‘文庫週間ランキング’ カテゴリーのアーカイブ

【文庫】週間ランキング2009年02月09日 付集計分

2009 年 2 月 5 日 木曜日
ジェネラル・ルージュの凱旋 上

【1位】ジェネラル・ルージュの凱旋 上 / 海堂尊 / 宝島社

ジェネラル・ルージュの凱旋 下

【2位】ジェネラル・ルージュの凱旋 下 / 海堂尊 / 宝島社

ラスト・イニング

【3位】ラスト・イニング / あさのあつこ / 角川グループパブリッシング

風の墓碑銘(エピタフ) 上

【4位】風の墓碑銘(エピタフ) 上 / 乃南アサ / 新潮社

風の墓碑銘(エピタフ) 下

【5位】風の墓碑銘(エピタフ) 下 / 乃南アサ / 新潮社

制服捜査

【6位】制服捜査 / 佐々木譲 / 新潮社

ジウ Ⅱ 警視庁特殊急襲部隊

【7位】ジウ Ⅱ 警視庁特殊急襲部隊 / 誉田哲也 / 中央公論新社

ガール

【8位】ガール / 奥田英朗 / 講談社

まほろ駅前多田便利軒

【9位】まほろ駅前多田便利軒 / 三浦しをん / 文藝春秋

夜は短し歩けよ乙女

【10位】夜は短し歩けよ乙女 / 森見登美彦 /角川グループパブリッシング

居眠り磐音 江戸双紙 28 照葉ノ露

【11位】居眠り磐音 江戸双紙 28 照葉ノ露 / 佐伯泰英 /双葉社

伯爵と妖精 すてきな結婚式のための魔法

【12位】伯爵と妖精 すてきな結婚式のための魔法 / (著)谷瑞恵/(イラスト)高星麻子 / 集英社

余命

【13位】余命 / 谷村志穂 / 新潮社

江原啓之から、あなたに贈る手紙

【14位】江原啓之から、あなたに贈る手紙 / 江原啓之 / 三笠書房

螺鈿迷宮 上

【15位】螺鈿迷宮 上 / 海堂尊 / 角川グループパブリッシング

螺鈿迷宮 下

【16位】螺鈿迷宮 下 / 海堂尊 / 角川グループパブリッシング

少年陰陽師 彼方のときを見はるかせ

【17位】少年陰陽師 彼方のときを見はるかせ / (著)結城光流/(イラスト)あさぎ桜 / 角川グループパブリッシング

感染列島 映画ノベライズ版

【18位】感染列島 映画ノベライズ版 / 涌井学 / 小学館

ストロベリーナイト

【19位】ストロベリーナイト / 誉田哲也 / 光文社

容疑者Xの献身

【20位】容疑者Xの献身 / 東野圭吾 /文藝春秋

ナイチンゲールの沈黙 下

【21位】ナイチンゲールの沈黙 下 / 海堂尊 / 宝島社

ナイチンゲールの沈黙 上

【22位】ナイチンゲールの沈黙 上 / 海堂尊 / 宝島社

ネクロポリス 上

【23位】ネクロポリス 上 / 恩田陸 / 朝日新聞社

ヘヴンリー・ブルー

【24位】ヘヴンリー・ブルー / 村山由佳 / 集英社

知床 望郷の殺意

【25位】知床 望郷の殺意 / 西村京太郎 / 新潮社

密謀 上 改版

【26位】密謀 上 改版 / 藤沢周平 / 新潮社

ジウ Ⅰ 警視庁特殊犯捜査係

【27位】ジウ Ⅰ 警視庁特殊犯捜査係 / 誉田哲也 / 中央公論新社

オーデュボンの祈り

【28位】オーデュボンの祈り / 伊坂幸太郎 / 新潮社

重力ピエロ

【29位】重力ピエロ / 伊坂幸太郎 / 新潮社

ネクロポリス 下

【30位】ネクロポリス 下 / 恩田陸 / 朝日新聞社



ジェネラル・ルージュの凱旋(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【189961部】の口コミ

 率直な感想は、「ジェネラルルージュの凱旋」「螺鈿迷宮」「ナイチンゲールの沈黙」の3作が「チームバチスタの栄光」に束になってかかっても敵わない感じでしょうか? いたって普通に読める医療ミステリーです。今回は緊急救命医療がテーマとなっている。「螺鈿〜」と「ナイチンゲール〜」のキャラクター達が登場するので、それぞれ読んでみると、桜宮ワールドが立体的に広がるかも? 話の位置づけとしては「ナイチンゲール〜」の裏面なのですが、巻末付録として桜宮の年表が用意されており、三つの物語の繋がりが確認できる。 もう少し、田口と白鳥のコンビが活躍して欲しいと願う。【たかじん】

読む、べき!海堂尊の才能が爆発してる。今回は社会派サスペンス。といってもいいんじゃないかと思います。病院内部の確執や政治関係といった複雑かつ面倒くさい背景を元に一通の内部告発文書が物語をつむぎだす。内容はここに書きたくないのでとにかく買って読んでみて。知り合いだったら貸してあげたい。今までの作品(バチスタ除く)にあった、無理やり殺人事件でミステリーを作ってる感がさっぱり消えて映画を見ているかのような超ど級の緊張感とエンターテイメント性を備えてます。ちなみに映画といっても邦画的ではありません。完全にアカデミーハリウッド級!舌戦です。俺はアルパチーノの「セントオブウーマン」と「インサイダー」を彷彿とさせられました。まぁ作風とか全然違いますけど…映画化されるらしいけどこけるな…原作以上にできるはずがない。断言できる。すばらしい作品です。マジで貸してあげたい。【有るぱチィーの?】

前作の『ナイチンゲールの沈黙』を読んでいるかどうかで、面白さが大きく変わる作品だと思う。これだけ読んだら、3つ星か4つ星。『ナイチンゲールの沈黙』を読んでからなら、5つ星。【Enough is a feast】

本書の解説によれば、もともと、前作の『ナイチンゲールの沈黙』と本書とは一冊の長編として構想されていたのが、書いているうちに長くなりすぎたため、編集者のアドバイスを入れて二作品に分割されたとのことです。後に出版された本書では、そのような事情に伴うしわ寄せがきているようで、本書を読んだだけでは、よくわからなかったり違和感がある部分が散見されます。従って、本書の内容をよりよく理解するためには、前作『ナイチンゲール〜』を読んでおいた方がよいということになりますが、個人的には、前作はいまいちだったので、そのためだけに前作を読むことはお奨めしません。著者の作品は、『チーム・バチスタ』、『ナイチンゲール』及び本作を読みましたが、その三作では、『チーム・バチスタ』が図抜けて面白く、本作はまあまあ、『ナイチンゲール』はいまいちという感想です。本作自体も、前半はいまいち乗れず、後半になってようやく物語に引き込まれたといった感じでした。どうせなら、『ナイチンゲール』に注いだ労力を本作に注いでれば、もっと面白い作品にできたのではないかと惜しい気がしています。【積読亭】

前作「ナイチンゲール〜」がイマイチだったが、今作の前に読んでおくと、ストーリーの裏側がわかって楽しさが増します。バチスタのときと同様、登場人物がかっこよく活躍。今回はとくにジェネラルルージュこと速水の活躍が印象的。前作、前々作で名前だけ登場していた「姫宮」もついに登場。この作品だけ読んでも十分に読み応えがありますが、前の2作品を読んでから読むとさらに面白いこと間違いなし。【カラッと爽快】

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【178067部】の口コミ

救急救命センターの”血まみれ将軍”速水部長にスポットを当て、救急医療の抱える問題点を追求してゆくという内容。この男、まさに「将軍」ばりに男気が溢れ、我がままで強引で、ハラハラするが、医師として、またトップに立つ者としての類まれなるその資質にグイグイ引き込まれてゆく。変人白鳥もさすがに影を潜めてしまうほどの存在感。そうやって速水部長の熱のこもった仕事ぶりを生き生きと描きながらも、物語の中核は一癖も二癖もありそうな個性的な医師たちによるディスカッション。「バチスタ」では白鳥のロジカルな推理にかなりの神経を使ったが、言葉で相手をやり込めてゆく白熱の論争を見ていると、一体海堂氏は理系なのか文系なのか分からなくなってくる。犯人探しをメインとした「バチスタ」と違い、今回はよりエンターテイメント性の色が強い。「誰が?」というよりも、「なぜ?」「どうして?」のほうに思考力を使ったが、物語としての完成度も非常に高いと思う。ちなみに第二弾「ナイチンゲールの沈黙」は読んでいないが、特に問題はなかったように感じる。【kinakohime】

