認知度を高め、印象深い国をアピールしていきたいですね。こういった本をドキュメンタリーに発展していき、住んでみた諸外国事情などを絡めて、各国がニッポンという国をどう思っているのかを掘り下げた展開ができることを期待しています。【happybear0823】

20〜30年前までは欧米人の日本のイメージは「ハラキリ、ゲイシャ、フジヤマ」に代表されるように未知な部分が多く、最先端の電化製品を持っている一方着物を着て日本刀をさしている姿が描写されることもありました。さすがに今ではインターネット時代になり最新の情報が取得できる環境になったことや、日本のアニメ文化の影響もあり、日本は欧米人にとって未知な国ではなくなっています。そして本書の多くの人々が書いているように日本や日本人は憧れや尊敬の眼差しで見られていることも確かだと思います。日本では中国や韓国が戦後の賠償問題でバッシングしているというニュースが多く聞かれますが、このような感情を持っているのはこの二国だけで、戦時中に日本軍が占領した東南アジア地域を含めて、多くの国が日本に対して親しみと憧れをもっています。そのことを日本人はもっと誇りに思うべきだと思いますし、自信を持つべきだと思います。皆さんも本書を読んでもっともっと自信を持ってください!【平和】

南洋争覇戦 1—鋼鉄の海嘯 (1) (C・Novels 55-58) / 横山 信義 / 中央公論新社の口コミ

 前巻の最後で幕を開けた対米戦は、米軍の攻勢を迎え撃つ日本軍という形でまず推移する。フィリピンからのB-17、そして米機動部隊と米水上部隊主力というトライデント(三つ叉の槍)の穂先を迎え撃つ日本軍は、対ソ戦を通じて得られた陸海軍の協調体制と、史実の紫電改を彷彿とさせる15試艦戦、そして大和を含む水上部隊という陣容である。 航空戦、水上戦闘、そして後方ときちんと押さえるべき所は押さえているのは流石はこの分野の大御所と言える。 全体としては、米軍側が奇をてらった作戦というのが少し気になったが、英が戦争から脱落し、ソが身動きが取れない状況での対米戦が如何なる推移を辿るのか、強化されたドイツ海軍や戦訓を反映した日本側の架空兵器などを含めて今後の展開に期待したい。【dohkura】

iPS細胞 世紀の発見が医療を変える (平凡社新書 431) / 八代 嘉美 / 平凡社の口コミ

最近話題のiPS(induced Pluripotent Stem)細胞について、一般読者向けに解説した本。まずはES(Embryo Stem)細胞の説明から入る。「Embryo=胚」なので、ES細胞の多能性と倫理上の問題性が容易に理解出来る。ここで”多能性”と称しているのは、ES細胞の分化能が受精卵の”万能性”より一段落ちるからである。また、ES細胞には免疫による拒絶反応があると言う。前四章の説明は一般読者を意識して確かに丁寧なのだが、iPS細胞の解説の前段階としては冗長過ぎるように思われる。ES細胞を含む幹(Stem)細胞の説明に終始しているのだ。幹細胞が分化・増殖によって細胞を再生させる機能があると言えば済む話である。第五章は近年の研究状況の説明。第六章でやっとiPS細胞の解説に入る。まず、山中教授による、ES細胞のみが持っているタンパク質を解析すると言うアプローチが紹介される。そして、分化を維持する遺伝子”Nanog”の発見及びES細胞の機能の本質に係る4つの遺伝子(山中ファクター)の特定。更に、Nanogと山中ファクターの組み合わせによるiPS細胞の誕生。日本人科学者による発見と言う事もあり、この辺はもっと詳細かつドラマティックに語って欲しかった。本書の記述は淡白過ぎる。第七、八章ではiPS細胞を中心とした再生医療の課題・展望が示される。最終章で著者の生命観・科学観が語られるが、科学オリエンテッドで幼い印象を受ける。題名の割にはiPS細胞の記述が少なく(意図的とも思える)不満が残るが、”分かり易く”と言う意図は伝わって来る。巻末に索引が付いているのも親切。かろうじてiPS細胞の入門書と言えるレベルか。【紫陽花】

