‘文庫週間ランキング’ カテゴリーのアーカイブ

【文庫】週間ランキング2009年02月02日 付集計分

2009 年 1 月 29 日 木曜日
ジェネラル・ルージュの凱旋 上

【1位】ジェネラル・ルージュの凱旋 上 / 海堂尊 / 宝島社

居眠り磐音 江戸双紙 28 照葉ノ露

【2位】居眠り磐音 江戸双紙 28 照葉ノ露 / 佐伯泰英 /双葉社

ジェネラル・ルージュの凱旋 下

【3位】ジェネラル・ルージュの凱旋 下 / 海堂尊 / 宝島社

生徒会の四散 碧陽学園生徒会議事録 4

【4位】生徒会の四散 碧陽学園生徒会議事録 4 / (著)葵せきな/(イラスト)狗神煌 / 富士見書房

ガール

【5位】ガール / 奥田英朗 / 講談社

まほろ駅前多田便利軒

【6位】まほろ駅前多田便利軒 / 三浦しをん / 文藝春秋

夜は短し歩けよ乙女

【7位】夜は短し歩けよ乙女 / 森見登美彦 /角川グループパブリッシング

いつか天魔の黒ウサギ 2 ≪月≫が昇る昼休み

【8位】いつか天魔の黒ウサギ 2 ≪月≫が昇る昼休み / (著)鏡貴也/(イラスト)榎宮祐 / 富士見書房

ヘヴンリー・ブルー

【9位】ヘヴンリー・ブルー / 村山由佳 / 集英社

感染列島 映画ノベライズ版

【10位】感染列島 映画ノベライズ版 / 涌井学 / 小学館

ストロベリーナイト

【11位】ストロベリーナイト / 誉田哲也 / 光文社

容疑者Xの献身

【12位】容疑者Xの献身 / 東野圭吾 /文藝春秋

聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 4

【13位】聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 4 / (著)三浦勇雄/(イラスト)屡那 / メディアファクトリー

螺鈿迷宮 下

【14位】螺鈿迷宮 下 / 海堂尊 / 角川グループパブリッシング

ジウ Ⅱ 警視庁特殊急襲部隊

【15位】ジウ Ⅱ 警視庁特殊急襲部隊 / 誉田哲也 / 中央公論新社

螺鈿迷宮 上

【16位】螺鈿迷宮 上 / 海堂尊 / 角川グループパブリッシング

スレイヤーズすまっしゅ。 2 アカデミー・フェスタ

【17位】スレイヤーズすまっしゅ。 2 アカデミー・フェスタ / (著)神坂一/(イラスト)あらいずみるい / 富士見書房

ネクロポリス 上

【18位】ネクロポリス 上 / 恩田陸 / 朝日新聞社

ナイチンゲールの沈黙 上

【19位】ナイチンゲールの沈黙 上 / 海堂尊 / 宝島社

ナイチンゲールの沈黙 下

【20位】ナイチンゲールの沈黙 下 / 海堂尊 / 宝島社

余命

【21位】余命 / 谷村志穂 / 新潮社

密謀 上 改版

【22位】密謀 上 改版 / 藤沢周平 / 新潮社

ジウ Ⅰ 警視庁特殊犯捜査係

【23位】ジウ Ⅰ 警視庁特殊犯捜査係 / 誉田哲也 / 中央公論新社

オーデュボンの祈り

【24位】オーデュボンの祈り / 伊坂幸太郎 / 新潮社

ネクロポリス 下

【25位】ネクロポリス 下 / 恩田陸 / 朝日新聞社

十津川警部 三河恋唄

【26位】十津川警部 三河恋唄 / 西村京太郎 / 双葉社

99のなみだ・空-涙がこころを癒す短篇小説集

【27位】99のなみだ・空-涙がこころを癒す短篇小説集 / (編)リンダブックス編集部 / 泰文堂

草原からの使者 沙?樓綺譚

【28位】草原からの使者 沙?樓綺譚 / 浅田次郎 / 徳間書店

密謀 下 改版

【29位】密謀 下 改版 / 藤沢周平 / 新潮社

相棒 season4 上

【30位】相棒 season4 上 / (脚本)輿水泰弘/(ノベライズ)碇卯人 / 朝日新聞社



ジェネラル・ルージュの凱旋(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【189961部】の口コミ

前作「ナイチンゲール〜」がイマイチだったが、今作の前に読んでおくと、ストーリーの裏側がわかって楽しさが増します。バチスタのときと同様、登場人物がかっこよく活躍。今回はとくにジェネラルルージュこと速水の活躍が印象的。前作、前々作で名前だけ登場していた「姫宮」もついに登場。この作品だけ読んでも十分に読み応えがありますが、前の2作品を読んでから読むとさらに面白いこと間違いなし。【カラッと爽快】

冒頭の部分を読んでゆくと「ナイチンゲールの沈黙」と同じ描写に、「おや!前に読んだっけ!」と一瞬心配になりました。ところが、読み進んでゆくと「ナイチンゲール・・・」が小児科での話だったのに対し、こちらは救命救急センターが舞台だと言うことが解ってきます。そして、どうやらこの2作品は同時並行に展開する2つの事件だと解ります。 従って、2作品それぞれに必要としない描写があります。それは、もう一方の物語の事件に関係している部分と言う訳です。 本作のテーマは、救命救急医療のあり方です。 ここ東城大学医学部付属病院の救急医療は、速水部長の手にあります。そして、この速水部長に収賄疑惑の内部告発があります。この事件の解決に引っ張り出されたのは、今回も田口公平でした。 この速水部長の描写が素晴らしく、緊急医療の現場の雰囲気を垣間見ることが出来ます。この速水部長の言動は、感動的ですらあります。 もちろんこれ以外にも、医師倫理の問題や、Ai、医療用のヘリの問題なども登場します。 作者のエンターテイメント性の素晴らしさが、読者を引きつけてやみません。 【ringmoo】

まずは、『バチスタ』→『ナイチンゲール』→本書と刊行順に読まれることをおすすめします。特に『ナイチンゲール』は本書と時間軸・人物を共有する作品。ぜひ先に『ナイチンゲール』をお読みくださいませ。著者の一貫した姿勢、現在の医療に対する問題提起というテーマをエンタメ小説に仕立て上げる、その腕前が一層際立つ本作。読みどころは多々ありますが・・・・舞台となる救命救急センターの緊迫した空気とスピーディーな展開・救急センター部長「ジェネラル速水」の華やかさ・入り組んだ人間関係がもたらす緊張感や葛藤・バチスタスキャンダル決着の思わぬ副産物〜田口の大出世〜に伴い、彼に降りかかる数々の災難・逆風(ひとり歩きするヒーロー田口像が本人に全く見えていないおかしさ)・対田口リベンジチーム(エシックス)と田口チームの闘い(対決のクライマックスは・・・会議(笑) 解説の大森望さん曰く「ただ会議をしているだけなのにページをめくる手が止まらない」)・氷姫(姫宮)の素っ頓狂な存在感。藤原看護師の暗躍(女子もがんばってます!)・・・その他、ぜひお読みになってお確かめください。速水のヒーロー像がステレオタイプかな、と思わないでもないですが、『バチスタ』の桐生同様、圧倒的実力と高邁な理想・使命感を有するわかりやすいヒーローがいてこそ、田口や白鳥のおかしさが活きてるんだろうなあ。泥沼的おっさん連中のくだらなさも。めりはりのきいたキャラクター、物語を楽しみつつ、医療の理想・使命と現実について思いをはせずにはいられなくなる一冊です。【シロフォン】

バチスタシリーズの3作目です。シリーズ登場人物の絡み合いも読みどころだと思いますので、ぜひシリーズでお読みください!文庫で並んでいる様子もきっと美しい色合いだと(モノトーン好きにはイマイチかも?)思います。「田口・白鳥」シリーズでは「ナイチンゲール」と裏表・・というかほぼ同時進行のこの話。両方読み終えると、もう一度「この時、こっちではこうだったんだ〜」と読み返したくなるかも。氷姫の活躍?も楽しめます。【まるの】

著者の海堂氏が世に伝えたい医療現場の悲鳴を本作に載せています。病院の法人化により収益重視の経営に大きく舵取りを必要とせざるを得なかった日本の現代の医療の現実を著者は本作に表したのではないでしょうか?最近では良く耳にするようになった産婦人科医や小児科医の減少。そして終末医療患者のたらい回し。医療の未来を考えさせられる本作ですが、『田口、白鳥シリーズ』ですので楽しく最後まで読めます!テンポ良く、展開良く、気分爽快に最後まで読めること間違いなしです。個人的にはチームバチスタの栄光を読んでいた方が話しに入りやすいと思います。【最高の時間を手にしたい】