前巻にも書きましたが、前作の『ナイチンゲールの沈黙』を先に読んでおいたほうが楽しめます。【Enough is a feast】

本書の解説によれば、もともと、前作の『ナイチンゲールの沈黙』と本書とは一冊の長編として構想されていたのが、書いているうちに長くなりすぎたため、編集者のアドバイスを入れて二作品に分割されたとのことです。後に出版された本書では、そのような事情に伴うしわ寄せがきているようで、本書を読んだだけでは、よくわからなかったり違和感がある部分が散見されます。従って、本書の内容をよりよく理解するためには、前作『ナイチンゲール〜』を読んでおいた方がよいということになりますが、個人的には、前作はいまいちだったので、そのためだけに前作を読むことはお奨めしません。本作自体も、前半はいまいち乗れず、後半になってようやく物語に引き込まれたといった感じでした。どうせなら、『ナイチンゲール』に注いだ労力を本作に注いでれば、もっと面白い作品にできたのではないかと惜しい気がしています。【積読亭】

バチスタ同様、とても面白い作品です。個人的にはこちらのほうが好きです。とっても存在感がある白鳥がそれほど出てこなくても、速水がとってもかっこよく活躍するので十二分に楽しめます。次々に展開される一連のシリーズ。どんどん次が読みたくなります。【カラッと爽快】

チームバチスタを読んでおもしろく、海堂作品を読み漁ってみたものの、なかなか会心作に出会えなかったのですが、この「ジェネラル」は実におもしろい!実にユニークな登場人物の数々が織り成す、病院を舞台にした人間ドラマ!ある意味ではチームバチスタ以上かも。これが文庫本で読めるなら、お値段的にも超おすすめです。【かさこ】

ラストイニング 20 (20) (ビッグコミックス) / 神尾 龍 / 小学館推定累積売上部数【40696部】の口コミ

なんだかんだで、ピッチャーがいなければ、野球ははじまりません。勝たせたいピッチャーと勝たせるピッチャーの違いはどこにあるのか?甲子園出場を目指す彩学野球部のキャッチャー八潮は、この問いに答えを出せない。一方、この巻の終盤には、高校野球をくいものにするVS甘い汁を吸うという問題提起もなされる。野球というゲームの仕組みに対する問いかけと高校野球に僕たちが求める純粋さ。この二つがラストイニングの面白さにつながっている。【猫だるま】

制服捜査 (新潮文庫) / 佐々木 譲 / 新潮社推定累積売上部数【23798部】の口コミ

本書は、’06年、「このミステリーがすごい!」国内編第2位にランクインされた、連作短編集である。 ’04年と’05年の間に「小説新潮」(臨時増刊号を含む)に掲載された5編からなっている。 主人公の川久保篤(あつし)巡査部長は、札幌で盗犯係や強行犯係などを経験した一線級のベテラン刑事だったが、北海道警の組織ぐるみの不正事件のあおりを受けて、釧路の志茂別(しもべつ)町という人口6千人の田舎町に転勤させられてしまった。しかも、25年の警察官人生でまったく経験のない単身赴任の駐在所勤務である。 物語は、そんな田舎町でも起こる、さまざまな事件を通して川久保が経験する、田舎町ならではの人付き合いというか、因習である。彼は制服駐在としての捜査の限界に阻まれながらも大小の事件に遭遇してゆく。情報源は35年間この町で郵便配達をしてきて、2年前に退職した片桐だ。片桐は志茂別町のデータベースとして、時に川久保の捜査を助ける。 そうして川久保は町に溶け込んでいく。いやいかざるを得ないのだが、人間模様に精通していくに従い、あらゆる不祥事に蓋をすることで、表向きは平和な町に見せかけようとはかる町の有力者たちが放つ腐臭を感じ取るようにもなってゆく。 本書は、小さな町特有のどろどろとした濃密な人間関係によって培われた虚構を、突然そこに放り込まれた元敏腕刑事の異邦人が、駐在警官の制服捜査を通して、えぐってゆく物語である。豊かな自然と純朴な人々に囲まれた田舎暮らし、などというのは都会人の持つ幻想であることは本書を読めば一目瞭然である。 【Wakaba-Mark】

ガール (講談社文庫) / 奥田 英朗 / 講談社推定累積売上部数【19833部】の口コミ

30台の働く女性を主人公にした5つの短編集。奥田さんは男性なのに、どうしてこんなにも女性のことが分かるのか?と思わず唸ってしまうほど、様々な場面においての女心の複雑な機微を決して深刻にではなく、さらりと書いてのけている。登場する女性たちは皆明るくて、前向きで、カッコよく、それでいて嫌味がない。女性作家が書くとこうはならないよなぁ、とつくづく思う。専業主婦だったり、独身のキャリアウーマンだったり、シングルマザーだったり、女性の生き方は様々だが、それぞれに良さがあり、そして不便さがある。どんな道を選んでも結局ブルーで、他人がうらやましくて、あの時ああすれば・・・と、どうにもならないことを悔やんでる。年齢とともに「しあわせ」の形は変化してゆくものだろうが、いつの時でも自分の生き方には胸を張っていたい。そういう気持ちにさせてくれる爽やかな1冊。【kinakohime】

それは、「笑える」という意味ではなく「興味深い」という意味で。そして、それ以上に怖くて、恐ろしくて。まるで、盗み見されているかと思うくらいに隣にある日常がそのまま描かれていて、読み進めるうちに思い当たる節が多すぎて。自分より年上の部下をもつ、30代で管理職についた女マンションを購入するか否かで揺れる女いつまでも「ガール」な女38歳の近くにいる女32歳20代の頃、「30歳だなんておじさん!」と思っていた30代の女シングルマザーと営業職を両立する女と同い年の独身女ひとまわり年下に恋した女「あぁこれはあの人だ!」「わーそっくり!」それの対象が他者であるのは時間の問題で、いつの間にか自分自身にリンクする可能性が無限に含まれている。読む人によって感情移入するポイントは違うであろうし、同じ人でもタイミングによってひっかかるポイントが違ってくると思われた。今まで読んだ本には無い、リアルさがここにある。日常生活にうんざりして、現実逃避したいときには、全く不向きだけれどほんの少し自分の未来を見据えたくなった時にはタイムマシーン的役割に化けてくれる1冊。女であること、年をとること、働くことの楽しさと怖さと自由さと、今を見据えないと浦島太郎になちゃうんだよってことを知らしめられた。これを読んでからの今の自分は、ちょっと性格が悪くなった気がする。寝る間も惜しんで続きを読みたくなる★★★★★リアリティ★★★★★キャラクターの個性★☆☆☆☆泣ける!☆☆☆☆☆ストーリー展開の意外性★☆☆☆☆文体・表現の読みやすさ★★★★★感情移入★★★★☆【もりお】

この手の小説を書かせると今一番うまいのは、奥田英朗に違いない。とにかく安心して読めるし、何しろはずれがないから。このガールも、男の視点で読んだけれど、思わずうまいなぁと思うところがある。女性は本当に主人公達に共感できるみたいで、年下の部下にいじめられるところでは思わず泣いちゃいましたとこの本を貸してあげた同僚の女性が感想を述べていた。奥田作品はどんどん文庫化してほしい。図書館で借りるという手もあるが、読み捨てるのではなく、出来うる限り所有していたいので。【I’ll go to a place in the sun】

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫) / 三浦 しをん / 文藝春秋推定累積売上部数【18733部】の口コミ

 三浦しをんさんの文庫最新刊です。 箱根駅伝を描いた「風が強く吹いている」で更に爆発的に知名度をあげた彼女ですのでいまさら紹介をしなくてもいいかと思いますが、彼女は作品や内容によって文章のスタイルががらりと変わる方です。シリアスなタッチから軽妙なもの、そしてエッセイでの破壊力満点の語りのスタイルまで自由自在にタッチやスタイルがかわります。 本書は、その中ではわりあいとかっちりとしたスタイルで書いた小説になると思うのですが、基本設定と話の運びがユーモアたっぷりなので、読みやすかったです。 主人公は、多田というバツイチの便利屋と、真冬の寒い日にバスのベンチで再会したかつてのクラスメートの行天。二人は、さして親しかったわけではなく、むしろとある因縁があって卒業してから一度も会ったことがなかったのですが、再会したその日からずるずるとコンビを組むことになります。やむなく、仕方なくコンビを組んだ多田は行天の変貌ぶりに首をひねります。学生のときは無口で学校では一言も話さないものの勉強もスポーツもできるデキスギくんだった行天は、大きくなったら、何故だかだらだらとしていて、住む家もなく着のみ着のままで、真冬なのにサンダルしかはいていないような変な大人になっていたからです。多田は、そんな彼にイラっときたり呆れたり嘆いたりしながらも一緒に事務所兼自宅で共同生活を営みます。 そんな彼らがいくつかの事件を解決していくうちに、二人の抱えた過去や想いが明かされていく連作短編集という体裁の本書。コンビ探偵もの特有のかけあいの面白さや、一つの事件をめぐる考え方の違いや、絶妙のコンビプレーなどもしっかり楽しませてくれますし、連作全体を通じて二人がじょじょに気持ちの交流を深めていく過程等もしっかりと描かれていて楽しめます。 三浦しをんさんの著書で、男性二人の共同生活、と紹介すると違うものを想像(ひらたくいえばBL)するかも知れませんが、そういう要素はないですので、そちらを毛嫌いする人も安心して読んでいただけます。 本当に面白かったです。  この作品、うまく映像化できたらいい映画原作になるんじゃないかなと思います。【樽井】