筒井康隆推薦、の文字に釣られて購入。 再生医療というか、『幹細胞』の知識の整理が前半を占めているので、これまで出ているような単なる『iPS細胞』の啓蒙本と思って読むと調子が狂う。しかし、私のように専門家ではない人間が知りたい知識がきちんと整理されているので、これまで新聞に登場した再生医療の話題がなんだったのかが理解できたのはよかった。もちろんiPS細胞の話はきっちりと書かれているので、タイトルに惹かれて買っても損はないのではないだろうか。 特筆すべきは終章で、iPS細胞が単なる医療技術の枠組みを超えて、社会の意識をどう変えていくのか、SFの力を借りて考察していて、なるほどそうかと気づかされた。すでに筆者はどこかで書いているのかもしれないが、この部分をもっと膨らませた文章を読んでみたいと思う。 『生物と無生物のあいだ』は生命のビジョンを教えてくれたという点で非常に面白かったが、本著はところによってはそれを越える面白さすら感じた。筒井氏の推薦の言葉は伊達ではない。 【アリソン】

iPS細胞についてなんの予備知識もないままでしたが、かろうじて覚えている程度の高校時代の生物の知識で理解できました。ES細胞とiPS細胞の違い、そしてこれからの医療への影響、早めにiPS細胞について知識を入れることができてよかったです。終章は作者さんの意見が出ていて特によかった!【ハイシー】

 2006年のマウスの細胞での成功に続き、2007年11月に発表されたヒトの皮膚細胞からiPS細胞の樹立に成功したことは、世界中の生命科学の研究者に衝撃を与えたわけだが、それを示すように、ここ最近、“iPS細胞関連書”が相次いで発行されており、本書もその一冊といえる。 ただし、他のiPS細胞関連書がiPS細胞を中心に論じているのに対して、本書は幹細胞研究の全容をおさらいするようにまとめており、iPS細胞樹立の話題が紹介されるのは後半以降になっている。それだけに幹細胞研究を再認識するためには良い本だが、肝心のiPS細胞の紹介にはいささか疑問を感じてしまう。 例えば、iPS細胞の樹立に成功した山中伸弥・京都大学教授が、ES細胞が多分化能を維持していられる要素(タンパク質)を探す下りなどは曖昧に書かれている。難解になってはいけないという配慮なのかもしれないが、何をしているのかが十分に説明されておらず、余計にわかりにくくなっているようにも思える。 また、ES細胞が多分化能を維持している要素の一つとしてNanogを詳しく紹介しているのに、実際にiPS細胞の樹立に使われた4遺伝子(山中ファクター)がいったいなんなのかはまったく触れていない。知っている人が読めばいいが、知らなければ、Nanogが山中ファクターの一つだと思われてしまうのではないだろうか。 さらに、その後の下りで、ヒトiPS細胞の樹立に関してウィスコンシン大のトムソンが用いた4遺伝子との違いが触れられているのだが、それぞれどんな遺伝子を使ったのかが明記されていないので、「何がどう違うのか?」と疑問が残ってしまう。 遺伝子の名称は記号みたいなものなので、一般読者に対しても読みやすいものを・・・という考えから遺伝子の名称の列記が避けられたのかもしれないが、肝心の遺伝子が紹介されていないために、逆にわかりにくくしてしまっているようにも感じられた。【理科系読者】

 ニュース等でも盛んに報道されており、iPS細胞についてもっと知りたいと思って読んでみた。出てくる用語が専門的でやや難しい感があるが、素人にも分かるよう極限にまで噛み砕いて書かれている。 一言「研究者っていうのは、ものすごいことをやっているのだなあ」と感じた。 この研究で救われる人々がたくさんいるので、是非とも研究を進めていってほしい。【aaa0042】

孤宿の人 (下) (新人物ノベルス) (新人物ノベルス) (新人物ノベルス) / 宮部 みゆき / 新人物往来社の口コミ

宮部みゆきさんのどの作品も、読書好きのだれでもが舌を巻く絶妙な描写と表現力を持ち、様々に交錯する感情の中から、人のもつ愛情、まっすぐなこころを浮きだたせる点においては、この作品もまったくひけを取りません。そして、この作品の新しさは、宮部さんの得意とする江戸の下町を離れて、美しい海と山道のある地方へと舞台を変え、庶民の生活やこころの繊細なひだを写し取ると同時に、身分ある人々の様相や、こころの葛藤も描いているところでしょう。庶民と武家の人間の描写においては、その言葉遣いから、立ち居振る舞いといった細微にわたり、一人一人の個性を鮮やかに映し出していきます。その対照的な身分にいるものが、主人公である幼い少女ほうによって、関わりを持つ事を見る事ができるのがこの作品の極めて精巧な面白さでもあります。ほうが幼いうちから過酷な人生に翻弄されながらも懸命に生きてゆく姿と同時に、まっすぐで素直なこころが彼女に絶大な強さを与えている事にも感動しました。元幕臣と、ほうがともに過ごすことなどあり得ない事が宮部みゆきによって、可能となり、そのシーンは余りにエキサイティングでスリリングで、そしていつの間にか、物語の仲にすっかり引き込まれて、私も今夜は、山間の空気の静けさや凄まじい落雷のを感じた気がします。その凄まじい落雷と、その後の海に囲まれた穏やかさが、この物語の高揚と日常の部分を象徴するかのようであり、それはまた、人の人生の上り下りの激しさを暗示しているようでもあるのです。【CheyneWalk】