陽炎ノ辻—居眠り磐音 江戸双紙 (双葉文庫) / 佐伯 泰英 / 双葉社推定累積売上部数【119154部

先週順位
–位】の口コミ

書店を訪れると、必ず目にする佐伯泰英の著作群。平積みにされた本の山。一度は読んでみるべきと思っていました。本作品はNHKでもドラマ化されていることで有名な作品。といいつつ、ドラマは観ていないのですが、これほど売れているならと、手に取ったのが、この作品でした。・・・じつに面白い!ページを繰る手が止まらないほどに引き込まれるストーリー展開。ベストセラーとなるのもうなずけます。シリーズ既刊をすべて読んだ方のレビューが掲載されていますが、私も本作を読んだ直後、続編の「寒雷ノ坂」を購入してしまいました。【悶】

「おい、熊公。あそこの茶店で小さな双紙読んでるお侍を見てみな」「なんだい信吉」「さっきからすんげぇ目してじっとあの双紙を読んでるんだよ。なんかに魂を抜かれたみてぇだ。あら、いきなり笑い出したよ」「そんなにあの双紙がおもしれえのかね」「ああ、四半時(30分)もあの有様だ。おや、今度は・・・あれっあの侍、目が潤んでるじゃねぇか。泣いてんのか。泣いたり笑ったり忙しい侍だね」剣あり、恋あり、涙あり。読後気分爽快万事祝着。【読売の信吉】

磐音シリーズ既刊23冊全巻を読み終りました。結論として、面白さから言えば、これほど面白い小説を知りません。ほかの小説が読みたくなくなるほどです。これまで佐伯泰英さんの作品についてまるで知らなかったのですが、テレビで山本耕史と中越典子の連続ドラマを見て、主人公の磐音とおこんの大ファンになり、即刻、本を購入読み始めたら、面白くて途中でやめられません。たちまち、既刊23冊全部を読み終えてしまいました。あと、読む本がなく、しばらくぽかんとしてすごしました。そして作者が第23巻「万両の雪」のあとがきで、50冊くらいまでは書き続けるといっているので、続編が出るのを心待ちにしています。1700年代後半の江戸時代の地理や風俗、幕府・大名の官僚組織などもよく研究されていて、当時の江戸の名所、寺社、大名屋敷、奉行所の所在地やその様子、両替商など大商人の商いぶり、庶民の暮らしぶりや風俗が、そのまま映像として脳裏に浮かび、その時代の人になったような気分で物語が楽しめる、語彙や事柄についての作者の博識も驚くほどで、侍言葉や町人の話し方、その時代のしきたりなどずいぶん勉強になりました。そして、主人公の坂崎磐音の人物像がとても魅力的。当代一の青年剣客で、清廉潔白、正義の人、しかも、さわやかで、穏やかで、優しく、愛情深く、友情にもあつく、礼儀正しく、その上すぐれて賢明でもある。多くの人から頼りにされ、愛される。彼を取り巻く主要人物も魅力的な人が多く、その人物像、性格もきっちり描き分けられているので、主人公たちへの感情移入も容易にできました。【安】

娯楽モノの時代小説も、佐伯泰英さんの本を読むのも初めてで、テレビドラマの原作と言うだけで手にとって呼んでみたのですが、予想以上に面白くはまりました。江戸の風景だけでなく、国許のお家騒動も絡んで世界が広がり、言葉はもちろん古風ではありますが、気楽に読める現代的時代小説といっていいでしょう。ただ、あまりに強すぎる磐音に、彼がいなければ江戸の町も豊後関前も守れないのではないかと、要らぬ心配をしてしまいます(笑)。【kisshou】

居眠り剣法の使い手で、用心棒と鰻屋を掛け持ちするフリーター侍、という設定は面白いんですが、人物描写が、いくらエンタメ小説としても、弱すぎる。人によるとは思うけど、描写がきちっとしたものを求める向きには物足りないのではないでしょうか(同じエンタメであるミステリー小説では、結構そうした描写もきちっとする人がたくさんいるし、キャラがたっていることが多い)。【pp-tang】

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【178067部】の口コミ

本書の解説によれば、もともと、前作の『ナイチンゲールの沈黙』と本書とは一冊の長編として構想されていたのが、書いているうちに長くなりすぎたため、編集者のアドバイスを入れて二作品に分割されたとのことです。後に出版された本書では、そのような事情に伴うしわ寄せがきているようで、本書を読んだだけでは、よくわからなかったり違和感がある部分が散見されます。従って、本書の内容をよりよく理解するためには、前作『ナイチンゲール〜』を読んでおいた方がよいということになりますが、個人的には、前作はいまいちだったので、そのためだけに前作を読むことはお奨めしません。本作自体も、前半はいまいち乗れず、後半になってようやく物語に引き込まれたといった感じでした。どうせなら、『ナイチンゲール』に注いだ労力を本作に注いでれば、もっと面白い作品にできたのではないかと惜しい気がしています。【積読亭】

バチスタ同様、とても面白い作品です。個人的にはこちらのほうが好きです。とっても存在感がある白鳥がそれほど出てこなくても、速水がとってもかっこよく活躍するので十二分に楽しめます。次々に展開される一連のシリーズ。どんどん次が読みたくなります。【カラッと爽快】

チームバチスタを読んでおもしろく、海堂作品を読み漁ってみたものの、なかなか会心作に出会えなかったのですが、この「ジェネラル」は実におもしろい!実にユニークな登場人物の数々が織り成す、病院を舞台にした人間ドラマ!ある意味ではチームバチスタ以上かも。これが文庫本で読めるなら、お値段的にも超おすすめです。【かさこ】

オリジナルは2007年4月23日リリース。所謂『田口&白鳥シリーズ』の第3巻。圧倒的な筆力である。他の作家の書き方が単なる空想世界の縮こまった描写だとしたら、海堂氏のそれはまさに医療の現場の声そのもので出来ている。だからリアリティが凄い。現場の罵声が聞こえてくるような錯覚に陥る。 中でも外科医速水の男気溢れる生き様の描き方はまさに剛速球投手の筆力である。氏は今の医療の現場に欠けているモノ・・・例えばオートプシー・イメージング Autopsy imaging(Ai=死亡時画像(病理)診断)や、医師用緊急ジェット・ヘリが、どういった状況下で必要不可欠で、それを阻害する主因の行動しない口舌の輩が行動する人間を批判する体質(これは医療現場だけに限らないが)がどれだけ存在しているかを知らしめるために書いているとしか思えない。それだけに読むものは読んでいて眼が覚める。 それにしても海堂氏は理系だというのになぜにこんなに国語に強いのか・・・難解な漢字の弾丸に撃たれながら最後につまらないことを思った。間違いなく今最も素晴らしい作品を書いているのはこの人だ。【voodootalk】

生徒会の四散 碧陽学園生徒会議事録4 (富士見ファンタジア文庫) / 葵 せきな / 富士見書房推定累積売上部数【38694部】の口コミ

あとがきにもあるように前巻と併せて転換点に差し掛かった第4巻(5冊目)。何かを犠牲にして、あるいは誰かのために動き出した人が出てきた。しかし、年度が変われば生徒会メンバーも変わる、学校そのものを卒業する人もいる訳で、本シリーズの終着点も自ずと見えてこよう。その終着点をどのように見せるか、そのための動きが見え隠れしている現状といったところか。ただ、本遍自体は相変わらずのハイテンションな抱腹絶倒振りで不穏な動きを吹き飛ばしてくれる。とりわけ後半以降が笑いの危険領域レベルである。【第4話〜リベンジする生徒会〜】の元ネタは落語だろうか。選んだ2つの言葉がハマリ過ぎて腹が捩れるほど笑った。【第5話〜教える生徒会〜】のパターンも定番化した感のある面白さ(会長おバカ過ぎ…)だし【えくすとら〜流行する生徒会〜】の『そっちのアニマル』も可笑しかった。爆発的な破壊力こそ無いものの知弦さんの黒い世界も相変わらずでニヤニヤさせてくれる。そして、本巻の特筆すべき点は、少しずつだが杉崎の描くハーレムが実現しそうな雰囲気を醸していることである。真冬ちゃんは結構あさってな方向だが思い切ったことしちゃったし、深夏も自分の気持ちに気付き始めている。知弦さんが漏らす何気ない一言もあからさまになってきており、さり気無く嫉妬している会長もいる。おいおい、どうしちゃったの?というくらい女性陣の感情が表に出て来ているシーンが多かった。こうした恋の行方も含めて今以上に続きが楽しみになったと言える。【DSK】

会長のとってきた名言で始まり、生徒会メンバーが仕事らしいことをせずに話しあっている話です。エピローグでは佳境に入りました。いったいどうなる。アニメ期待してます!【山葵】

前巻の『三振』の意味ありげな終わりから一転、また普段の生徒会のドタバタが繰り広げられています(でもやはり生徒会室からは出ない) そんな中でもこの巻では生徒会メンバーの関係(特に椎名姉妹)に変化が起こります。 少しシリアスな話はありますが、全体的にはいつものノリで、楽しく読めました。 エピローグでは『企業』についての一端が明かされ、次の巻では大きな動きがありそうで、この巻は『転』であると思います。 アニメ化のニュースもあり、次巻も4月に発売予定、楽しみですね。【秋犬】