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) / 森見 登美彦 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【62494部

先週順位
–位】の口コミ

ファンタジーです。表紙とタイトルの可愛らしさに惹かれて手に取り、読んでみればまあ内容も可愛らしいこと。他の方のレビューでも書かれている通り、文体がとても特徴的です。前時代的といいますか、明治、大正あたりの語り口調ですので慣れるまでは時代設定に「??」となっておりました。携帯やメールがアイテムとして登場してくることから現代であることが窺えますが、もはや時代なんていつでもどうでもよくなってくるから森見氏は恐ろしい。登場人物の言い回しには終始にこにこ、時に爆笑させられます。が、表現がサムいと思うか愉快と思うかは評価の分かれるところかもしれません。(もちろん私は後者ですが)どこか飄々として、ただ流れるように生きる登場人物たち(とりわけ黒髪の乙女と樋口くん)がとても魅力的です。基本的に本は一度しか読まない私ですが、この本はこちらがどんな精神状態でも受け入れてくれるので重宝しております。【NICO】

06年10月の単行本を文庫化した作品で,第20回山本周五郎賞の受賞作でもあります.全四章の章仕立てになってはいますが,それぞれが一話完結の連作短編となっており,男子大学生の『私』が春に『乙女』にひと目ぼれ,夏秋を経て結末となる四章の冬まで,ラブコメのようでありながら,『和』と非現実の空気が入り混じる少し不思議な物語です.(コミカライズもされているので,イメージがつかみづらいならそちらでの補完もおすすめ)『私』の屈折した,そしてちょっと仰々しい物言いはいささかクセのあるところですが,なんでも生真面目に,それでいてどこかとぼけた感もある『乙女』の様子はかわいらしく,同じような表現,言いまわしが繰り返されることで,世界観や物語が強く印象づけられます.また四章までの春夏秋冬,季節感あふれる描写は舞台の京都の町とも相まってとても美しく,なんとも言えない素朴で甘酸っぱい結末には思わずにんまりと,そしてホッとしてしまいます.巻末には,漫画家の羽海野チカさんによる『かいせつにかえて』(感想イラスト)があります.【ポロロッカ】

この文体に馴染めるかがポイントです。ウッと来る人も我慢して読み進めると、はまります。私もそうでした。分岐点は50ページくらいかな。【amamiya】

なんとも不思議な事がめまぐるしくて、最初は読みにくかったけど、読んでいくうちにどっぷり世界にはまってしまいました☆キュートな乙女とは古今東西よいものです。。。【tama】

言葉の引き出しが多い森見さん。素晴らしいと絶賛出来るほどのユニークな文才がいかんなく著された作品です。ただ一言だけ述べても伝わらないでしょうが………おもしろい!目で辿って読む進めていくうちに思わずくすり、と笑みが漏れてしまいます。なんといってもヒロインが可愛いのです。ヘタレな男と天然チックなヒロインを取り巻く愉快な面々にも注目。実に後味の良い作品であります!「走れメロス」もオススメ。笑いが止まらない。【いち】

陽炎ノ辻—居眠り磐音 江戸双紙 (双葉文庫) / 佐伯 泰英 / 双葉社推定累積売上部数【119154部

先週順位
–位】の口コミ

書店を訪れると、必ず目にする佐伯泰英の著作群。平積みにされた本の山。一度は読んでみるべきと思っていました。本作品はNHKでもドラマ化されていることで有名な作品。といいつつ、ドラマは観ていないのですが、これほど売れているならと、手に取ったのが、この作品でした。・・・じつに面白い!ページを繰る手が止まらないほどに引き込まれるストーリー展開。ベストセラーとなるのもうなずけます。シリーズ既刊をすべて読んだ方のレビューが掲載されていますが、私も本作を読んだ直後、続編の「寒雷ノ坂」を購入してしまいました。【悶】

「おい、熊公。あそこの茶店で小さな双紙読んでるお侍を見てみな」「なんだい信吉」「さっきからすんげぇ目してじっとあの双紙を読んでるんだよ。なんかに魂を抜かれたみてぇだ。あら、いきなり笑い出したよ」「そんなにあの双紙がおもしれえのかね」「ああ、四半時(30分)もあの有様だ。おや、今度は・・・あれっあの侍、目が潤んでるじゃねぇか。泣いてんのか。泣いたり笑ったり忙しい侍だね」剣あり、恋あり、涙あり。読後気分爽快万事祝着。【読売の信吉】

磐音シリーズ既刊23冊全巻を読み終りました。結論として、面白さから言えば、これほど面白い小説を知りません。ほかの小説が読みたくなくなるほどです。これまで佐伯泰英さんの作品についてまるで知らなかったのですが、テレビで山本耕史と中越典子の連続ドラマを見て、主人公の磐音とおこんの大ファンになり、即刻、本を購入読み始めたら、面白くて途中でやめられません。たちまち、既刊23冊全部を読み終えてしまいました。あと、読む本がなく、しばらくぽかんとしてすごしました。そして作者が第23巻「万両の雪」のあとがきで、50冊くらいまでは書き続けるといっているので、続編が出るのを心待ちにしています。1700年代後半の江戸時代の地理や風俗、幕府・大名の官僚組織などもよく研究されていて、当時の江戸の名所、寺社、大名屋敷、奉行所の所在地やその様子、両替商など大商人の商いぶり、庶民の暮らしぶりや風俗が、そのまま映像として脳裏に浮かび、その時代の人になったような気分で物語が楽しめる、語彙や事柄についての作者の博識も驚くほどで、侍言葉や町人の話し方、その時代のしきたりなどずいぶん勉強になりました。そして、主人公の坂崎磐音の人物像がとても魅力的。当代一の青年剣客で、清廉潔白、正義の人、しかも、さわやかで、穏やかで、優しく、愛情深く、友情にもあつく、礼儀正しく、その上すぐれて賢明でもある。多くの人から頼りにされ、愛される。彼を取り巻く主要人物も魅力的な人が多く、その人物像、性格もきっちり描き分けられているので、主人公たちへの感情移入も容易にできました。【安】

娯楽モノの時代小説も、佐伯泰英さんの本を読むのも初めてで、テレビドラマの原作と言うだけで手にとって呼んでみたのですが、予想以上に面白くはまりました。江戸の風景だけでなく、国許のお家騒動も絡んで世界が広がり、言葉はもちろん古風ではありますが、気楽に読める現代的時代小説といっていいでしょう。ただ、あまりに強すぎる磐音に、彼がいなければ江戸の町も豊後関前も守れないのではないかと、要らぬ心配をしてしまいます(笑)。【kisshou】

居眠り剣法の使い手で、用心棒と鰻屋を掛け持ちするフリーター侍、という設定は面白いんですが、人物描写が、いくらエンタメ小説としても、弱すぎる。人によるとは思うけど、描写がきちっとしたものを求める向きには物足りないのではないでしょうか(同じエンタメであるミステリー小説では、結構そうした描写もきちっとする人がたくさんいるし、キャラがたっていることが多い)。【pp-tang】

伯爵と妖精—すてきな結婚式のための魔法 (コバルト文庫) / 谷 瑞恵 / 集英社推定累積売上部数【19493部】の口コミ

気持ちのすれ違いや困難を多々乗り越えて、ついに二人が結婚しました。でも一筋縄でいかないのがこの二人。小さな障害がいつもの通り心のすれ違いをうみ、けんかすることになりますが、今までとは違う二人の会話に、結婚を決めた二人の思いの強さを感じました。リディアとけんかをして、焦るエドガーの余裕の無さが、とてもかわいらしかったです。幸せムード漂う1冊ですが、プリンスの記憶を持つエドガーに、ユリシスの影が見え隠れしています。今後の展開が気になります。今回はお祝いの意味を込めて、☆5つにしました。【ディア】

幼いころに謎の組織にさらわれて苦難の連続だった伯爵エドガーと妖精と人間のかけはしである妖精博士のリディア。婚約してからもつぎつぎと邪魔が入った二人だけど、とうとう結婚式♪です。結婚式&新婚生活スタートのお話です。結婚式のおまじないの準備をするリディア、お祝いムードの妖精たち。もちろんエドガーも、めちゃくちゃ楽しみにしていて。トラブルがあったり、ケンカもしたりするんですがなんだか一歩親密な感じでした。エドガーに、これまでの余裕がないかんじも、なんかいい。結婚式当日のリディアのモノローグがまた、じーんとする。もう不本意に引き離されないんだ、という喜び。素敵な結婚式でした。新しい陰謀の予感があったり、「朱い月」とのことがあったりですが冒険よりも、二人の生活が印象的な巻でした。【九月】