宮部みゆきさんの歴史物は全て読んでいます。この作品は、私にとっては待ちに待ったご本でしたが、やっぱり宮部さんでした。登場する人間全てに愛着を感じ、また今回登場の子供『ほう』も、何とも言えない透明感と愛おしさ、大切に読み進みたい強い意識を持ちました。肩肘張らずにその時代に溶け込んでいける、そこに自分の目をおいて読み進める自然感と優しさが好きです。【ぴろりん】

宮部みゆきさんらしく、主人公「ほう」だけの視点だけではなく、周りの人々からの視点も描かれており、読むほどにぐいぐい引き込まれていきました。ミステリーではあるものの、「ほう」とそれを取り巻く人々との心温まる交流に、結末は切なくなり泣けてしまいます。また宮部みゆきさんの別の時代物を読んでみたいと思いました。【兎】

さすがは宮部さん。何を書いてもいい話に仕上がっている。最初は結構つまらないなーと思ってたけど、なんだかんだいってこの大長編を読ませる力、しかもあのラストやっぱうまいわこの人は。ラジオのドラマがやってたの知らんかったけど…。【のん】

閉塞経済—金融資本主義のゆくえ (ちくま新書 (729)) / 金子 勝 / 筑摩書房の口コミ

そういう意味では、大風呂敷を広げすぎなのでしょう。新しい経済学の呈示や現在の危機への答えはここにはありません。そんなものを現在の経済学者に期待するのは愚者の行為です。ここにあるのは経済学への断罪です。現代のというより新古典派以来の経済学のアプローチやモデルが本質的に内在させている仕組みや考え方そのものが、問題を作り出し、増幅させ、問題の解決を妨げる桎梏となっている状況がこれでもかと例示されます。経済学は科学の「装い」をまとったドグマや呪文(voodoo science)なのです。しかし、ただのドグマも精緻に制度化され、信者がこれだけ多くなるとそれを無視しては、社会は進みません。ドグマや呪文の創造的な解釈や修正も、大枠を踏み外さない中で行われ実験(ゲームの理論やインセンティヴ論)に移される限りは、その存在は許されその失敗も許容されますが、経済学の本質(王様は裸だ)自体を暴露してしまう異端は、決して許されません。著者が繰り返し指摘する新古典派とマルクス主義との驚くべき相似形も振り返ってみるとそのとおりです。前者は「市場の自由」に任せれば国家の介入のない永遠の千年王国が誕生するという呪文で、後者は、史的唯物論の下では、歴史の法則は前もって決められているので、労働者は何もしなくてもその先には国家・階級のない社会が待ち受けているという解釈もありうるわけですから。両方共に呪文なんです。戦前は、後者のドグマのお勉強にドイツ語の辞書を片手に専心し、戦後は、アメリカの洗脳プログラムの下でアメリカに留学したというわけです。どちらも、分析の道具やアプローチの背後に隠れて潜む「驚くべきキリスト教的世界観」の異質さに気付くことはなく、日本の制度の背後に潜む歴史的現実の綾を考えることなく、大きな社会的な実験に「幼児」のように熱中してきたのが、日本の「エリート」というわけです。結果として生まれた日本の現実が、どうしようもない矛盾をはらみ、多数の「無知な」日本人に取り返しのつかない被害(戦前は大東亜共栄圏、戦後は構造改革、の後の焼け野原)を与えることになるというのは、日本の宿命なのでしょうか。【recluse】