ついにアニメ化にまで来ちまったよ。かなり面白い作品です基本は登場人物がだべってるだけだが各所に散りばめられたパロネタとツッコミで笑いなしには読み終わらないオススメの一冊です【ナッチー】

 収録内容・隠蔽されたプロローグ・第一話〜読書する生徒会〜 今回の議題は読書、生徒会メンバーの読む本は・・・・第二話〜予想する生徒会〜 今回の議題は未来予想図、生徒会メンバーそれぞれの夢は・・・・第三話〜暴露する生徒会〜 小冊子「生徒会雑学」を作るために生徒会メンバーはそれぞれに自分の事を・・・・第四話〜リベンジする生徒会〜 メンバーには内緒でまたもや始まる桜野くりむのオールナイト全時空・・・・謎の原稿・第五話〜教える生徒会〜 真儀瑠の授業に文句をつけるくりむ、そんな彼女に生徒会メンバーは・・・・第六話〜騒ぐ生徒会〜 今回の議題は学園祭のテーマ、生徒会メンバーの出した提案は・・・・最終話〜進む生徒会〜 深夏から生徒会メンバーに語られる告白、それは・・・・えくすとら〜流行する生徒会〜 この作品をヒットさせるために次の流行を予想する生徒会メンバーだったが・・・・隠蔽されたエピローグ 相変わらず隠蔽されたプロローグとエピローグはシリアス(本編はドタバタ)ですね 遂に会長の野望の一つであるTVアニメ化も決定して今後が楽しみな作品となりましたね【gaeadom2】

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫) / 三浦 しをん / 文藝春秋推定累積売上部数【18733部】の口コミ

 三浦しをんさんの文庫最新刊です。 箱根駅伝を描いた「風が強く吹いている」で更に爆発的に知名度をあげた彼女ですのでいまさら紹介をしなくてもいいかと思いますが、彼女は作品や内容によって文章のスタイルががらりと変わる方です。シリアスなタッチから軽妙なもの、そしてエッセイでの破壊力満点の語りのスタイルまで自由自在にタッチやスタイルがかわります。 本書は、その中ではわりあいとかっちりとしたスタイルで書いた小説になると思うのですが、基本設定と話の運びがユーモアたっぷりなので、読みやすかったです。 主人公は、多田というバツイチの便利屋と、真冬の寒い日にバスのベンチで再会したかつてのクラスメートの行天。二人は、さして親しかったわけではなく、むしろとある因縁があって卒業してから一度も会ったことがなかったのですが、再会したその日からずるずるとコンビを組むことになります。やむなく、仕方なくコンビを組んだ多田は行天の変貌ぶりに首をひねります。学生のときは無口で学校では一言も話さないものの勉強もスポーツもできるデキスギくんだった行天は、大きくなったら、何故だかだらだらとしていて、住む家もなく着のみ着のままで、真冬なのにサンダルしかはいていないような変な大人になっていたからです。多田は、そんな彼にイラっときたり呆れたり嘆いたりしながらも一緒に事務所兼自宅で共同生活を営みます。 そんな彼らがいくつかの事件を解決していくうちに、二人の抱えた過去や想いが明かされていく連作短編集という体裁の本書。コンビ探偵もの特有のかけあいの面白さや、一つの事件をめぐる考え方の違いや、絶妙のコンビプレーなどもしっかり楽しませてくれますし、連作全体を通じて二人がじょじょに気持ちの交流を深めていく過程等もしっかりと描かれていて楽しめます。 三浦しをんさんの著書で、男性二人の共同生活、と紹介すると違うものを想像(ひらたくいえばBL)するかも知れませんが、そういう要素はないですので、そちらを毛嫌いする人も安心して読んでいただけます。 本当に面白かったです。  この作品、うまく映像化できたらいい映画原作になるんじゃないかなと思います。【樽井】

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) / 森見 登美彦 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【62494部

先週順位
–位】の口コミ

06年10月の単行本を文庫化した作品で,第20回山本周五郎賞の受賞作でもあります.全四章の章仕立てになってはいますが,それぞれが一話完結の連作短編となっており,男子大学生の『私』が春に『乙女』にひと目ぼれ,夏秋を経て結末となる四章の冬まで,ラブコメのようでありながら,『和』と非現実の空気が入り混じる少し不思議な物語です.(コミカライズもされているので,イメージがつかみづらいならそちらでの補完もおすすめ)『私』の屈折した,そしてちょっと仰々しい物言いはいささかクセのあるところですが,なんでも生真面目に,それでいてどこかとぼけた感もある『乙女』の様子はかわいらしく,同じような表現,言いまわしが繰り返されることで,世界観や物語が強く印象づけられます.また四章までの春夏秋冬,季節感あふれる描写は舞台の京都の町とも相まってとても美しく,なんとも言えない素朴で甘酸っぱい結末には思わずにんまりと,そしてホッとしてしまいます.巻末には,漫画家の羽海野チカさんによる『かいせつにかえて』(感想イラスト)があります.【ポロロッカ】

この文体に馴染めるかがポイントです。ウッと来る人も我慢して読み進めると、はまります。私もそうでした。分岐点は50ページくらいかな。【amamiya】

なんとも不思議な事がめまぐるしくて、最初は読みにくかったけど、読んでいくうちにどっぷり世界にはまってしまいました☆キュートな乙女とは古今東西よいものです。。。【tama】

言葉の引き出しが多い森見さん。素晴らしいと絶賛出来るほどのユニークな文才がいかんなく著された作品です。ただ一言だけ述べても伝わらないでしょうが………おもしろい!目で辿って読む進めていくうちに思わずくすり、と笑みが漏れてしまいます。なんといってもヒロインが可愛いのです。ヘタレな男と天然チックなヒロインを取り巻く愉快な面々にも注目。実に後味の良い作品であります!「走れメロス」もオススメ。笑いが止まらない。【いち】

個人的に大好きな作家の一人、森見氏の06年作。この度めでたく角川文庫より刊行されました。京都を舞台に「ふぁんたじっく」な群像をコロコロとまろばせる独自のスタイルは、今作でも貫徹。文体も世界観も、『太陽の塔』『四畳半神話大系』と同じく独創的なイロメキに満ち満ちておる。と言いつつも、その同質世界で絶妙に異なり愉快なる「仕掛け」を施すのが森見流。今作では、ボロアパートの万年床に本陣を据え、薔薇色のキャンパスライフに向けてロマンチック・エンジンを発動させる大学生の「私」というお馴染みの視点に加え、彼が一心に恋慕する「黒髪の乙女」側からの視点をも並列して取り込んでおる。このオナゴがまた、作者の妄想炸裂!といった按配のぽわんっとして「ぴゅあ」な女子像であるのも手伝ってか、人によっては初っ端で覚える躓き感は上記2作以上かも。かくいう自分も出だしの数頁で若干の「恥ぢらい」に見舞われたが、20頁もいけばその無闇きわまりない阿呆な奔走っぷりにクスリとし、50もいけばもう抜け出せないワールドに取り込まれていた。全四章から成る連作短編は、いずれも先の双方向からの視点で描き出され、その合算によってこれまでになくカラフルで、躍動感アリ、飛ぶように浮き立つ「ふぁんたじっく」な魅力を増幅して発散している。登場する人物/人物がみな、なんとも愛すべき個性でもってチョコマカと跳梁跋扈いたすところが言い難く魅力的。夜の木屋町・先斗町界隈の華やぐ喧騒、下鴨神社で行われる古本市、果ては青春と阿呆な熱量が跳ね散る京大の学祭などなど、その情景が胸苦しいほどの密度で脳裏に展開される御話に、毎度ながら自然に絡め取られてほんわりと包まれ優しく酔った。んでもって、ビックリな仕掛けが炸裂するのがラスト第四章。およそ「技巧的」なんてフレーズは思いもよらぬまま読み進めていたその終章で、アッ!と驚く展開にヤラれます。意表を突く弩ファンタジックな跳躍をみせるこのラストが、妄想と現実を遍く繋ぎ、冒頭の伏線をも巻き込んでプログレッシヴに捻転してドッカンと着地するサマは見事!『四畳半神話体系』でもこの四章構造にヤラれたが、この独特の文体の陰に隠れ、コッソリこのような素敵な手管を弄するところが森見さんのなんともニクイところ。大いなるワンパターンの中で意表を突く、そのマジカルな世界に今回も大変興奮いたしました。【あかちゃん】