余命 (新潮文庫) / 谷村 志穂 / 新潮社推定累積売上部数【28004部】の口コミ

主人公は百田滴、女医です。 彼女は、研修医の時代に乳ガンにかかっており、その後十数年に渡って再発はありませんでした。 一方、結婚生活10年にして、ようやく子供を授かります。ところが、時を同じくして、かつての手術後にしこりが。ここで、彼女は大きな選択を迫られます。 胎児が彼女の中で育つと言うことは、ガン細胞も活発化するということです。 彼女の選択は、誰にも話さず「生命」を繋ぐことでした。 この後の壮絶な彼女の戦いは感動的です。 乳ガンの進行と胎児の成長の同時進行から、夫も遠ざけての一人孤独な戦いを続ける一人の女性。そして、そこから生まれる一つの生命。 他の選択肢もあったかも知れませんが、百田滴の行動に感動します。 ちょっと気になったのが、冒頭と結末の部分だけ視点が違うことで、何となく違和感を感じました。【ringmoo】

子供を思う気持ち、パートナーへの愛情等の母としての強さ、女性の強さ(弱さもだけど)が良く表現されていたと思う。そう言った面では、十分に感動的だったと言える。しかし、医師としての滴の選択は理解しがたい物がある。というより、やってはいけないことではないか。なので、厳しめの3点にします。【あきぴー@武蔵国】

螺鈿迷宮 上 (角川文庫) / 海堂 尊 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【25390部】の口コミ

病理専門医である海堂氏が小説を通じて、医療の実態を訴えている。本小説の中で書かれている終末期医療、死亡時医学検索といった儲からない医療は大学病院ではやりたがらず、地元のお妾病院に回しているという箇所は、おそらく現代医療の問題点であろう。小説を通じて、医療の実態を垣間見ることができる。物語としては、おなじみの「白鳥」が上巻から登場、バチスタ、ナイチンゲールでは名前しか登場していなかった「姫宮」も登場する。下巻はこれから読むので、上巻のコメントはこれまで。【ヒロゴン】

ジェネラルルージュで看護師見習いをした氷姫こと姫宮が登場。ミスドミノらしさを全開。一連のシリーズを読んでいるので、知っている人物が活躍(?)する様子は面白い。読んでいない人からすると、きっと怪しくもあり変な人たちと見えるのだろうな。バチスタシリーズの東城大学と同じ町の桜宮病院が今回の舞台。壮大な一連のシリーズ。ストーリーの盛り上がりはいまいちだけど、シリーズのつながりで☆4つ。【カラッと爽快】

終末期医療を手掛ける碧翠院桜宮病院。黒い噂が絶えないこの病院の闇に東城大学医学部の落ちこぼれ学生・天馬と、厚労省コンビ(白鳥・姫宮)が迫る。「でんでん虫」と呼ばれる謎めいた館に棲む妖しげな経営者一族。銀髪の院長、美人双子女医、そして・・・ゴシック小説の雰囲気を漂わせるミステリーである。主人公にして語り手の天馬の成長物語の側面も併せもつ。この物語、『バチスタ』のような痛快さを求めるかたにはおすすめしがたい。白鳥たちが出てくるのに、笑えない・・・(彼が出てくるとなれば、笑いを期待するではないか) 現役勤務医である著者がテーマ・作風の異なる作品をハイペースで執筆している仕事ぶりは認めるが・・・ 白鳥の存在感を活かすには、天馬くんの語りは物足りない。やはり田口(『バチスタ』シリーズで白鳥とペアを組む医師)の語りが一番しっくりくる。田口のフィルターを通してこそ、白鳥のおもしろさが活きてくるのだと思う。もっとも、このお話は白鳥のおかしさが主眼じゃないんですよ、と言われればそれはその通りなのだが。このようにわたし自身は語り手・天馬との相性がいまひとつだったが、院長の一言一言の重みは胸に響いた。また海堂氏による「桜宮サーガ」の一作品として読んでおいて悪くないと思う。【シロフォン】

 もう手の施しようがない状態の人達が嬉々として働く終末医療先端施設. ここの描写を読みながら,生長らえさせてもらってるのか,生かされているのか良く分からない様な状態で息を引き取った自分の祖母を思い出し,可能であればこういった施設に入ってもらいたかったな,と思ったのは結局素人考え.何故元気に働いていた(あるいは働けた)という種明かしに至って,レビュータイトルの言葉にたどり着いた. 結局,ユートピアなんてフィクションの中にすら存在しなかった訳だが,それでも(法的には兎も角)これが悪い事なのかは私には判断できそうにもない.【理系の文系】

 終末期医療について書かれている。 死に際の医療は儲からない。それを上手くビジネスにもなるように入院から火葬場までオールインワンとなる施設が物語の中に登場する。なかなか奇抜な設定だが、作者のこめたメッセージは深いのだろう。 死因と治療が適切だったことを確かめるために死亡時の解剖が必要である。めぐりめぐってそれが後の医療にとても重要なものなのだと語られる。 新たなキャラクターが多く登場するが、そのほとんどが初めて会う顔ではない。その中でも姫宮については、満を持しての登場となる。本作品では、彼女と白鳥とのやりとりが楽しい。読み物としても十分な手応えがある。【たかじん】

螺鈿迷宮 下 (角川文庫) / 海堂 尊 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【23117部】の口コミ

ロジカルモンスター白鳥が大活躍!?皮膚科の医者として治療・診断をしてしまうのが恐ろしい。しかも、これまで口先の喧嘩で負けたことがないのに、コテンパンに負けてしまうのも新鮮。ただ、これまでの白鳥と少しキャラが違って感じてしまいました。話し口調ももっと強烈で自分勝手だったのに、少しまともな役人にみえた。そこが残念。これまでの一連のシリーズは、それぞれが別のストーリーなのに、どこかで絡み合っていたので、今回の話が今後どのようにつながっていくのか期待です。【カラッと爽快】

天馬君の人のよさもあって病院内部の謎が少しずつ改名されていきます。ここにきて白鳥の存在がとにかく面白いですね。この下巻は勢いもあって、息もつけないくらいの展開を見せてくれます。上巻がやや退屈なので、上下に分ける必要はなかったように思います。そして真実と天満君との繋がり。ここは読ませましたね。なかなかのものです。【mitsugi】

現実の医療業界の問題を内容に織り込む小説を書くこの著者は、ここでは「終末期医療」の問題を取り上げていますが、読者にただ単にその存在を認識させるだけでなく、その裏に潜む「闇」の根の深さを認識させられるような描かれ方をしています。 そのため、小説自体は上下通して比較的短時間で読み終わったものの、その「問題」の重さはしっかりと受けとめることができました。 また、ミステリーとしても、出だしから数々の「謎」を読者に提示し、「この先どうやって謎が明らかにされるんだろう」と読者を引き込む力がありましたし、結末で謎が明らかにされた時、それまでの中に伏線がバランスよく配置されていたことに気づかされました。 現実の医療業界の問題点を、主軸をぶれさせることなくミステリーと融合させている、その完成度が今までで一番高いと感じます。 また、キャラクターの面からみると、『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』で、田口・白鳥コンビのやりとりの面白さを楽しんだ方々にとっては、こちらはそのコンビのやりとりはなく、田口自体、ほとんど出てこないため、いささかの寂しさを覚えるかもしれません。 しかし、その2作で名前は出ていた「氷姫」がついにここで登場します。切れ者なのか、天然なのかわからないそのキャラクターは、田口、白鳥にはない不思議な存在感。一読の価値ありです。 【buono_buono】

適当に本を取って買ったら下巻でした。この薄さで上下巻に分けるのはないよ〜カドカワさん。下巻だけでも白鳥の面白さは味わえますし、秀逸な後書きでストーリーの補填はできたので普通に楽しめました。氷姫の活躍を見たい人は上巻から、3、4時間の暇つぶしをしたい人は下巻だけでも大丈夫です。【秋人】