 著者はサブプライム問題や日本のバブルの分析をして、「これまでの経済学では解決できない」と大上段に構えてるんですけど(結構他者を批判して)、最後にその解決策として新しい経済理論を出すのでもなく、教育を充実させよう、環境ビジネスを中心にやっていこう、国民年金の問題を解決しようなどという、すごく個別の、ちょっとちんぷんかんぷんな方向の話で終わってしまっています。それぞれの主張はいいと思うんですけど、最初の命題に対しての答えにはなってないと思うんだけどなあ。前半と後半が全然つながってないんですよね。  文章も重なってる部分が多くて、編集者の人もちゃんと仕事をやってなくて、新書だからってすぐに本にしちゃった感じ。ちくま新書は割としっかりしたものが多いのに非常に残念。【kenji.k】

「私はうつ」と言いたがる人たち (PHP新書 534) / 香山 リカ / PHP研究所の口コミ

現代病と言われるまでになったうつ病。最近では朝青龍や安倍首相をとりあげ、また会社では、うつ病の診断書を提出して休職している人と休職した人の分の仕事も負担させられて過労からうつになる人。うつ病セレブとうつ病難民。対称化して表現されているところがおもしろかったです。【ありんこ】

 私も5年前からうつになり,現在3回目の休職中である。3回も休職すると上司から「休むくらいなら辞めろ。」と言われ身の置き所のない思いをしているので,うつを理由に休みながら旅行や転職活動などをしている人がたくさんいるのは不愉快である。 うつ病やメンタルヘルスの問題が近年ようやく一般の企業や官公庁にも認識されてきた昨今であるが,本書にあるとおり本当の意味での理解は専門家である医師にも判断が困難なところであり,それを逆手にとってうつを既得権益のごとく振りかざす「ごね得」は許されない。本当に苦しんでる人たちはたくさんいるのだ。 本書は,現在の社会病理を鋭く考察した読む価値のある一冊である。【念仏の鉄】

 私の身の回りでもうつの方が増えてきました。きちんと病院に行ってうつと診断された方もいますし、安倍首相の様に突然仕事を放り投げた方もいます。 著者によると、診断書さえあれば世の中は休み易くなったと有りますが、現役で働いている人たちはそう簡単に「うつ」の診断書があっても休めないと思います。 「オレだって落ち込む事があるんだ」、「うつなんて気合いが足りないんだ」と思っている上司の方はまだまだ多いと思います。 うつは風邪の様に誰でも罹る事があって、きちんと休めば直ると言うことをテレビに出ることの多い著者にもっともっと世間に伝えてもらいたい物です。【河岸宏和】

タイトルから察すると「うつ」でもないのに「うつ」と偽っている人たちを批判したような内容のように映りますが、決してそうではありません。この本を読んで感じたのは、急増する「うつ病」患者に、お医者さんもかなり戸惑っているのではないか、ということです。最近の「うつ」は、会社を休んで気分転換と称して海外旅行に行ったりする「うつセレブ」という状況がある一方で、うつ病即退職という現実もあります。精神科の医者からみても「うつ」というのは判断がつきづらく対応に苦慮していることが伺えます。パーソナリティーとして「うつ」を自称している人もいるのではないか、ということも言えるのですが、判断がつきかねているように受け取れました。「うつ病」に関する事実と、臨床医としての意見をあわせて提示し、今の世の中の歪みを提示されているように思えました。激増するうつ病の背後にある問題点が鳥瞰できると思います。【街道を行く】

私は香山センセイの本は全体的にうさんくさいと思ってたのですが、これは比較的アタリの一冊です。「うつ病セレブ」と「うつ病難民」、うつ罹病者の間にも格差が!というのが衝撃的でした。うつと診断されて安心する人と、がっかりする人、臨床の現場ではどちらも確かにいるかと思います。そして、うつの診断をたてに遊び回る人、逆に何の意欲もわかずふさぎ込む人、これもいると思います。うつに関する本は数あれど、この辺を突っ込んだ本はなかなかないんじゃないですかね。ただ、本書の怖いところは、本当にうつに苦しんでいる人に対して、「どうせこいつも『うつ病セレブ』なんだろ」という偏見が広まりかねないことです。私もうつ回復期に「魔法の紙(診断書)出してたらずっと休めるんでしょ? いいなぁ」などと心無い言葉をかけられ、非常に不快感を覚えた記憶があります。そういうところへの配慮が足りないと感じたので、星4つとさせていただきました。とはいえ、ある程度うつを知る人には興味深い本ではあります。まあ気が向けば読んでもいいと思います。【J. G. Yu】

名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366) (光文社新書 366) / 中野京子 / 光文社の口コミ