いつか天魔の黒ウサギ2 《月》が昇る昼休み (富士見ファンタジア文庫) / 鏡 貴也 / 富士見書房推定累積売上部数【21402部】の口コミ

 6ヶ月連続刊行なので、この2巻の発売時期も分かっていたため、11月に買った初刊を3ヶ月も未読のまま放置。そして昨日一気に2冊まとめ読みしました。率直な感想が、あとがきで編集者も述べてたみたいですが、「もう最終巻くらいの勢いじゃん」です。次巻で終わりそうな雰囲気でしたが、作者曰くこのペースで余裕みたいです。 1巻で、なんだかんだでヒメアと大兎が出会い、最後にヒメアの高校編入。そして2巻では少し落ち着くのかと思いきや、数十ページでその雰囲気も終わり、シリアス展開に。この巻では、今まで名前ぐらいか出でこなかった「バールスクラ」についてや、タイトルの「天魔」について徐々に伏線が回収されていきます(新たな伏線も当然発生しますが、、)。遥についても。アイツも出てきます。タイトルの意味が全く分からないラノベも個人的には久々。そしてヒメアが、、、、。 次は3月に発売らしいので楽しみです。この作者すげぇな、、。 By 月【!乱れ雪月花!】

 紅日向を退けて楽しい(つらい?)高校生活になると思ったのも束の間、異次元から奇妙な蛇が侵入して来て次々と生徒たちを喰らっていく。紅月光からの指令メールを受け、蛇退治に出かけた鉄大兎とくっついて行くヒメア。二人の追撃を振り切り月光の前に姿を現わした蛇は、凶剣が通用しない上、殺したはずの日向からのメッセージを伝えてくる。 もうシリーズ終了?みたいなスピードで物語が展開していきますが、あとがきによるとまだまだ先は長いらしいです。 これを学園ものに位置づけるのは現時点では違和感がある。高校を舞台にする必然性を感じないからだ。18歳以下の子供が毎日いて不審に思われないところ、という要請から高校が舞台になっているわけだが、おかげで事件と関係しない生徒には記憶操作をしなければいけないなど、高校を舞台にした弊害も出てしまう。 学園ものらしく、もう一人のヒロインである時雨遥と大兎のストーリーも付け加えられているのだが、全体の構成から考えると少し浮いている気もする。高校を舞台にしなくても、これと同じ効果は別の方法で得られる気もするし…第一、作者が本当に描きたい部分は、学園の外側にあるように思えてならないのだよなあ。 まだまだ続きがあるらしいので、ここで感じた様な事は的外れだった、という結果になることに期待。  【くまくま】

感染列島—映画ノベライズ版 (小学館文庫) / 涌井 学 / 小学館推定累積売上部数【48723部】の口コミ

感染爆発…ワクチンが足りなくて、もし最後の1本なら……今なら、僕は誰に差し出すだろう? 大切な人は誰ですか?って聞かれたら、それは…。今なら、あなたに真剣に伝えたい。 「叶わない恋」なら、 せめて自分の命を差し出す(渡す)事で、何かが…自分の揺るがない気持ちが相手に…少しは伝わるのかなって思えた。 …なぁんて書くと、&名前を書くと迷惑だから「心の中」で止めておきまぁす(笑)別に、恋人になる事が愛を伝える=答えじゃないと心から思えた。政府の対応、空気感染の恐怖…笑えない現実がある。 実際問題、進化した鳥インフルエンザウイルス(豚に感染した後に変化して…人へ)が蔓延すれば…国内では優先順位が決められ、ワクチンは足りない。パンデミック/感染爆発は止まらない。 あなたに、「好き」とか「愛してる」なんて言葉にするのは簡単な事だと思う。 好きな人の為に、自分には一体何が出来るだろう? 自分を犠牲にしてまで、あなたを守りたいと思えるのか? 「答え」なんて出す前に、簡単に「好きな気持ち」は絶対に変わらないと思えた。 「絶対」と言えないなら、叶わない恋を続ける様な馬鹿な事はしない。 今だけの感情だと言われても、結果的に無意味な事でも、「生きる意味」と「生きた証」を残したいと思うから。 生まれ変わっても、同じようにあなたにもう一度…出逢いたいから。 この気持ちは変わらない。変えたくない、あなたの代わりなんて他にいないんだから。 あなたに出逢えただけで、僕は救われたんだよ? バカでしょう? でも、それは恋しているから。。34 (秀ちゃん流★A型★男性)【秀ちゃん流】

ストロベリーナイト (光文社文庫 ほ 4-1) / 誉田 哲也 / 光文社推定累積売上部数【51266部】の口コミ

映画を見ているような感じがしました。テンポが速くて、ところどころ、ジーンとするところもあり、姫川と井岡のやりとりが面白いし、登場人物も個性的で、新鮮な小説です。【SNOW】

東京から新大阪に向かう新幹線の中で、あいにくとお気に入りの文庫本も持ち合わせておらず、「困ったな」と思っていたら、となりの席の人が、「よかったら、差し上げますよ」と言って、本書を渡してくれた。そういうシチューエーションなら、本書を読んでもいいのでは、と思います。あなたには何も失うものはないでしょう。「つまらんものを読まされた」と憤るかもしれませんが、どうせ、あなたは2時間40分退屈していたはず。本書の内容など、新大阪に降り立つ瞬間に忘れてしまえばいいのですから。そして、降り立つ前に、博多行きの退屈顔の乗客に、「よかったら、差し上げますよ」と渡してあげればいいのです。【フォアローゼズ】

連続猟奇殺人事件に立ち向かうは、ノンキャリアで27才にして警部補になった美貌のヒロイン玲子。冒頭ではサイコー・キラーの生い立ちが描かれる。如何にもTVドラマ向けの安っぽい設定。期待薄の出だしだが、読み進めるうちに酷さが身に染みてきた。まず、玲子の設定に無理がある。自分ではデキル刑事だと思い込んでいるが、独白やセリフを読むと、その精神的レベルは中学生並みである。その癖、何の論理性もない飛躍した発想で貴重な発見をするのである。大人向けの警察小説を書きたいのか、少女向けの探偵マンガを描きたいのかハッキリしろ、と言いたい。話題作「西の魔女が死んだ」と対極にある作品のようだが、実は根っこは同一で、作者がメルヘン症候群に冒されているのである。どなたか(失念)が、「西の魔女」の「西」は日本人のヨーロッパ指向(憧憬)を表していると喝破されたが、本作はアメリカ指向であろう。「猟奇殺人の担当刑事=プロファイリングの得意な美人捜査官」と言う図式は嫌でもJ.フォスターを想起させる。そのJ.フォスターが映画「告発の行方」でレイプの被害者となり証言台に立った事を鑑みれば、作者の独創性はゼロである。他の刑事の野卑な言動や全編を覆うグロテスクなムード作りは、作者の幼児性の反映だろう。冒頭のサイコー・キラーの正体も、最初に名前が言及された時点で分かってしまうと言う拙劣さ。そして、結末はお決まりのパターン。作家としての矜持があるのだろうか ?読み通すのに本当に苦労した。この程度の安易な設定・構想で小説を発表して読者の時間を潰されては堪らない、と心から思う。【紫陽花】

結論からすると、個人的には最近読んだ中で他にないぐらいお勧めです。最初の書き出しは凄惨で、電車の中で読んでいて、前の座席の人が変に思われるぐらいのしかめっ面で読んでしまいましたが、だんだんと引き込まれていきます。時間のある年末に買ったのですが、年を越す前に読んでしまいました。続きも早く文庫で出てくれればと思います。【fukuihd】

面白かった。が、帯に書かれてるコメントに期待したほどではなかった。多くの方が書いているように描写が若干グロいです。そういうのが大丈夫な方はスラスラ読めると思います。登場人物の警察内の人間関係は、ドラマ等でも目にするような他の小説でも目にするような関係図だったけれど無駄に登場人物が多い訳でもないのでサッパリしたのが好きな人にはお勧めです。個人的には、主人公の過去の話が好きです。何故、彼女が警察官になったのかと云う話が。そこは、たった2行ほどでしたが、泣きそうになりました。世の中にはいろんな人生があってそこには、想像を絶する人生が平然と存在しておりそこから生まれる人間の感情、生き様、考え方などが事件を巻き起こす。確かに小説の中の話ではあるけれども狂った現代ならば、知らないところでこういった話もあるのかもしれない。少しだけ、そう思いました。【ピエール】

容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7) / 東野 圭吾 / 文藝春秋推定累積売上部数【382270部

先週順位
1位】の口コミ

本作は人を愛しすぎてしまった人の物語です。私はこれまでにない愛の形で、献身の意味が分かった気がします。この作品は単体でも読めますがやはり、探偵ガリレオ→予知夢→容疑者χの献身の順番で読むことをお勧め致します。【めろんぱん】

本作は直木賞受賞作品であり、私事ですが、私が初めて東野圭吾を知った記念すべき逸品です。このたび文庫本となって変更があったのは、湯川学の身分が「助教授」から「准教授」にきちんと修正されていた点です。本作は、カラクリ+心理描写という、近年の東野圭吾作品の魅力を十二分に発揮しています。東野作品を約50冊読み漁った上で、やはり本作は絶妙なバランスを備えていると考えます。とりわけ、後者の心理描写については、不細工な男が恋におちて、切なすぎる「献身」をするというのですから、個人的に、感情移入せずにはいられなかったです。たしかに、花岡靖子の心理描写はおざなりかもしれないし、彼女が「献身」に値する人物かは評価は分かれるでしょう。でも、石神哲哉は好きになってしまったのです、そこに論理的理由なんかはない!徹頭徹尾論理的に生きるのなら、花岡親子なんて切り捨てるべきなのです。それができなかった石神、冷徹なカラクリすら実行できる彼のそんな部分に、読み易い娯楽小説とはいえ、人間性の奥深さが良く表れていると思うのです。ちなみに、映画も好評なようで、DVD入手を心待ちにしていますが、石神=堤真一は、ちょっとイメージとずれます。男前過ぎるような…。個人的には、温水洋一さん辺りがぴったりですが…。あと、湯川=福山雅治はそれほど違和感はないのですが、記憶違いでなければ、著者は当初佐野史郎さんをイメージしていたそうです。【kagekiyo】