オリジナルは、2007年11月30日リリース。海堂氏はいつも小説というメスで日本医療の患部はどこか、を白日の下に曝す。『ジーン・ワルツ』では産婦人科医がなぜ激減したかだけでなく、明治時代のまま変わらない法律の矛盾や、アンケートばかりとっている厚生労働省の逼迫した現実への無反応・無為無策さ、名ばかりの少子化対策といったあらゆるものの問題点を全て提示していた。『ジーン・ワルツ』が人間の『誕生』への問題提起であるとすると、本作は人間の『死』に対する問題提起として書かれている。そしてこの2つの小説は対となって構想されたのでは、と思える。 デビュー作の『チーム・バチスタ・・・』で既に死者へのMRI検査の重要性を説いているが、本作では医者とは切っても切れない『死』の問題と、現代医療にとって『死』とはどのような存在なのか、を読むものに気がつかせる。 そして頭を過ぎるのがマイケル・ムーアの『シッコ』だ。アメリカ医療の酷さはどことなく今の日本の医療の先の姿のように思えてならなかった。 ここに登場する桜宮病院の院長の言葉、『医学とは屍肉を喰らって生き永らえてきた、クソッタレの学問だ。お前にはそこから理解を始めてもらいたい。医学の底の底から、な』が、この作品を象徴している。厚生労働省の考える『死』、病院の受け止める『死』、自殺志願者の『死』、末期癌患者の『死』・・・どれも同じ『死』であるはずなのにこの作品では違って感じられる。それは各々の『生』が螺鈿のように様々に光り輝いているからなのかもしれない。圧倒的な読後感を残す傑作である。【voodootalk】

少年陰陽師 彼方のときを見はるかせ (角川ビーンズ文庫) / 結城 光流 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【13999部】の口コミ

待ちに待った玉依編の完結です。彰子とはこじれっ放し。おまけにじい様が護衛している姫皇女をかっさらってきてしまってるし、天変地異は治まってないし、解決のめども全然立ってないし、どうやってこの一冊で終わらせるのかと、思ってましたが、ちゃんと収まりました。思い返してみても、玉依編は昌浩と彰子の精神的な成長が主であり、事件そのものはあっさりです。「竜が出てきた」→「やっつけた」といった感じで。紅蓮は頑張って派手に戦っていますし、雨が降り止まないとか、竜が暴れれるとか、結構大変な事態だったと思うのですが、そちらはなんだか霞んでしまったかのような気さえします。【ayuyo】

感染列島—映画ノベライズ版 (小学館文庫) / 涌井 学 / 小学館推定累積売上部数【48723部】の口コミ

感染爆発…ワクチンが足りなくて、もし最後の1本なら……今なら、僕は誰に差し出すだろう? 大切な人は誰ですか?って聞かれたら、それは…。今なら、あなたに真剣に伝えたい。 「叶わない恋」なら、 せめて自分の命を差し出す(渡す)事で、何かが…自分の揺るがない気持ちが相手に…少しは伝わるのかなって思えた。 …なぁんて書くと、&名前を書くと迷惑だから「心の中」で止めておきまぁす(笑)別に、恋人になる事が愛を伝える=答えじゃないと心から思えた。政府の対応、空気感染の恐怖…笑えない現実がある。 実際問題、進化した鳥インフルエンザウイルス(豚に感染した後に変化して…人へ)が蔓延すれば…国内では優先順位が決められ、ワクチンは足りない。パンデミック/感染爆発は止まらない。 あなたに、「好き」とか「愛してる」なんて言葉にするのは簡単な事だと思う。 好きな人の為に、自分には一体何が出来るだろう? 自分を犠牲にしてまで、あなたを守りたいと思えるのか? 「答え」なんて出す前に、簡単に「好きな気持ち」は絶対に変わらないと思えた。 「絶対」と言えないなら、叶わない恋を続ける様な馬鹿な事はしない。 今だけの感情だと言われても、結果的に無意味な事でも、「生きる意味」と「生きた証」を残したいと思うから。 生まれ変わっても、同じようにあなたにもう一度…出逢いたいから。 この気持ちは変わらない。変えたくない、あなたの代わりなんて他にいないんだから。 あなたに出逢えただけで、僕は救われたんだよ? バカでしょう? でも、それは恋しているから。。34 (秀ちゃん流★A型★男性)【秀ちゃん流】

ストロベリーナイト (光文社文庫 ほ 4-1) / 誉田 哲也 / 光文社推定累積売上部数【51266部】の口コミ

本筋の連続猟奇殺人事件の解決への流れも読みやすく、非常に引き込まれるものがあったのですが、それ以上に、主人公の女性警部補の過去として記された裁判の舞台が印象的でした。 【けん】

映画を見ているような感じがしました。テンポが速くて、ところどころ、ジーンとするところもあり、姫川と井岡のやりとりが面白いし、登場人物も個性的で、新鮮な小説です。【SNOW】

東京から新大阪に向かう新幹線の中で、あいにくとお気に入りの文庫本も持ち合わせておらず、「困ったな」と思っていたら、となりの席の人が、「よかったら、差し上げますよ」と言って、本書を渡してくれた。そういうシチューエーションなら、本書を読んでもいいのでは、と思います。あなたには何も失うものはないでしょう。「つまらんものを読まされた」と憤るかもしれませんが、どうせ、あなたは2時間40分退屈していたはず。本書の内容など、新大阪に降り立つ瞬間に忘れてしまえばいいのですから。そして、降り立つ前に、博多行きの退屈顔の乗客に、「よかったら、差し上げますよ」と渡してあげればいいのです。【フォアローゼズ】

連続猟奇殺人事件に立ち向かうは、ノンキャリアで27才にして警部補になった美貌のヒロイン玲子。冒頭ではサイコー・キラーの生い立ちが描かれる。如何にもTVドラマ向けの安っぽい設定。期待薄の出だしだが、読み進めるうちに酷さが身に染みてきた。まず、玲子の設定に無理がある。自分ではデキル刑事だと思い込んでいるが、独白やセリフを読むと、その精神的レベルは中学生並みである。その癖、何の論理性もない飛躍した発想で貴重な発見をするのである。大人向けの警察小説を書きたいのか、少女向けの探偵マンガを描きたいのかハッキリしろ、と言いたい。話題作「西の魔女が死んだ」と対極にある作品のようだが、実は根っこは同一で、作者がメルヘン症候群に冒されているのである。どなたか(失念)が、「西の魔女」の「西」は日本人のヨーロッパ指向(憧憬)を表していると喝破されたが、本作はアメリカ指向であろう。「猟奇殺人の担当刑事=プロファイリングの得意な美人捜査官」と言う図式は嫌でもJ.フォスターを想起させる。そのJ.フォスターが映画「告発の行方」でレイプの被害者となり証言台に立った事を鑑みれば、作者の独創性はゼロである。他の刑事の野卑な言動や全編を覆うグロテスクなムード作りは、作者の幼児性の反映だろう。冒頭のサイコー・キラーの正体も、最初に名前が言及された時点で分かってしまうと言う拙劣さ。そして、結末はお決まりのパターン。作家としての矜持があるのだろうか ?読み通すのに本当に苦労した。この程度の安易な設定・構想で小説を発表して読者の時間を潰されては堪らない、と心から思う。【紫陽花】

結論からすると、個人的には最近読んだ中で他にないぐらいお勧めです。最初の書き出しは凄惨で、電車の中で読んでいて、前の座席の人が変に思われるぐらいのしかめっ面で読んでしまいましたが、だんだんと引き込まれていきます。時間のある年末に買ったのですが、年を越す前に読んでしまいました。続きも早く文庫で出てくれればと思います。【fukuihd】

容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7) / 東野 圭吾 / 文藝春秋推定累積売上部数【382270部

先週順位
1位】の口コミ

タイトルがうまい。読み終わってそれを確認。純愛ものとしてはどうかなあ、と思うところもあるけれどミステリーとしてはとてもおもしろかったし数学のおもしろさも感じられた。【のりこ】

これまで読んだ東野さんの作品の中では1番でした。他の方のように的確な批評をすることはできませんが、読み終えた時に感じる満足感、充実感そしてすがすがしさはこれまで感じたことがないほど凄まじいものでした。トリック自体にも度肝を抜かれましたが、それだけでなく登場人物達による人間ドラマにも心を打たれました。【サイ】

探偵ガリレオシリーズってことは,科学トリックものか?と思ったが,本格推理物だったのか。映画見ればよかった。一休みのお茶のお伴に手に取ったら,途中でやめられなくなり,その日のうちに読了。面白いです。単純に推理小説として面白い。謎解きは,最初に犯人が事件を起こすところを見せておきながら,「思い込み」を利用して,警察と読者の裏をかくという仕立て。文庫本のオビの「これほど深い愛情に,これまで出会ったことがなかった」というのを見ると,おいおい,ちょっと待て,そうはいっても犯罪でしょ,と少々冷める思いも生ずるが,常軌を逸した形で表現される「純愛」または「献身」が謎解きのストーリーに怖いような彩りを添えていることは事実である。【missrio】

本作は人を愛しすぎてしまった人の物語です。私はこれまでにない愛の形で、献身の意味が分かった気がします。この作品は単体でも読めますがやはり、探偵ガリレオ→予知夢→容疑者χの献身の順番で読むことをお勧め致します。【めろんぱん】