ハプスブルク家についてはほとんど無知なのですが、著者の『怖い絵』が面白かったので読んでみました。最近、面白い新書が少ないなぁと思ってましたが、この本は良かったです。僅か200ページほどの本ですが、内容はとても濃く、ハプスブルク家650年の歴史を体験したような気分になりました。絵で歴史を辿っていくと、とてもドラマティックに感じます。名画の威力と中野京子さんの筆力はすごいですね。逃れられない血の運命ともいうべきものが、各章から伝わってきます。読み易いし、面白いし、入門書としても最適だと思います。【入市税関&蛇使い】

 相変わらずこの著者の絵画のセレクトの良さと、絵を文章で描くかのようなディスクリプションの巧みさでグイグイ読ませます。  ベースに12枚の名画を置き、ハプスブルク家の勃興から滅亡まで、主要人物をたどりわかりやすく、かつドラマティックに描かれています。運命の皮肉、歴史の非情、人の運・不運が、肉薄してきてのめり込むように一気に読めました。 エピソードの抽出や切り口もうまいんだな、これが。まさに「細部に神やどる」です。絶対オススメ。【しげ】

 ハプスブルク家のそもそもの起源から始まって、一族が歴代神聖ローマ帝国の皇帝になっていくさまを「序章」で簡単に紹介している。これが実にいい。 長ったらしい西洋史とかハプスブルクの専門書を読むまでもなく、本書の数ページを読むだけで、アマチュア西洋史ファン、アマチュア西洋絵画ファンにはこれで充分である。 また、冒頭の簡単な「ハプスブルク家系図」が巧くまとまっていて、これまたなかなかいい。 オーストリア・ハプスブルクとスペイン・ハプスブルクを分けて、それぞれ所縁の人物を描いた絵画6作品ずつと画家を紹介している。 スペイン・ハプスブルク家の歴史は1500年生まれのカール五世に始まり、1700年に死亡した「呪われた子」カルロス二世までのちょうど200年の歴史。 それにしてもハプスブルクというヨーロッパの名家は、実に様々な人物を生む。スペイン系は「青い血」の血統を重視しすぎ、血が濃くなってしまったがゆえに、滅んでしまった、その過程を如実に絵画に表現する画家もすごいが、これを描かせた皇帝自身も実に変ではないか。 中野の書く美術書・歴史書は実に読みやすく、その文章力は「怖い画」「怖い画2」で既に十分に評価されているところである。よく売れているこの2冊と読み比べてみるのも面白いが、マリー・アントワネット周辺で同じ著者の「危険な世界史」と内容的にカブっているのは、若干興醒めではある。【ヒデボン】

 本書を彩る美しいアクセントとして大きく取り上げられた絵画は、次の十二点。◆アルブレヒト・デューラー『マクシミリアン一世』(1519)◆フランシスコ・プラディーリャ『狂女フアナ』(1877)◆ティツィアーノ・ヴィチェリオ『カール五世騎馬像』(1548)◆ティツィアーノ・ヴィチェリオ『軍服姿のフェリペ皇太子』(1551頃)◆エル・グレコ『オルガス伯の埋葬』(1586頃)◆ディエゴ・ベラスケス『ラス・メニーナス』(1656)◆ジュゼッペ・アルチンボルド『ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世』(1591頃)◆アドルフ・メンツェル『フリードリヒ大王のフルート・コンサート』(1852)◆エリザベート・ヴィジェ=ルブラン『マリー・アントワネットと子どもたち』(1787)◆トーマス・ローレンス『ローマ王(ライヒシュタット公)』(1818〜1819)◆フランツ・クサーヴァー・ヴィンターハルター『エリザベート皇后』(1865)※表紙・帯の絵は、この一部分◆エドゥアール・マネ『マクシミリアンの処刑』(1868) 血なまぐさい政争と陰謀。血族結婚による、異様なまでに濃縮された血の呪い。運命的な政略結婚の裏に、黒々と広がる深い闇。ハプスブルク王朝六百五十年の栄枯盛衰の歴史の陰で、そうした負のスパイラルに翻弄された人たち。フェリペ二世、マリー・アントワネット、ライヒシュタット公、エリザベート、マクシミリアン etc.etc. 彼らの悲劇的な人生が、目の前に彷彿と浮かび上がり、廻り燈籠のごとく展開する妙味が、本書にはありました。 頁をひもといていくうちに、いつしか、光と翳に満ちたハプスブルク王朝の歴史のタペストリーに絡めとられ、くらくらと眩暈する心持ちになっていましたね。流石、『怖い絵』『危険な世界史』の著者だけのことはあります。読んでいて、ぞくぞくしてきました。【風】