『秘密』以降は本格推理物が少なくなっていた東野作品ですが、この作品のトリックはなかなかのものです。本格ミステリー大賞受賞に相応しい名トリックだといえるでしょう。犯人当て形式ではなく、倒叙形式の作品ですが、このトリックはあっと言わせられました。伏線の張り方も上手い。このように、“ミステリー”の要素に限れば、文句なしに星5つの評価を与えたいのですが、この作品を「純愛小説」と捉えてしまうと違和感を感じる所が出てきてしまいます。まず、多くの方がレビューで指摘されておられるように、登場人物(特に靖子)の心理描写が薄い。相手に対してどのような想いを抱いているかの描写が不足しているため、ラストのシーンに今ひとつ感動しきれませんでした。『秘密』のラストの衝撃・感動に比べればどうしても見劣りしてしまいます。そして、これはトリックそのものにも関連することなのですが、犯行偽装のためのものとしては秀逸なトリックのある部分が、「純愛」のためであったとしても一線を越えた所があったと思います。(ネタバレになるので詳しくは書けませんでした。)セールス・大衆受けを意識して「純愛小説」というものにこだわりすぎたため、せっかくの本格推理の傑作になり得た作品が、東野作品の良作群の1つとしての枠内に留まってしまったような気がします。なんだか、もったいないなぁと。そうはいっても、東野作品の中でも上位に来ることは間違いない出来ではあり、東野氏の作品でなければ星5つにしていたとは思うのですが、『百夜行』、『秘密』、『悪意』といった作者の他の代表作に比べるとどうしても見劣りしてしまいます。それらの作品に匹敵する名作という期待が大きすぎたこともあって、この評価になりました。【白薔薇のつぼみ】

この作品は、映画化され、、ロングラン。既に映画を観た者としての感想。これだけロングランしているのは、今の日本人が求めているのは、日本社会への怒りと絶望、孤独感。それらからの、解放。少しだけでも良い。人間味があり、納得する愛の在り方と信頼。涙が少しでもにじんでしまう作品である。ドラマに比べ、最高。福山雅治と柴崎コウのコンビは健在であるがベタベタさせていない。湯川に匹敵する天才数学者白神を登場させたのはまことにツボをを心得ている。ワクワクさせる。『怪人二十面相と明智小五郎』『怪盗ルパンとシャーロックホームズ』それ以上か。湯川が危ういという場面あり。今までそのような状況に湯川が置かれたことは無かった。まさしく、献身。最後の柴崎の言葉が良い。「白神さんは○さんによって生かされていたのですね」納得する映画。そして、日本の現状況も納得する。日本国民も捨てたもんじゃないなぁと思ってしまう。【おじいさん】

人を愛することはどうしてこんなにも切ないのでしょう。数学に関しては天才的な頭脳を見せ行きずりの犯罪をここまで完璧な完全犯罪に仕立てることができるのに。この作品は推理小説としても楽しめるけれど恋愛小説としても読み込んでいけます。決して幸せな結末ではないけれど誰かを愛することは、もともと、このくらい重みのあることなのかもしれませんね。【もが】

螺鈿迷宮 下 (角川文庫) / 海堂 尊 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【23117部】の口コミ

天馬君の人のよさもあって病院内部の謎が少しずつ改名されていきます。ここにきて白鳥の存在がとにかく面白いですね。この下巻は勢いもあって、息もつけないくらいの展開を見せてくれます。上巻がやや退屈なので、上下に分ける必要はなかったように思います。そして真実と天満君との繋がり。ここは読ませましたね。なかなかのものです。【mitsugi】

現実の医療業界の問題を内容に織り込む小説を書くこの著者は、ここでは「終末期医療」の問題を取り上げていますが、読者にただ単にその存在を認識させるだけでなく、その裏に潜む「闇」の根の深さを認識させられるような描かれ方をしています。 そのため、小説自体は上下通して比較的短時間で読み終わったものの、その「問題」の重さはしっかりと受けとめることができました。 また、ミステリーとしても、出だしから数々の「謎」を読者に提示し、「この先どうやって謎が明らかにされるんだろう」と読者を引き込む力がありましたし、結末で謎が明らかにされた時、それまでの中に伏線がバランスよく配置されていたことに気づかされました。 現実の医療業界の問題点を、主軸をぶれさせることなくミステリーと融合させている、その完成度が今までで一番高いと感じます。 また、キャラクターの面からみると、『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』で、田口・白鳥コンビのやりとりの面白さを楽しんだ方々にとっては、こちらはそのコンビのやりとりはなく、田口自体、ほとんど出てこないため、いささかの寂しさを覚えるかもしれません。 しかし、その2作で名前は出ていた「氷姫」がついにここで登場します。切れ者なのか、天然なのかわからないそのキャラクターは、田口、白鳥にはない不思議な存在感。一読の価値ありです。 【buono_buono】

適当に本を取って買ったら下巻でした。この薄さで上下巻に分けるのはないよ〜カドカワさん。下巻だけでも白鳥の面白さは味わえますし、秀逸な後書きでストーリーの補填はできたので普通に楽しめました。氷姫の活躍を見たい人は上巻から、3、4時間の暇つぶしをしたい人は下巻だけでも大丈夫です。【秋人】

オリジナルは、2007年11月30日リリース。海堂氏はいつも小説というメスで日本医療の患部はどこか、を白日の下に曝す。『ジーン・ワルツ』では産婦人科医がなぜ激減したかだけでなく、明治時代のまま変わらない法律の矛盾や、アンケートばかりとっている厚生労働省の逼迫した現実への無反応・無為無策さ、名ばかりの少子化対策といったあらゆるものの問題点を全て提示していた。『ジーン・ワルツ』が人間の『誕生』への問題提起であるとすると、本作は人間の『死』に対する問題提起として書かれている。そしてこの2つの小説は対となって構想されたのでは、と思える。 デビュー作の『チーム・バチスタ・・・』で既に死者へのMRI検査の重要性を説いているが、本作では医者とは切っても切れない『死』の問題と、現代医療にとって『死』とはどのような存在なのか、を読むものに気がつかせる。 そして頭を過ぎるのがマイケル・ムーアの『シッコ』だ。アメリカ医療の酷さはどことなく今の日本の医療の先の姿のように思えてならなかった。 ここに登場する桜宮病院の院長の言葉、『医学とは屍肉を喰らって生き永らえてきた、クソッタレの学問だ。お前にはそこから理解を始めてもらいたい。医学の底の底から、な』が、この作品を象徴している。厚生労働省の考える『死』、病院の受け止める『死』、自殺志願者の『死』、末期癌患者の『死』・・・どれも同じ『死』であるはずなのにこの作品では違って感じられる。それは各々の『生』が螺鈿のように様々に光り輝いているからなのかもしれない。圧倒的な読後感を残す傑作である。【voodootalk】

螺鈿迷宮 上 (角川文庫) / 海堂 尊 / 角川グループパブリッシング推定累積売上部数【25390部】の口コミ

終末期医療を手掛ける碧翠院桜宮病院。黒い噂が絶えないこの病院の闇に東城大学医学部の落ちこぼれ学生・天馬と、厚労省コンビ(白鳥・姫宮)が迫る。「でんでん虫」と呼ばれる謎めいた館に棲む妖しげな経営者一族。銀髪の院長、美人双子女医、そして・・・ゴシック小説の雰囲気を漂わせるミステリーである。主人公にして語り手の天馬の成長物語の側面も併せもつ。この物語、『バチスタ』のような痛快さを求めるかたにはおすすめしがたい。白鳥たちが出てくるのに、笑えない・・・(彼が出てくるとなれば、笑いを期待するではないか) 現役勤務医である著者がテーマ・作風の異なる作品をハイペースで執筆している仕事ぶりは認めるが・・・ 白鳥の存在感を活かすには、天馬くんの語りは物足りない。やはり田口(『バチスタ』シリーズで白鳥とペアを組む医師)の語りが一番しっくりくる。田口のフィルターを通してこそ、白鳥のおもしろさが活きてくるのだと思う。もっとも、このお話は白鳥のおかしさが主眼じゃないんですよ、と言われればそれはその通りなのだが。このようにわたし自身は語り手・天馬との相性がいまひとつだったが、院長の一言一言の重みは胸に響いた。また海堂氏による「桜宮サーガ」の一作品として読んでおいて悪くないと思う。【シロフォン】