本作は直木賞受賞作品であり、私事ですが、私が初めて東野圭吾を知った記念すべき逸品です。このたび文庫本となって変更があったのは、湯川学の身分が「助教授」から「准教授」にきちんと修正されていた点です。本作は、カラクリ+心理描写という、近年の東野圭吾作品の魅力を十二分に発揮しています。東野作品を約50冊読み漁った上で、やはり本作は絶妙なバランスを備えていると考えます。とりわけ、後者の心理描写については、不細工な男が恋におちて、切なすぎる「献身」をするというのですから、個人的に、感情移入せずにはいられなかったです。たしかに、花岡靖子の心理描写はおざなりかもしれないし、彼女が「献身」に値する人物かは評価は分かれるでしょう。でも、石神哲哉は好きになってしまったのです、そこに論理的理由なんかはない!徹頭徹尾論理的に生きるのなら、花岡親子なんて切り捨てるべきなのです。それができなかった石神、冷徹なカラクリすら実行できる彼のそんな部分に、読み易い娯楽小説とはいえ、人間性の奥深さが良く表れていると思うのです。ちなみに、映画も好評なようで、DVD入手を心待ちにしていますが、石神=堤真一は、ちょっとイメージとずれます。男前過ぎるような…。個人的には、温水洋一さん辺りがぴったりですが…。あと、湯川=福山雅治はそれほど違和感はないのですが、記憶違いでなければ、著者は当初佐野史郎さんをイメージしていたそうです。【kagekiyo】

ナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【127884部】の口コミ

チーム・バチスタの栄光に続き、ロジカルモンスター白鳥登場。物語を事件解決に導く…が、推理小説と考えると事件解決の方法は余りにも現実離れしています。境界線を教えるべき大人が、易々と境界線をまたいでみせたことが、事件を複雑にさせたという総括に関しては同感です。【ヒロゴン】

歌声が脳波に与える影響をミステリー化させたところに無理がある。これは小児科の子どもたちの物語としてまとめた方が無難であったように思う。医療ミステリーにこだわる必要もなかったのではないかと感じます。特にこの物語に白鳥さんはいなくてもいいし。オレンジ病棟物語として描いたほうが感動があってよかったかもしれない。無理なミステリーは面白くない。【mitsugi】

白鳥が登場して少し面白くなったが、盛り上がりに欠けた。ミステリー小説だと思い読み進めたが、なんだか納得していないままにフィナーレまでいってしまった。【カラッと爽快】

『チーム・バチスタの栄光』に続く田口・白鳥シリーズの第二弾。『チーム・バチスタ〜』同様、白鳥はこの下巻に入ってからの登場。ここではさらに、白鳥の学生時代の腐れ縁であり警察庁から桜宮署に出向中の警視正・加納が、瑞人の父の殺人事件を捜査する過程で絡んできます。「田口を一方的に振り回す白鳥」のみならず、「そんな白鳥に対し、全くひるむことなく論戦しあう天敵:加納」、そして名コンビだかなんだかわからない上司と部下である加納と玉村のコンビなど、キャラクター同士のやりとりはなかなか楽しめます。しかし、犯人が早い段階で想像がついてしまう上に、犯人を追い詰める過程も、特別に惹きつける要素が何もありませんでした。また、ミステリーの他、SFやら少しだけラブストーリーやら、いろいろな要素を盛りこんだようですが、詰め込みすぎたゆえ、どれも表面的な描写にとどまり、中途半端に終わってしまった印象があります。単に「暇つぶしに読む軽い小説」や、「ストーリーよりもキャラの面白さのある小説」を求めているならそれなりの価値はありますが、「本を読むからには深みのある読み応えのある内容を」という方にはあまりオススメできません。【buono_buono】

前作『バチスタ』がどんどん読み進めることが出来たのに対して本作品は読み終わるまで時間がかかりました(作品の長さは同じぐらいだと思いますが)。白鳥・田口の掛合いは前作同様面白く読ませていただきましたがそれ以外の登場人物輪郭がぼやけていたような気がします。後半に向けて現実ではなかなか実体を想像しづらい現象が多くなりややこじ付け的な展開になってしまったと思います。次回作に期待したいです。【Mini0169】

ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【141800部】の口コミ

「ナイチンゲールの沈黙」は確かにSFチックな領域もある作品です。ただ、この作品は「ジェネラルルージュの凱旋」と同時進行であるので、両方、読むべきでしょう。病院内での事件があちらこちらで同時におきている。医療現場の現実を感じさせてくれる作品です。随所に医療行政への問題提起もあります。海棠作品はサスペンスに重きをおいて読むべきではないと思います。白鳥調査官や田口医師の掛け合いなどを楽しむべきでしょう。病理医の先生がこれだけの文章を書いている。私にはこのことのほうが驚きでした。【アンクルのソロ】

お話もいまひとつ入り込めなかったけど、一番の不満は「未消化感」ですね。『バチスタ』の後がこれ?と正直がっかりでした。思わせぶりな情報が小出しにされるも、伏線かと思えばそうではなく、ほったらかし。田口・白鳥に加え、ジェネラル速水、トンネル魔人島津、デジタル・ハウンドドッグ加納ら、クセのある人物が続々登場するが、中途半端でかえって煩わしい。いや〜な感じがして解説を見れば、「『桜宮サーガ』ともいえる社会を作るうえでこの作品はとても大切な位置を占めている」と書かれており、やっぱりね〜と。シリーズのための顔見せってことじゃない、独立した作品としてはどうなの?と不満は拭えませんでした。これは読まなくてもよかったかなあと。しかし! 1月8日発売の文庫『ジェネラル・ルージュの凱旋』を読み始め、『ナイチンゲール』を読み通すことは必要だったんだ!と報われた思いがしました。『ジェネラル』の前に本作を読んでおかれることをおすすめします!(以下、その理由。タネ明かしになってしまうかもしれないので一応お断りしておきます)『ナイチンゲール』と時間軸・人物を共有するまったく別の物語が走っていたのです。それが『ジェネラル』。まだ読んでいる途中ですが、この2冊はsideA・sideBというか。『ナイチンゲール』はメロドラマ調でSF的な話だけに、『ジェネラル』の緊迫感・深謀遠慮がめぐらされていそうなあやしげな感じ・・・作風の違いが一層際立って、期待感をそそります。だからといって、『ナイチンゲール』単品の評価は変わりませんが、『ジェネラル』を読む前にこちらを読んでください! それだけは力強くおすすめしたいと思います。【シロフォン】

チーム・バチスタの栄光の続編本題の「ナイチンゲール」は、歌姫の看護士「浜田小夜」のこと。今回の事件は、殺人事件。上巻では殺人事件が発生し、警察が登場するまで。またしても不定愁訴外来の田口講師が事件に巻き込まれるが、その序章である。病院と警察の上下関係や組織の複雑さ、歌声が脳に与える影響などを読み取りながら、上巻をお楽しみください。【ヒロゴン】

前作「チームバチスタの栄光」は、白鳥が登場するまでの緊張感は素晴らしかったものの、白鳥が登場して(文庫本でいえば下巻)からの展開は興ざめした。白鳥をここまでおかしげなキャラクターにする必要があったのかという違和感がどうにも拭いきれなかったからだ。僕自身は、こういう小説は、著者が作品で訴えたいことはあるにせよ、細かい理屈を抜きにして楽しめればいいという考えなのだが、それでも白鳥のキャラクターは小説の緊張感を壊しているとしか思えなかった。だから、この「ナイチンゲールの沈黙」を購入するのもしばらく躊躇っていたのだが、結局、前作の序盤の緊張感を期待して購入した。で、読み終わった感想は、前作と比較するとすっかり影が薄くなってしまったものの、やっぱり白鳥はいない方がいいんじゃないかというものだった。また、事件を解く鍵となる「歌声」に関しても、現実にあり得ることなのか、またそれを解明することが可能なのかは、まったくわからないが、少なくともこの小説にはあっていないし、歌声ではなく他の誰にでも現実的だと思える要素(鍵)で小説を構成した方がよかったのでは、と感じた。正直、現実離れした存在である「白鳥」と、現実にはあり得ることかもしれないがSF的ともいえる「歌声の効果」を事件解決の鍵とするこの作品をすんなりと楽しむことができなかった。大ハズレではないけど、現在刊行されている続編を“すぐに”手に取ってみようと気にはならなかった。【TaroTaro】

主になるのは小児科病棟にいる子どもたち。目を取らなくてはならない子どもの心のケアを田口先生が引き受けることになる。これだけでいいのではないかと思った。MRIの先生のことをガンガントンネル魔人と表現したり、子どもならではの雰囲気が充分伝わってくる。だが、看護師の小夜チャンの歌で脳波がどうのこうの、冴子と城崎の存在が必要だったのか?しかもここに白鳥を持ってくる必要性も感じない。文脈がバラバラだ。これがこの人の実力なのかもしれない。【mitsugi】

ネクロポリス 上 (朝日文庫) / 恩田 陸 / 朝日新聞出版推定累積売上部数【16498部】の口コミ

恩田ワールド全開で、奇妙な異世界ファンタジーへと連れ出してくれる、とってもおもしろい作品!時間を忘れて、上下巻ともに一挙に読んでしまいました。とてもおもしろかったものの、すっきりしないエンディングや、「結局、だからこの物語は何だったのか?何がいいたかったんだろうか?」という疑問がわいてきて、読んでいる時はおもしろいけど、読み終わって意外と何も残らない部分もあります。暇つぶしには最適ですが、正直それ以上の広がりはないかなという感じです。【かさこ】

謎が謎を呼んでどんどん深みにはまる作品です。作者の想像力は無限大に広がるかのような感じすらします。あの終わり方で、後編を迎えるということは、耐え難い我慢が必要になります。【yass】

V.ファーは、英国と日本の文化が奇妙な融合を見せている島である。一年に一度、「ヒガン」と呼ばれる時期だけ、このV.ファーの北東にあるアナザー・ヒルという地域で、生者と死者が再会することができる。その年のヒガン、アナザー・ヒルに集まった生者たちの一番の関心事は、シリアル・キラー「血塗れジャック」。アナザー・ヒルで、被害者から「血塗れジャック」についての証言を聞こうと意気込む生者たちの前に、次々と事件が起こる、と形式上はミステリに属するが、背景設定は異世界ファンタジーであり、既成のジャンル分類に嵌らない恩田陸らしい、複合的なエンターテイメントになっている。V.ファー、特にアナザー・ヒルの文化設定はかなり複雑なのだが、その文化をきちんと理解できていない日本人を主人公においているので、読者もそれに合わせ、ストーリーが進むにしたがって少しずつ理解していくことができる。また、著者の情景描写は巧みなので、奇妙な文化を持つ地の不可思議な風景も映像的に頭に思い浮かべられる。そうして作品世界に入り込んでしまえば、舞台、キャラクター、謎、それぞれの魅力に酔わされながら、次々とページをめくっていくことになる。そして、「ねじの回転—February moment」でもそうなのだが、恩田陸作品が上下分冊になるときの上巻の幕切れのしかたは絶妙で、すぐさま下巻を開かずにはいられなくなってしまう。というわけで、下巻のレビューに続きます。【黒猫飼い】

ヘヴンリー・ブルー (集英社文庫) / 村山 由佳 / 集英社推定累積売上部数【16715部】の口コミ

「天使の卵」のアナザー・ストーリーと言う位置づけになっていますが、要は、「天使の卵」「天使の梯子」を通して、夏姫の目から見た物語になっています。 それと、映画「天使の卵」とのコラボになっていると言うことで、この「ヘヴンリー・ストーリー」及び映画「天使の卵」完成に至るまでの作者の日記が、「メイキング・エッセイ」と銘打たれて併載されています。 小説の中身については、天使シリーズの両作品のダイジェスト版的な内容で、これを読めばほぼこのシリーズで語られたことが解る作りになっています。 更には、映画で歩太がスケッチしていたデッサン画が挿入されており、心を和ませてくれます。 日記の方は、多忙な作者と愛猫もみじの愉快な同居生活が楽しめます。 【ringmoo】

密謀 (上巻) (新潮文庫) / 藤沢 周平 / 新潮社推定累積売上部数【39470部】の口コミ

政治と業界ではなく、「まつりごと」と「ごう」です。直江の話しよりも、秀吉、家康の権力欲の凄まじさを直江の口から説明させている感じです。そして、景勝の佇まいが、藤沢調で凛とした感じを際だたせています。某TVの主役よりも、俄然、景勝に興味を持ちました。個人的には、本筋ではない静四郎の話しが好きでした。どうせ読みますので、上下巻で購入すべきです。【竹田翔丸】

藤沢周平というと最近の映像化ブームで「夫婦愛」「庶民派」みたいな印象がありますが、実際には時代小説の短編などでも文章がとても上手くて、軽妙洒脱、そして穏やかな主張はあっても、それが決して押し付けがましくない点も美点だと思われます。数年前、最初にこれを読んだ時、藤沢さんの時代小説は初めてで、上巻は私が有名武将しか知らない為に少し苦労しましたが(日本史オンチだったので;)中盤以降はどんどん面白くなってきます。さりげない言葉や文章での心情描写はさすがという他ありません。藤沢作品なのであからさまに敵対する武将を悪く書いたり、上杉を贔屓したりという描写は少ないのですが、その分読み手としては想像力を働かせる余地があるという印象です。この作品を読むと「義」を掲げながらも一面では冷静沈着な知将だった直江兼続、謙信の精神をそのまま受け継いだ上杉景勝贔屓になりますね。兼続を「いい人」すぎる人に描写していないのに、彼の生き方には感銘を受けます。景勝も男が惚れる武将だったことがわかります。そして、この時代は草(忍者)を使うのが当たり前だったこともわかります。三十石に減らされてからの話もこの文章で読みたかった気はしますが、繰り返し読みたくなる余韻と深みのある作品です。「直江と石田が密約を交わしたという証拠はない」とした上で書かれているのにも好感が持てました。戦国武将の人間性を描きながらも、捏造だらけという印象はありません。兼続にまつわる女性達の描写がほぼないのが原因かもしれませんが、これが大河の原作がこれだったらなあ…と残念になります。【りいな】

何時の世も、どの国も歴史は「勝者」からの視点で語られてきた。 敗者は悪しざまに汚名をそそがれ、滅び散ってゆく。本書は関ヶ原における「敗者」である上杉影勝とその参謀の直江兼続を中心題材とした歴史小説である。史実を元にした歴史小説だが堅苦しさは全くなく、登場人物は皆、藤沢周平特有の人間味の溢れた魅力のある人物像で描かれている。又、史実の描写とフィクションであろう場面の描写のバランスは絶妙で時代小説としての面白さも十分に堪能できる。豊臣政権下、影勝と兼続が「謙信の家」の誇りを胸に、時勢を冷静に見つめ、同盟国として待遇した秀吉に義を通しながらも、時に知略と謀略を駆使して一国を存続・拡大していく駆け引きなどは戦国時代ならではのスリルに満ちあふれている。秀吉没後、我がもの顔で天下掌握に向けて動き出す家康に名家上杉は悠然と立ち向かう。ことに、あの有名な「直江状」を突き付ける場面などはこの上なく痛快である。関ヶ原において上杉は結果的に「敗者」となるが、しかし、敗者には敗者のどうしても譲れない事情と意地があり、それがこの物語の終着点になっている。敗者の美というべきか不思議ながら美しい余韻が残った。そして、徳川幕府によって会津120万石から米沢30万石に減封された上杉の物語りは藤沢周平の遺作となる「漆の実のみのる国」へ継承される。【loaded】

関ヶ原の勝敗はご存知の通りですが、私は何故上杉が南下して来なかったのかというのはあまり深く考えたことがありませんでした。その背景には上杉家の当主としての景勝の気持ちと、三成という友人を持ち、尚且つ上杉の直参であるという兼続の気持ち、二つの思いが交錯して胸が詰まるような気分になりました。 江戸期の人情モノを手がけることが多い藤沢周平作品の中でも異色ですが、ラストはやはり彼ならではです。【路平】

この上巻の主人公はじつは兼続や上杉ではない。豊臣秀吉である。(とかってに断定してしまいます^_^;)ここには、吉川英治の英雄秀吉も、司馬遼太郎の天才秀吉もいない。藤沢周平はこの時代を描くのに、その中心人物を描かずに、その周辺諸国の参謀の目を通して描いた。そこには「稀有の器量人」としての秀吉と同時に、天下を自分のものにするためには、あらゆる権謀術策を自然と行える残酷な政治家としての秀吉を描いて見せている。さらにはその兼続自体も、一人の戦国大名の幹部に過ぎないことを知らせるような仕掛けもある。 上巻で秀吉は死ぬ。やがて時代は関が原に向かって行くであろう。戦国の激動の時代を生きるということはどういうことか。藤沢周平と共に眺めていきたい。【くま】

ジウ〈1〉—警視庁特殊犯捜査係 (中公文庫) / 誉田 哲也 / 中央公論新社推定累積売上部数【60098部】の口コミ

ストロベリーナイトが面白かったので読んでみた。一人称が頻繁にかわるんだけど、分けわからなくなったりしなくて読みやすい。それでいてスピード感、リアリズムは変わらない。でもなんとなくしっとりした文体に感じた。で、人が物理的に傷ついていく時の描写は異様にリアル過ぎる。映像を見ているようだった。早く続きが読みたい。(文庫で)■読んで欲しい人・ミステリー好きの人・リアルな戦う描写が好きな人・色々な人【ハルキチ】