 もう手の施しようがない状態の人達が嬉々として働く終末医療先端施設. ここの描写を読みながら,生長らえさせてもらってるのか,生かされているのか良く分からない様な状態で息を引き取った自分の祖母を思い出し,可能であればこういった施設に入ってもらいたかったな,と思ったのは結局素人考え.何故元気に働いていた(あるいは働けた)という種明かしに至って,レビュータイトルの言葉にたどり着いた. 結局,ユートピアなんてフィクションの中にすら存在しなかった訳だが,それでも(法的には兎も角)これが悪い事なのかは私には判断できそうにもない.【理系の文系】

 終末期医療について書かれている。 死に際の医療は儲からない。それを上手くビジネスにもなるように入院から火葬場までオールインワンとなる施設が物語の中に登場する。なかなか奇抜な設定だが、作者のこめたメッセージは深いのだろう。 死因と治療が適切だったことを確かめるために死亡時の解剖が必要である。めぐりめぐってそれが後の医療にとても重要なものなのだと語られる。 新たなキャラクターが多く登場するが、そのほとんどが初めて会う顔ではない。その中でも姫宮については、満を持しての登場となる。本作品では、彼女と白鳥とのやりとりが楽しい。読み物としても十分な手応えがある。【たかじん】

天馬大吉というおめでたい名前の落ちこぼれ医学生が幼馴染の記者別宮から桜宮病院に潜入して欲しいと依頼を受ける。ボランティアの名目で病院に向かった天馬だが、姫宮と出合い、怪我をしてしまい患者様になってしまう。不自然な死亡が続き、天馬はそれとなく探りを入れる。謎ばかりの病院で、看護師もあまり見かけない。病院の中で何が行われているか、ワクワクドキドキします。章立ても短いのでグイグイ引きこまれていきます。【mitsugi】

現実の医療業界の問題を内容に織り込む小説を書くこの著者は、ここでは「終末期医療」の問題を取り上げていますが、読者にただ単にその存在を認識させるだけでなく、その裏に潜む「闇」の根の深さを認識させられるような描かれ方をしています。そのため、小説自体は上下通して比較的短時間で読み終わったものの、その「問題」の重さはしっかりと受けとめることができました。また、ミステリーとしても、上巻から数々の「謎」を読者に提示し、「この先どうやって謎が明らかにされるんだろう」と読者を引き込む力がありますし、伏線の張り巡らし方もバランスがいいです。現実の医療業界の問題点を、主軸をぶれさせることなくミステリーと融合させている、その完成度が今までで一番高いと感じます。また、キャラクターの面からみると、『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』で、田口・白鳥コンビのやりとりの面白さを楽しんだ方々にとっては、こちらはそのコンビのやりとりはなく、田口自体、ほとんど出てこないため、いささかの寂しさを覚えるかもしれません。しかし、その2作で名前は出ていた「氷姫」がついにここで登場します。切れ者なのか、天然なのかわからないそのキャラクターは、田口、白鳥にはない不思議な存在感。一読の価値ありです。【buono_buono】

ネクロポリス 上 (朝日文庫) / 恩田 陸 / 朝日新聞出版推定累積売上部数【16498部】の口コミ

謎が謎を呼んでどんどん深みにはまる作品です。作者の想像力は無限大に広がるかのような感じすらします。あの終わり方で、後編を迎えるということは、耐え難い我慢が必要になります。【yass】

V.ファーは、英国と日本の文化が奇妙な融合を見せている島である。一年に一度、「ヒガン」と呼ばれる時期だけ、このV.ファーの北東にあるアナザー・ヒルという地域で、生者と死者が再会することができる。その年のヒガン、アナザー・ヒルに集まった生者たちの一番の関心事は、シリアル・キラー「血塗れジャック」。アナザー・ヒルで、被害者から「血塗れジャック」についての証言を聞こうと意気込む生者たちの前に、次々と事件が起こる、と形式上はミステリに属するが、背景設定は異世界ファンタジーであり、既成のジャンル分類に嵌らない恩田陸らしい、複合的なエンターテイメントになっている。V.ファー、特にアナザー・ヒルの文化設定はかなり複雑なのだが、その文化をきちんと理解できていない日本人を主人公においているので、読者もそれに合わせ、ストーリーが進むにしたがって少しずつ理解していくことができる。また、著者の情景描写は巧みなので、奇妙な文化を持つ地の不可思議な風景も映像的に頭に思い浮かべられる。そうして作品世界に入り込んでしまえば、舞台、キャラクター、謎、それぞれの魅力に酔わされながら、次々とページをめくっていくことになる。そして、「ねじの回転—February moment」でもそうなのだが、恩田陸作品が上下分冊になるときの上巻の幕切れのしかたは絶妙で、すぐさま下巻を開かずにはいられなくなってしまう。というわけで、下巻のレビューに続きます。【黒猫飼い】

ナイチンゲールの沈黙(上) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【141800部】の口コミ

「ナイチンゲールの沈黙」は確かにSFチックな領域もある作品です。ただ、この作品は「ジェネラルルージュの凱旋」と同時進行であるので、両方、読むべきでしょう。病院内での事件があちらこちらで同時におきている。医療現場の現実を感じさせてくれる作品です。随所に医療行政への問題提起もあります。海棠作品はサスペンスに重きをおいて読むべきではないと思います。白鳥調査官や田口医師の掛け合いなどを楽しむべきでしょう。病理医の先生がこれだけの文章を書いている。私にはこのことのほうが驚きでした。【アンクルのソロ】

お話もいまひとつ入り込めなかったけど、一番の不満は「未消化感」ですね。『バチスタ』の後がこれ?と正直がっかりでした。思わせぶりな情報が小出しにされるも、伏線かと思えばそうではなく、ほったらかし。田口・白鳥に加え、ジェネラル速水、トンネル魔人島津、デジタル・ハウンドドッグ加納ら、クセのある人物が続々登場するが、中途半端でかえって煩わしい。いや〜な感じがして解説を見れば、「『桜宮サーガ』ともいえる社会を作るうえでこの作品はとても大切な位置を占めている」と書かれており、やっぱりね〜と。シリーズのための顔見せってことじゃない、独立した作品としてはどうなの?と不満は拭えませんでした。これは読まなくてもよかったかなあと。しかし! 1月8日発売の文庫『ジェネラル・ルージュの凱旋』を読み始め、『ナイチンゲール』を読み通すことは必要だったんだ!と報われた思いがしました。『ジェネラル』の前に本作を読んでおかれることをおすすめします!(以下、その理由。タネ明かしになってしまうかもしれないので一応お断りしておきます)『ナイチンゲール』と時間軸・人物を共有するまったく別の物語が走っていたのです。それが『ジェネラル』。まだ読んでいる途中ですが、この2冊はsideA・sideBというか。『ナイチンゲール』はメロドラマ調でSF的な話だけに、『ジェネラル』の緊迫感・深謀遠慮がめぐらされていそうなあやしげな感じ・・・作風の違いが一層際立って、期待感をそそります。だからといって、『ナイチンゲール』単品の評価は変わりませんが、『ジェネラル』を読む前にこちらを読んでください! それだけは力強くおすすめしたいと思います。【シロフォン】

チーム・バチスタの栄光の続編本題の「ナイチンゲール」は、歌姫の看護士「浜田小夜」のこと。今回の事件は、殺人事件。上巻では殺人事件が発生し、警察が登場するまで。またしても不定愁訴外来の田口講師が事件に巻き込まれるが、その序章である。病院と警察の上下関係や組織の複雑さ、歌声が脳に与える影響などを読み取りながら、上巻をお楽しみください。【ヒロゴン】

前作「チームバチスタの栄光」は、白鳥が登場するまでの緊張感は素晴らしかったものの、白鳥が登場して(文庫本でいえば下巻)からの展開は興ざめした。白鳥をここまでおかしげなキャラクターにする必要があったのかという違和感がどうにも拭いきれなかったからだ。僕自身は、こういう小説は、著者が作品で訴えたいことはあるにせよ、細かい理屈を抜きにして楽しめればいいという考えなのだが、それでも白鳥のキャラクターは小説の緊張感を壊しているとしか思えなかった。だから、この「ナイチンゲールの沈黙」を購入するのもしばらく躊躇っていたのだが、結局、前作の序盤の緊張感を期待して購入した。で、読み終わった感想は、前作と比較するとすっかり影が薄くなってしまったものの、やっぱり白鳥はいない方がいいんじゃないかというものだった。また、事件を解く鍵となる「歌声」に関しても、現実にあり得ることなのか、またそれを解明することが可能なのかは、まったくわからないが、少なくともこの小説にはあっていないし、歌声ではなく他の誰にでも現実的だと思える要素(鍵)で小説を構成した方がよかったのでは、と感じた。正直、現実離れした存在である「白鳥」と、現実にはあり得ることかもしれないがSF的ともいえる「歌声の効果」を事件解決の鍵とするこの作品をすんなりと楽しむことができなかった。大ハズレではないけど、現在刊行されている続編を“すぐに”手に取ってみようと気にはならなかった。【TaroTaro】