オーデュボンの祈り (新潮文庫) / 伊坂 幸太郎 / 新潮社推定累積売上部数【104914部】の口コミ

ラッシュライフがすごくおもしろかったので、伊坂作品を読んで見ようとデビュー作の本書を読んだが、はっきりいって、おもしろくなかった。すごく中途半端な感じがする。吹っ切れない中途半端さをいっぱい詰め込み、中途半端なストーリー、世界観を、中途半端な文章でだらだらだらだら連ねている。まあこの中途半端こそが、著者の意図でもあり、著者の伝えたいことなのかもしれないけど、読んでいておもしろいと思えなかった。伊坂作品を読んだことがない人が、「伊坂作品おもしろいよ」と勧められて、このデビュー作から読んだら、半分ぐらいは「なんだつまらない」といって、他の伊坂作品読むのをやめちゃうような気がする。個人的にはラッシュライフが一押しです。【かさこ】

初出は2000年12月。第5回新潮ミステリー倶楽部大賞を受賞した伊坂幸太郎のデビュー作(正確には1996年に『悪党たちが目にしみる』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞しているので第2作、でもこの作品を読むのはかなり困難だ)。まず、既に伊坂ワールドが完成しているのに驚く。そしてこの非凡な才能を新潮ミステリー倶楽部の選考委員が見逃さなかったことに拍手したい。この作品的に言えば『選ばれない』未来も『選ばれる』未来も存在していただろう。しかし、この作品がフツーの読者の手元に届くという未来が選択されたという結果が、その後の続々と発表される傑作が世に出る引き金であったことは間違いない。未来は神様のレシピで決まる、は、伊坂幸太郎が大好きな台詞だが、神様は最高のレシピを出してくれたようだ。伊坂幸太郎のスゴイと思うところは、作品の全世界を創造力だけで完成できるところだと思う。そして世界の回転を随所に伏線を張りながら、ほとんど会話で創り上げる。一番近いのは村上春樹の『海辺のカフカ』だと思うがこの作品はあの傑作すらも凌駕している、と感じる。これからどれだけの傑作を生み出し続けるのか予想がつかない。ただ既に直木賞を渡すタイミングは逸してしまっているほどビッグな存在になっていることにおそらく選考委員は気がつかないのだろう、と思う。【voodootalk】

『ゴールデンスランバー』で初めて出会った伊坂幸太郎。評判のよいデビュー作を読んでみたいと思って読み進めましたが・・・・・・これがまったく読めない。というかおもしろくなさすぎて、先に進まない。荒唐無稽なストーリー。退屈極まりない展開。なぜこんなに評判がいいのか?理解不能である。【オーガスタ】

伊坂幸太郎のデビュー作。「重力ピエロ」や「アヒルと鴨のコインロッカー」など他の伊坂作品も読んだことがありますが、それらと比べると何か物足りないというのが正直な感想。話の中でたくさんの伏線を引いておきながら、結論はそれだけ?という感じ。登場人物も個性的なのはいいのですが数が多すぎて一人ひとりがそんなに重要性を持っておらず、浅く広く描かれているので重厚さに欠けるといいますか・・・。主人公の祖母も大事に扱われている割に話とそれほど関わっていませんし、城山も最期があっけなさすぎます。さらにこの物語の最も重要なポイントの「優午の死の真相」と「この島に足りないもの」も散々盛り上げといて最終的にはそれでいいの?という結果に。話の設定からすればもっと面白いものができると思っただけに残念です。【Grand Chef】

リアリティーを感じることができない作品でした。文章もわかりにくく、なんともいえない気分になりました。それでも最後まで読んでしまいました。つかみどころがありません。人気の秘訣はよくわからないところにあるのでしょうか。 ただ、最後まで読むと不思議な読語感が続きます。天才肌かもしれません。【ハカセ】

重力ピエロ (新潮文庫) / 伊坂 幸太郎 / 新潮社推定累積売上部数【240584部】の口コミ

 淡々とした語り口なのに、内容的には、親子や兄弟の絆を考えさせる重いテーマを扱っています。謎解きいうミステリーの要素がストーリーの縦糸ですが、本筋は親子や兄弟の微妙な距離感の描写にあると思います。 伊坂氏の作品を読むのは、『グラスホッパー』に続き本作で二作目ですが、人や場面の描写が、たとえ一人称で語られていても、いつも客観性をまとっているような気がします。どこか、冷めたようなスタイルに、登場人物に感情移入していくことに、最初必ずとまどいます。意図しての事なのでしょうが、この辺が伊坂作品の好き嫌いの分かれるところなのかもしれません。 血のつながりという“重力”を超えようともがいている家族の姿がリアルに感じる後半、父が二人の息子にかける言葉に、私は感動を覚えました。 映画化もされるとのことですが、原作を先に読んで、どのような映像に仕立てるのか見てみるほうがお勧めです。 【きょうパパ】

私が古いのかもしれませんが、主人公とその弟との会話がキザすぎていらいらします。もっと、「普通に話してよ」という感じです。その会話の内容も、知識のひけらかしのような感じで、心に残りません。放火の理由も弱いし・・・。伊坂さんって、なんか犯罪自体を行うこと自体を軽く考えてる気がします。冒頭の女の子をバットで殴るというのも、そんなことまで書く必要あるのかな?と思ってしまいます。【ニコニコ日記】

家族を実感する時、特別な言葉や特別な表現はいらない。じっと相手を見つめて、心からの想いを伝える。それで、繋がり、温かさ、生きている意味をお互いが分かち合える。それを教えてくれる場面で、不覚にも、涙を流してしまった。父を、母を、兄を、家族を、思い浮かべながら読んでいたら、温かいものがこぼれていた。小説に感動し、そして自分の家族に感謝していたのではないかと思う。話の密度、仕掛けの巧妙さ、登場人物の描き方といった全体として、この小説が突出したものかと問われると、そうは言えないように思う。しかし、間違いなく、この小説は傑作だあの場面で父から子へ伝えられた一言小説を傑作へと導びく言葉が、ここには待っている【my father is Tomason】

同業の作家で評判になったというので大分前に読んでみたのだが、まったく内容を覚えていない。何ひとつ。他に「オーデュボンの祈り」「グラスホッパー」も読んだが(そっちの方はなんとなく覚えている)、全体を通して、作家としてのスキルが足りない印象は否めない。稚拙だな、という印象。イマジネーションが想像の範疇を超えない。従って驚きも発見もない。単純に、筆力、想像力の問題だと思う。僕にはどこが評価されているのか分からない。凡庸な、アマチュアレベルの作家。売れりゃいいのか。【Sukeza】

立派な両親とハンサムな弟。優しい家族思いの兄。でも結末がそうなるんだったらあんまり嬉しくない。両親の判断は結局、不幸を生んだ事って救いがないような気がします。ある意味親不孝だし、子不孝(不幸)だし。幸せになって欲しかった・・・。【バーバリブ】

ネクロポリス 下 (朝日文庫) / 恩田 陸 / 朝日新聞出版推定累積売上部数【12661部】の口コミ

恩田ワールド全開で、奇妙な異世界ファンタジーへと連れ出してくれる、とってもおもしろい作品!時間を忘れて、上下巻ともに一挙に読んでしまいました。とてもおもしろかったものの、すっきりしないエンディングや、「結局、だからこの物語は何だったのか?何がいいたかったんだろうか?」という疑問がわいてきて、読んでいる時はおもしろいけど、読み終わって意外と何も残らない部分もあります。暇つぶしには最適ですが、正直それ以上の広がりはないかなという感じです。【かさこ】

ここで終わりですか?が正直な感想だった。今までの饒舌はどうなるんですか?謎解きに入ってから急に話が見えにくくなったというのが、自分の感想です。最終的にはとっても日本的に感じます。でもあくまでもネクロポリスなのだけれどもね。【yass】

(上巻のレビューも合わせてご覧ください)下巻になると物語は加速し、「血塗れジャック」の被害者が表れたりと、前半では大きな動きが連続する。ただ、それで一気に謎が解決をみるかというとそうはいかず、謎が謎を呼ぶ展開で読者を先へと引っ張っていく。また、それと並行して、文化人類学を研究する主人公が、日本とV.ファーに関して比較文化論的を試みたりする。この作品の舞台設定に魅力を感じる読者にとっては、実に興味深いシーンとなるだろう。後半、ミステリの体裁を持つこの作品の“謎解き”は二段階に分けて行なわれ、その間に主人公たちの冒険が組み入れられる。ミステリ的展開とファンタジー的展開が交互に挿入されて読者を楽しませる。しかし、それまでの長大な物語を支えるにはこの謎解きは少々ボリューム不足である感は否めない。どうにもあっけなさを覚える。もともとこれは連載小説であるが、何らかの紙面的制約があったのかもしれない。兎にも角にも残念である。解説は萩尾望都が書いており、読了者限定になるが、なかなか面白いエッセイに仕上がっている。【黒猫飼い】