主になるのは小児科病棟にいる子どもたち。目を取らなくてはならない子どもの心のケアを田口先生が引き受けることになる。これだけでいいのではないかと思った。MRIの先生のことをガンガントンネル魔人と表現したり、子どもならではの雰囲気が充分伝わってくる。だが、看護師の小夜チャンの歌で脳波がどうのこうの、冴子と城崎の存在が必要だったのか?しかもここに白鳥を持ってくる必要性も感じない。文脈がバラバラだ。これがこの人の実力なのかもしれない。【mitsugi】

ナイチンゲールの沈黙(下) [宝島社文庫] (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ) / 海堂尊 / 宝島社推定累積売上部数【127884部】の口コミ

チーム・バチスタの栄光に続き、ロジカルモンスター白鳥登場。物語を事件解決に導く…が、推理小説と考えると事件解決の方法は余りにも現実離れしています。境界線を教えるべき大人が、易々と境界線をまたいでみせたことが、事件を複雑にさせたという総括に関しては同感です。【ヒロゴン】

歌声が脳波に与える影響をミステリー化させたところに無理がある。これは小児科の子どもたちの物語としてまとめた方が無難であったように思う。医療ミステリーにこだわる必要もなかったのではないかと感じます。特にこの物語に白鳥さんはいなくてもいいし。オレンジ病棟物語として描いたほうが感動があってよかったかもしれない。無理なミステリーは面白くない。【mitsugi】

白鳥が登場して少し面白くなったが、盛り上がりに欠けた。ミステリー小説だと思い読み進めたが、なんだか納得していないままにフィナーレまでいってしまった。【カラッと爽快】

『チーム・バチスタの栄光』に続く田口・白鳥シリーズの第二弾。『チーム・バチスタ〜』同様、白鳥はこの下巻に入ってからの登場。ここではさらに、白鳥の学生時代の腐れ縁であり警察庁から桜宮署に出向中の警視正・加納が、瑞人の父の殺人事件を捜査する過程で絡んできます。「田口を一方的に振り回す白鳥」のみならず、「そんな白鳥に対し、全くひるむことなく論戦しあう天敵:加納」、そして名コンビだかなんだかわからない上司と部下である加納と玉村のコンビなど、キャラクター同士のやりとりはなかなか楽しめます。しかし、犯人が早い段階で想像がついてしまう上に、犯人を追い詰める過程も、特別に惹きつける要素が何もありませんでした。また、ミステリーの他、SFやら少しだけラブストーリーやら、いろいろな要素を盛りこんだようですが、詰め込みすぎたゆえ、どれも表面的な描写にとどまり、中途半端に終わってしまった印象があります。単に「暇つぶしに読む軽い小説」や、「ストーリーよりもキャラの面白さのある小説」を求めているならそれなりの価値はありますが、「本を読むからには深みのある読み応えのある内容を」という方にはあまりオススメできません。【buono_buono】

前作『バチスタ』がどんどん読み進めることが出来たのに対して本作品は読み終わるまで時間がかかりました(作品の長さは同じぐらいだと思いますが)。白鳥・田口の掛合いは前作同様面白く読ませていただきましたがそれ以外の登場人物輪郭がぼやけていたような気がします。後半に向けて現実ではなかなか実体を想像しづらい現象が多くなりややこじ付け的な展開になってしまったと思います。次回作に期待したいです。【Mini0169】

余命 (新潮文庫) / 谷村 志穂 / 新潮社推定累積売上部数【28004部】の口コミ

主人公は百田滴、女医です。 彼女は、研修医の時代に乳ガンにかかっており、その後十数年に渡って再発はありませんでした。 一方、結婚生活10年にして、ようやく子供を授かります。ところが、時を同じくして、かつての手術後にしこりが。ここで、彼女は大きな選択を迫られます。 胎児が彼女の中で育つと言うことは、ガン細胞も活発化するということです。 彼女の選択は、誰にも話さず「生命」を繋ぐことでした。 この後の壮絶な彼女の戦いは感動的です。 乳ガンの進行と胎児の成長の同時進行から、夫も遠ざけての一人孤独な戦いを続ける一人の女性。そして、そこから生まれる一つの生命。 他の選択肢もあったかも知れませんが、百田滴の行動に感動します。 ちょっと気になったのが、冒頭と結末の部分だけ視点が違うことで、何となく違和感を感じました。【ringmoo】

子供を思う気持ち、パートナーへの愛情等の母としての強さ、女性の強さ(弱さもだけど)が良く表現されていたと思う。そう言った面では、十分に感動的だったと言える。しかし、医師としての滴の選択は理解しがたい物がある。というより、やってはいけないことではないか。なので、厳しめの3点にします。【あきぴー@武蔵国】

密謀 (上巻) (新潮文庫) / 藤沢 周平 / 新潮社推定累積売上部数【39470部】の口コミ

藤沢周平というと最近の映像化ブームで「夫婦愛」「庶民派」みたいな印象がありますが、実際には時代小説の短編などでも文章がとても上手くて、軽妙洒脱、そして穏やかな主張はあっても、それが決して押し付けがましくない点も美点だと思われます。数年前、最初にこれを読んだ時、藤沢さんの時代小説は初めてで、上巻は私が有名武将しか知らない為に少し苦労しましたが(日本史オンチだったので;)中盤以降はどんどん面白くなってきます。さりげない言葉や文章での心情描写はさすがという他ありません。藤沢作品なのであからさまに敵対する武将を悪く書いたり、上杉を贔屓したりという描写は少ないのですが、その分読み手としては想像力を働かせる余地があるという印象です。この作品を読むと「義」を掲げながらも一面では冷静沈着な知将だった直江兼続、謙信の精神をそのまま受け継いだ上杉景勝贔屓になりますね。兼続を「いい人」すぎる人に描写していないのに、彼の生き方には感銘を受けます。景勝も男が惚れる武将だったことがわかります。そして、この時代は草(忍者)を使うのが当たり前だったこともわかります。三十石に減らされてからの話もこの文章で読みたかった気はしますが、繰り返し読みたくなる余韻と深みのある作品です。「直江と石田が密約を交わしたという証拠はない」とした上で書かれているのにも好感が持てました。戦国武将の人間性を描きながらも、捏造だらけという印象はありません。兼続にまつわる女性達の描写がほぼないのが原因かもしれませんが、これが大河の原作がこれだったらなあ…と残念になります。【りいな】

何時の世も、どの国も歴史は「勝者」からの視点で語られてきた。 敗者は悪しざまに汚名をそそがれ、滅び散ってゆく。本書は関ヶ原における「敗者」である上杉影勝とその参謀の直江兼続を中心題材とした歴史小説である。史実を元にした歴史小説だが堅苦しさは全くなく、登場人物は皆、藤沢周平特有の人間味の溢れた魅力のある人物像で描かれている。又、史実の描写とフィクションであろう場面の描写のバランスは絶妙で時代小説としての面白さも十分に堪能できる。豊臣政権下、影勝と兼続が「謙信の家」の誇りを胸に、時勢を冷静に見つめ、同盟国として待遇した秀吉に義を通しながらも、時に知略と謀略を駆使して一国を存続・拡大していく駆け引きなどは戦国時代ならではのスリルに満ちあふれている。秀吉没後、我がもの顔で天下掌握に向けて動き出す家康に名家上杉は悠然と立ち向かう。ことに、あの有名な「直江状」を突き付ける場面などはこの上なく痛快である。関ヶ原において上杉は結果的に「敗者」となるが、しかし、敗者には敗者のどうしても譲れない事情と意地があり、それがこの物語の終着点になっている。敗者の美というべきか不思議ながら美しい余韻が残った。そして、徳川幕府によって会津120万石から米沢30万石に減封された上杉の物語りは藤沢周平の遺作となる「漆の実のみのる国」へ継承される。【loaded】

関ヶ原の勝敗はご存知の通りですが、私は何故上杉が南下して来なかったのかというのはあまり深く考えたことがありませんでした。その背景には上杉家の当主としての景勝の気持ちと、三成という友人を持ち、尚且つ上杉の直参であるという兼続の気持ち、二つの思いが交錯して胸が詰まるような気分になりました。 江戸期の人情モノを手がけることが多い藤沢周平作品の中でも異色ですが、ラストはやはり彼ならではです。【路平】

この上巻の主人公はじつは兼続や上杉ではない。豊臣秀吉である。(とかってに断定してしまいます^_^;)ここには、吉川英治の英雄秀吉も、司馬遼太郎の天才秀吉もいない。藤沢周平はこの時代を描くのに、その中心人物を描かずに、その周辺諸国の参謀の目を通して描いた。そこには「稀有の器量人」としての秀吉と同時に、天下を自分のものにするためには、あらゆる権謀術策を自然と行える残酷な政治家としての秀吉を描いて見せている。さらにはその兼続自体も、一人の戦国大名の幹部に過ぎないことを知らせるような仕掛けもある。 上巻で秀吉は死ぬ。やがて時代は関が原に向かって行くであろう。戦国の激動の時代を生きるということはどういうことか。藤沢周平と共に眺めていきたい。【くま】

徳川の世に決まるまでには、実は幾つかの逆転の可能性があった。最も重要人物であった上杉景勝、直江山城守のお話。内容はかなり史実に則っているが、独自の付加シナリオが藤沢周平調で哀切感を醸し出している。【】

ジウ〈1〉—警視庁特殊犯捜査係 (中公文庫) / 誉田 哲也 / 中央公論新社推定累積売上部数【60098部】の口コミ

ストロベリーナイトが面白かったので読んでみた。一人称が頻繁にかわるんだけど、分けわからなくなったりしなくて読みやすい。それでいてスピード感、リアリズムは変わらない。でもなんとなくしっとりした文体に感じた。で、人が物理的に傷ついていく時の描写は異様にリアル過ぎる。映像を見ているようだった。早く続きが読みたい。(文庫で)■読んで欲しい人・ミステリー好きの人・リアルな戦う描写が好きな人・色々な人【ハルキチ】

オーデュボンの祈り (新潮文庫) / 伊坂 幸太郎 / 新潮社推定累積売上部数【104914部】の口コミ

初出は2000年12月。第5回新潮ミステリー倶楽部大賞を受賞した伊坂幸太郎のデビュー作(正確には1996年に『悪党たちが目にしみる』でサントリーミステリー大賞佳作を受賞しているので第2作、でもこの作品を読むのはかなり困難だ)。まず、既に伊坂ワールドが完成しているのに驚く。そしてこの非凡な才能を新潮ミステリー倶楽部の選考委員が見逃さなかったことに拍手したい。この作品的に言えば『選ばれない』未来も『選ばれる』未来も存在していただろう。しかし、この作品がフツーの読者の手元に届くという未来が選択されたという結果が、その後の続々と発表される傑作が世に出る引き金であったことは間違いない。未来は神様のレシピで決まる、は、伊坂幸太郎が大好きな台詞だが、神様は最高のレシピを出してくれたようだ。伊坂幸太郎のスゴイと思うところは、作品の全世界を創造力だけで完成できるところだと思う。そして世界の回転を随所に伏線を張りながら、ほとんど会話で創り上げる。一番近いのは村上春樹の『海辺のカフカ』だと思うがこの作品はあの傑作すらも凌駕している、と感じる。これからどれだけの傑作を生み出し続けるのか予想がつかない。ただ既に直木賞を渡すタイミングは逸してしまっているほどビッグな存在になっていることにおそらく選考委員は気がつかないのだろう、と思う。【voodootalk】

『ゴールデンスランバー』で初めて出会った伊坂幸太郎。評判のよいデビュー作を読んでみたいと思って読み進めましたが・・・・・・これがまったく読めない。というかおもしろくなさすぎて、先に進まない。荒唐無稽なストーリー。退屈極まりない展開。なぜこんなに評判がいいのか?理解不能である。【オーガスタ】

伊坂幸太郎のデビュー作。「重力ピエロ」や「アヒルと鴨のコインロッカー」など他の伊坂作品も読んだことがありますが、それらと比べると何か物足りないというのが正直な感想。話の中でたくさんの伏線を引いておきながら、結論はそれだけ?という感じ。登場人物も個性的なのはいいのですが数が多すぎて一人ひとりがそんなに重要性を持っておらず、浅く広く描かれているので重厚さに欠けるといいますか・・・。主人公の祖母も大事に扱われている割に話とそれほど関わっていませんし、城山も最期があっけなさすぎます。さらにこの物語の最も重要なポイントの「優午の死の真相」と「この島に足りないもの」も散々盛り上げといて最終的にはそれでいいの?という結果に。話の設定からすればもっと面白いものができると思っただけに残念です。【Grand Chef】

リアリティーを感じることができない作品でした。文章もわかりにくく、なんともいえない気分になりました。それでも最後まで読んでしまいました。つかみどころがありません。人気の秘訣はよくわからないところにあるのでしょうか。 ただ、最後まで読むと不思議な読語感が続きます。天才肌かもしれません。【ハカセ】

本屋大賞・山本周五郎賞受賞作品伊坂幸太郎デビュー作この作品の中心となる舞台は、150年前から鎖国を続けている“荻島”かなりファンタジーなんだけど、所々はしっかりと現実とリンクしていて不思議なお話でした。そして、未来を知っていてかつしゃべる案山子、桜、ウサギなど個性的なキャラクター達が“荻島”という伊坂ワールドでその魅力をよく発揮していると思います。うっかり本当に“荻島”は存在しているかのような自然な創りでした。また、小物を使ったり、追っ手くる城山を通じての現実世界とのつなぎも上手い。何せ不思議な島。展開が読めず、様々な不思議な行動や事件が最後につながった時、少し切なくて、キレイな感動が残りました。また作者の知性を感じる場面もちらほらありました。特に  “勇午はカカシなのに鳥贔屓だ”リョコウバトと案山子のコラボなんて・・・シュールすぎます!!以前から伊坂さんの作品に興味があり、デビュー作であるこの作品から読んでみたいと思い手に取ったのがきっかけです。そして見事にハマりました。【PINK】

ネクロポリス 下 (朝日文庫) / 恩田 陸 / 朝日新聞出版推定累積売上部数【12661部】の口コミ

(上巻のレビューも合わせてご覧ください)下巻になると物語は加速し、「血塗れジャック」の被害者が表れたりと、前半では大きな動きが連続する。ただ、それで一気に謎が解決をみるかというとそうはいかず、謎が謎を呼ぶ展開で読者を先へと引っ張っていく。また、それと並行して、文化人類学を研究する主人公が、日本とV.ファーに関して比較文化論的を試みたりする。この作品の舞台設定に魅力を感じる読者にとっては、実に興味深いシーンとなるだろう。後半、ミステリの体裁を持つこの作品の“謎解き”は二段階に分けて行なわれ、その間に主人公たちの冒険が組み入れられる。ミステリ的展開とファンタジー的展開が交互に挿入されて読者を楽しませる。しかし、それまでの長大な物語を支えるにはこの謎解きは少々ボリューム不足である感は否めない。どうにもあっけなさを覚える。もともとこれは連載小説であるが、何らかの紙面的制約があったのかもしれない。兎にも角にも残念である。解説は萩尾望都が書いており、読了者限定になるが、なかなか面白いエッセイに仕上がっている。【黒猫飼い】

密謀 (下) (新潮文庫 (ふ-11-13)) / 藤沢 周平 / 新潮社推定累積売上部数【43900部】の口コミ

三成と兼続の間には密約があったのか?なぜ上杉家は、関ヶ原に向かう家康を追撃しなかったのか?そんな疑問に答えてくれます。義を重んじ家康に挑戦した直江状。軍神と呼ばれた謙信の家を存続させるために取った決断。おすすめの作品です。【あにも】

亡き著者55歳の作品。来年2009の大河ドラマ 直江兼続の「天地人」がまさにこの本の内容。その影響で今また脚光浴び、本の帯も新しくなって、さぞや著者も喜んでいることでしょう。 また、同郷で、且つ、直ぐ近くに春日山城がありながらも、全く上杉謙信、景勝、直江兼続の知識が無かったそれがしも、しっかりお勉強させていただきました。感謝 感謝!これでもか!これでもか!!と言うくらいに戦国武将が出てきます。時代小説が好きでも、歴史上の人物が登場する本が大嫌いで今まで避けてきた分、当然全く無知だった部分にたっぷり知識が蓄積されました。そうか、豊臣秀吉はこういう人物で、織田信長はこうで、徳川家康はこんなやつだったか?更に、石田三成がこうで、上杉謙信、景勝の「義」とはこうで、直江兼続はこんなだったか?そうこう言いながら、この(下巻)はワクワクしながら読みました。さすがは藤沢周平さん、この人の本でなければ絶対に読んでなかったことは言うまでもない。更に、最後ほのぼのさせてくれる場面は、この著者独特のもの、思わず苦笑いしてしまいました。火坂雅志著「天地人」NHK出版 とは全く違った、小説家 藤沢周平の世界が堪能できます。■お薦め度:★★★★★(戦国武将がほとんど出てくることを覚悟の上で読んで下さい。でも、超お薦めです)【rock-c】

二つの謎がある。なぜ上杉は、地理的に不利な豊臣方に荷担したのか。なぜ上杉は関が原のとき参戦しなかったのか。結局「謙信以来の誇り」ということなのだろうと思う。それだけではよくわからないという人は本書を読んで欲しい。といっても、あまりにもさらりと書いているので、私には少々不満だった。(こここそが眼目だろうに)けれどもじつはこれは眼目ではなかったのかもしれない。戦国時代時代に翻弄される藩を描いて、現代の会社を連想する人多いだろう。そういう翻弄する波の姿こそを描きたかったのかも。最後、草たちのそれぞれの運命が清清しい。【くま】